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ビジネス・復興/解説

国内のウラン鉱石はここだけ。ジョウチ・ヴォディの国営コンビナート

ドニプロペトロウシク州ジョウチ・ヴォディに本社を置く国営企業「東部採鉱選鉱コンビナート」は、ウクライナでただ一つ、ウラン鉱石を掘って精鉱にしている会社です。1951年の設立から、三つの鉱山、カナダを経て燃料の原料になる流れ、2026年の口座の差し押さえと株式会社への転換までをたどります。

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オリュカのひとこと

国内のウランは、どこで採られているのでしょう。最初の見出しで確かめられます。

ウクライナの原子力発電所で使う燃料の、いちばん最初の原料はどこから来るのか。国内でその原料、ウランの鉱石を掘っているのは、国営企業「東部採鉱選鉱コンビナート」(Східний гірничо-збагачувальний комбінат、略称СхідГЗК)の1社です。会社は自社の案内で、ウラン鉱石の採掘と天然ウランの精鉱の生産を行う、国内でただ一つの企業だと説明しています。

本社はドニプロペトロウシク州のジョウチ・ヴォディ(Жовті Води)にあり、鉱山の多くは隣のキロヴォフラード州にあります。原子炉の数と、燃料集合体の調達先の切り替えはウクライナの原子炉の記事にあります。ここでは、燃料になる手前の段階、鉱石を掘る会社の歩みと、2026年のいまの状況をたどります。

1951年の設立から、最初の精鉱まで

会社の沿革によれば、コンビナートは1951年7月24日のソ連閣僚会議の決定で、鉄鉱石の鉱山を土台にして設けられました。1956年に「ノヴァ」鉱山で最初の鉱石が掘り出され、1958年に鉱石から精鉱をつくる湿式製錬工場が完成し、1959年に最初の精鉱が得られています。

  1. オリュカ

    この会社は、どんな順番で鉱山を広げてきたのかな。

  2. タブリ

    設立から最近の法律まで、この見出しの下の年表に並んでいるよ。

  3. ヨリクネ

    燃料集合体の調達先の話は、記事の初めのリンク先の記事へ寄り道できるよ。

年表

年出来事出どころ
1951年7月24日ソ連閣僚会議の決定でコンビナートを設立会社の沿革
1956年「ノヴァ」鉱山で最初の鉱石会社の沿革
1958年湿式製錬工場が完成会社の沿革
1959年最初の精鉱会社の沿革
1964年ミチューリンスケ鉱床を発見会社(インフリスカ鉱山)
1966年ヴァトゥーチンスケ鉱床を発見会社(スモリネ鉱山)
1975年ノヴォコスチャンティニウカ鉱床を発見会社(ノヴォコスチャンティニウカ鉱山)
1989年ノヴォコスチャンティニウカなどの鉱床の工事を止める決定会社の沿革
2010年ノヴォコスチャンティニウカ鉱山がコンビナートに戻る会社
2011年同鉱山で試験的な採掘が始まる会社
2019年エネルゴアトムと精鉱の長期供給契約会社の沿革
2023年4月11日採掘したウランをすべてカナダへ送る仕組みの最後の契約世界原子力ニュース
2026年8月株式会社への転換の法律を最高会議が可決最高会議
会社の年は、公式サイトの沿革と各鉱山のページ(2026年9月閲覧)による。
  1. オリュカ

    この会社の鉱山は、いくつあるのかな。

  2. スウネ

    サイトのページによって数え方が違うことが、この見出しの下の終わりにあるよ。

三つの鉱山と、精鉱の工場

会社の公式サイトが挙げる鉱山は三つです。

  • インフリスカ鉱山:クロプィウヌィツィクィイの近くにあり、ミチューリンスケ鉱床とツェントラリネ鉱床を地下で掘っています。会社によれば、ミチューリンスケ鉱床では1969年に採掘が始まり、1975年から1989年まで年100万トンの設計能力を保ちました。
  • スモリネ鉱山:スモリネの町にあり、ヴァトゥーチンスケ鉱床を地下で掘ってきました。会社によれば、いまは地下の採掘を止めていて、露天で砂を採っています。
  • ノヴォコスチャンティニウカ鉱山:キロヴォフラード州にあり、1975年に見つかった鉱床を掘っています。会社はこの鉱床を「ヨーロッパで最大」と呼び、採掘を年150万トンまで増やす計画を掲げています。

掘った鉱石は、ジョウチ・ヴォディの北部にある湿式製錬工場で精鉱になります。会社はこの精鉱を「ウクライナの原発の核燃料をつくる原料」と説明しています。工場には、精鉱づくりに使う硫酸をつくる職場もあります。

会社のサイトのトップページは「三つのウラン鉱山」と書く一方で、会社の紹介のページは「稼働中の二つのウラン鉱山」と書いています。スモリネ鉱山の地下の採掘は止まっています。

オリュカのひとこと

採れる量は、どんな数字で示されているのでしょう。この見出しで確かめられます。

どれだけ掘っているのか

「世界の2%」と「国内の需要の最大40%」は、いつの数字か

会社はサイトのトップページで、自社を世界のウラン生産の上位10社の一つとし、世界の採掘量の2%を占め、ウクライナの原発が必要とするウランの最大40%をまかなっていると書いています。どの年の数字かは書かれていません。

世界原子力協会(WNA)の推計(2026年9月21日更新)では、ウクライナの鉱山からのウランの生産量は次のように減ってきました。

年ウクライナ(推計)世界の合計
2015年1,200トン6万342トン
2019年800トン5万4,742トン
2021年455トン4万7,805トン
2022年100トン4万9,614トン
2023年340トン5万4,433トン
2024年288トン6万213トン
WNA「World Uranium Mining Production」の表による。単位はウランの重さ(トン・ウラン)。ウクライナの値は同協会の推計。

2015年の1,200トンは世界の合計の約2%にあたり、会社の「2%」と合います。2024年の288トンは約0.5%です。

必要な量の目安として、カナダのカメコ社は2023年2月の発表で、リウネ・フメリニツキー・南ウクライナの三つの原発の9基が2024〜2035年に必要とするウランを、六フッ化ウランの形で約1,530万キログラム・ウランとしています。12年で割ると、年に平均およそ1,275トンです。

カナダで燃料の原料になる

精鉱は、そのままでは原子炉の燃料になりません。六フッ化ウランにする「転換」、燃えるウラン235の割合を高める「濃縮」、燃料集合体に組み立てる「成型加工」を経ます。

国営の原子力発電会社エネルゴアトムとカメコ社は2023年2月8日、2024〜2035年の12年間、カメコ社が9基に必要な六フッ化ウランの全量(ウランと転換の役務)を供給することで条件に合意したと発表しました。ロシアの管理下にあるザポリッジャ原発の6基がエネルゴアトムの運転に戻った場合に、供給を広げる選択肢も入っています。

世界原子力協会のニュースサイト(WNN)によれば、両社は2023年4月11日、カナダで最後の契約に署名しました。これで、東部コンビナートが採掘したウランの全量がカナダへ運ばれ、転換を経て、濃縮に回す六フッ化ウランとして供給される仕組みが動き出した、と伝えています。

口座の差し押さえと、株式会社への転換

2026年、会社は経営の立て直しの途中にあります。業界サイトNADRA.infoが伝えた会社のフェイスブックの投稿(2026年3月)によれば、2026年1月から会社の口座が差し押さえられ、ウラン鉱石の採掘が長く止まりました。会社は4月初めに採掘と製錬を再開する予定だとしていました。

2026年2月10日の法律第4777-IX号は、倒産手続法典を改め、2028年1月1日まで東部コンビナートに対する倒産の手続きを始めず、始まっている手続きは打ち切ると定めました。この猶予は2024年の法律第3577-IX号で入り、期限が延ばされてきたものです。第4777-IX号は、同じ期限まで会社に対する強制執行を止め、口座と財産の差し押さえを解くことも定めています(賃金の支払いなどを除く)。

2026年7月には、エネルゴアトムが2027年末までに5億5,500万フリヴニャを返済の条件つきで会社に貸すことを内閣が決めた、とウクルインフォルム通信が伝えています。

株式会社への転換の法案(登録番号15122)は、内閣が2026年4月1日に最高会議に出しました。国が株式の100%を持つ株式会社に変え、のちにエネルゴアトムに合わせるための条件を定める内容です。最高会議は6月30日に第一読会で可決し、8月に全体を可決しました。可決の日は、最高会議の法案データベースでは18日、同会議のエネルギー・住宅公共サービス委員会の発表では19日です。可決の取り消しを求める2本の決議案は9月1日に否決され、法律は9月3日に大統領の署名に回されました。

シュミハリ第一副首相兼エネルギー相は可決のあと、次の段階は東部コンビナートをエネルゴアトムに合わせ、ウランの採掘から発電までを一つの企業グループにまとめることだと述べています。2026年9月時点で、会社を所管するのはエネルギー省です。

出典と記事の記録出典 16件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. Державне підприємство «Східний гірничо-збагачувальний комбінат»トップページ:上位10社・世界の2%・最大40%・三つの鉱山
    発行:ДП «СхідГЗК» 確認日:2026-09-27
  2. Про підприємство1951年の設立、1956年・1959年、二つの稼働中の鉱山、本社の所在地
    発行:ДП «СхідГЗК» 確認日:2026-09-27
  3. Історія підприємства1951年7月24日の決定、1958年の工場、1989年の工事の停止、2019年の長期契約など
    発行:ДП «СхідГЗК» 確認日:2026-09-27
  4. Інгульська шахта / Смолінська шахта / Новокостянтинівська шахта / Гідрометалургійний завод各鉱山と工場の所在と年、スモリネの地下採掘の停止
    発行:ДП «СхідГЗК» 確認日:2026-09-27
  5. Стратегічні пріоритетиノヴォコスチャンティニウカ鉱山の年150万トンの計画
    発行:ДП «СхідГЗК» 確認日:2026-09-27
  6. World Uranium Mining Production国別の生産量の表、2015〜2024年、2026年9月21日更新
    発行:World Nuclear Association 確認日:2026-09-27
  7. Cameco and Energoatom Agree on Commercial Terms to Supply Ukraine's Full Natural UF6 Needs2023年2月8日。12年間、9基、約1,530万kgU
    発行:Cameco Corporation 確認日:2026-09-27
  8. Cameco, Energoatom fuel deal implemented2023年4月13日。4月11日の契約、採掘したウランの全量をカナダへ
    発行:World Nuclear News 確認日:2026-09-27
  9. Кодекс України з процедур банкрутства「Прикінцеві та перехідні положення」第1-7項。2028年1月1日までの猶予、3577-IX・4217-IX・4777-IX
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-27
  10. Закон України № 4777-IX2026年2月10日。倒産手続法典と執行手続法の改正
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-27
  11. СхідГЗК відновлює видобуток та переробку уранових руд2026年3月27日。会社のフェイスブックの投稿を伝える:1月からの口座の差し押さえ、4月初めの再開予定
    発行:NADRA.info 確認日:2026-09-27
  12. Картка законопроєкту № 15122登録2026年4月1日、提出者は内閣、6月30日に基礎として採択、8月18日に法律として採択、9月3日に大統領の署名へ
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-27
  13. Картки № 15122-П、15122-П1可決の取り消しを求める決議案。9月1日に不採択
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-27
  14. Верховна Рада України ухвалила закон про СхідГЗК2026年8月19日
    発行:Комітет Верховної Ради України з питань енергетики та житлово-комунальних послуг 確認日:2026-09-27
  15. Верховна Рада України прийняла за основу законопроєкт…2026年6月30日
    発行:Комітет Верховної Ради України з питань енергетики та житлово-комунальних послуг 確認日:2026-09-27
  16. Рада ухвалила закон про корпоратизацію СхідГЗК2026年8月19日。シュミハリ氏の発言、7月の5億5,500万フリヴニャの貸し付け
    発行:Укрінформ 確認日:2026-09-27

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