ウクライナ宛ては航空便とEMSだけ。手紙・荷物・送金の条件
日本郵便は2022年5月にウクライナ宛ての航空便とEMSを再開し、2026年9月の時点でも船便とSAL便は送れません。クリミアなど届かない地域があり、めん類やかん詰は小包で送れません。送金は原則自由ですが、銀行の確認に時間がかかることがあります。
ロシアによる全面侵攻のあと、日本郵便はウクライナ宛ての国際郵便の引き受けを一時止め、2022年5月20日に航空便とEMS(国際スピード郵便)で再開しました。2026年9月の時点でも、送れるのは航空便とEMSで、船便とSAL便は送れません。
以下は、日本郵便の国際郵便条件表(ウクライナ)、ゆうちょ銀行と財務省の公開情報、ウクライナの関税法典を2026年9月に確認した内容です。条件は予告なく変わることがあるので、送る前に郵便局や銀行で確かめてください。
送れる郵便の種類
| 種類 | 航空便 | SAL便 | 船便 |
|---|---|---|---|
| 通常郵便物(手紙、はがき、小形包装物など) | 送れる | 送れない | 送れない |
| 小包郵便物 | 送れる | 送れない | 送れない |
| EMS | 送れる | — | — |
2022年5月19日付の日本郵便のお知らせでは、それまでウクライナ宛ては航空便・SAL便・船便・EMSのすべてが引き受け停止になっていました。5月20日から航空便とEMSだけが再開され、その状態が続いています。
大きさと重さの上限は、手紙などの定形外郵便物が2kgまで、小形包装物が2kgまで、航空便の小包が30kgまで(長さ1.05m、長さと胴回りの合計2m)、EMSが30kgまで(長さ1.5m、長さと胴回りの合計3m)です。
届かない地域がある
日本郵便は、クリミアとセヴァストポリ宛ての郵便物を、手紙・小包・EMSのいずれも取り扱わないとしています。小包は「名宛国の郵便事業体の非管理地域を除く」とされ、ウクライナの郵便事業体が管理できていない地域には送れません。
EMSについては、除外する地域を郵便番号で示しています。
| 郵便番号 | 日本郵便が示す地域名 |
|---|---|
| 07270 | Chernobyl(チョルノービリ) |
| 70717〜72999 | Zaporizhya(ザポリッジャ) |
| 73000〜75999 | Kherson(ヘルソン) |
| 83000〜87999 | Donetsk(ドネツィク) |
| 91000〜94999 | Luhansk(ルハンシク) |
| 95000〜99999 | Crimea peninsula(クリミア半島) |
この表は、その地域の郵便番号の範囲を示したもので、州全体を指しているとは限りません。宛先の住所がこの範囲に入るか迷うときは、郵便局で確かめてください。
書き方と、税関に出す書類
- 物を送るときは、税関告知書(CN22またはCN23)を付けます。記入は英語が推奨です。CN23には、郵便物の総重量と正味重量、中身ごとの重量と価格を詳しく書く必要があります
- 受取人の電話番号(携帯電話を含む)を、できるだけ宛名欄に書きます。日本郵便の条件表は、書留、小包、EMSのそれぞれでこれを求めています
- 日本郵便は、物を送る国際郵便のうち対象となる種類について、差出人・受取人の氏名と住所、中身、総重量などを電子データで事前に送る「通関電子データ」が無いと差し出せないとしています。ウクライナの条件表でも「通関電子データ送信」は「必須」です。郵便局の窓口の端末か、日本郵便の「国際郵便マイページサービス」で入力します
送れないもの、条件つきのもの
日本郵便の条件表には、ウクライナ宛てで送れない物(禁制品)と、条件つきで送れる物が並んでいます。暮らしの中で送りたくなりそうな物のうち、主なものは次のとおりです。
- 送れないもの:酒類、たばこ、パスポートや身分証明書などの証明書類。小包とEMSでは、さらに肉と肉製品、生卵、脂肪・牛乳・乳児食品・バター・チーズ・魚製品、めん類、個人宛てのかん詰、はちみつも送れません
- 食料品:製造業者の包装が未開封で、総重量10kg以下なら送れる(EMSでは栄養補助食品を含む)
- 医薬品:条件表では「医薬品」が禁止物品として載る一方、ウクライナの医薬品登録簿に載っている物、または個人の治療に必要な量でウクライナ保健省の許可がある物は送れる、という条件つきの項目もあります。送る前に必ず郵便局で確かめてください
- 携帯電話などの電子機器:ウクライナの無線機器の登録簿に載っている機器などに限られる
日本から送ると喜ばれそうな、めん類やかん詰が小包・EMSで送れない点には注意が必要です。条件表の品目名は短く、詳しい条件は品目ごとのページに書かれています。
ウクライナ側で税金がかかる場合
ウクライナの関税法典第374条第7項によれば、国際郵便や国際エクスプレスで個人に送られる物(酒・たばこなど物品税の対象品を除く)は、合計の価格が150ユーロ相当以下なら関税などの対象になりません。150ユーロ相当を超え1万ユーロ相当以下の場合は、超えた部分に10%の輸入関税と付加価値税がかかります(2026年9月17日版の法令データベースによる)。受取人が税金を払うことになるので、中身の価格は正しく申告し、高価な物を送るときは前もって伝えておくと安心です。
お金を送るとき
郵便で現金を送らない
日本郵便のウクライナ向けの条件では、硬貨・紙幣などを入れた書留の手紙、通用している銀行券を入れた保険付小包、小包・EMSでの外国の貨幣が、いずれも禁止物品です。通常郵便と小包では、保険付に限って外国通貨を300米ドル相当まで入れられるという条件つきの項目もありますが、お金は銀行などの送金を使うほうが確実です。
日本の決まり
財務省によれば、外国為替及び外国貿易法(外為法)のもとで、外国への送金は、許可が必要とされている取引にあたらない限り自由です。日本からの送金額が3,000万円相当を超える場合は、事後の報告が必要です。現金を持って出国する場合、合計が100万円相当を超えると税関への届け出が必要です。
許可が必要な取引の代表が、経済制裁です。財務省は資産凍結などの対象者のリストを公表しており、その中には、クリミアの「併合」やウクライナ東部の不安定化、ロシアによる「編入」と称する行為に直接関与したと判断されたウクライナの東部・南部の関係者も含まれています。こうした対象者への支払いには、前もって許可が必要です。銀行はこの確認のため、送金のたびに受取人や目的を尋ねることがあります。
銀行が独自に「制裁対象国・地域」を定めている場合もあります。たとえば三菱UFJ銀行は、2025年9月現在の一覧に、北朝鮮、イラン、キューバとともに、クリミア地域、「ドネツク人民共和国(自称)」、「ルハンスク人民共和国(自称)」を挙げ、これらの地域との取引について確認をする場合があるとしています。ロシアに占領されている地域に関わる送金は、銀行の確認や取引制限の対象になりうる、ということです。
ゆうちょ銀行で送る場合
ゆうちょ銀行は2025年8月末で窓口と「ゆうちょダイレクト」での国際送金を終え、2025年7月に始めたパソコン・スマートフォン向けの「ゆうちょの国際送金」に移りました。送金先の国の一覧にウクライナが入っています。
- 利用できるのは個人だけで、マイナンバーの届け出が必要です(国外送金等調書法にもとづく)
- 限度額は、1回100万円未満、1日200万円以下、1か月500万円以下(申込時のレートによる円換算)
- 法令にもとづく確認のため、送金の目的が分かる資料を求められることがあり、確認に1か月前後かかる場合があります。確認の結果、送金できないこともあります
- 仲介銀行がロシアなどに関連する取引に独自の方針を持っていることがあり、宛先がロシア以外でも、送金が取り消されて返金されることがあると案内しています
ほかの銀行や送金サービスの条件は、それぞれに確かめてください。
ここに書いた条件は、2026年9月に日本郵便、ゆうちょ銀行、財務省、ウクライナ最高会議の法令データベースで確認したものです。日本での暮らしの相談先は日本で暮らし始めたときの相談窓口にまとめています。
出典・参考資料
- 国際郵便条件表(国・地域別情報)ウクライナ(差出可否、SAL扱いの全面停止、大きさ・重量、税関告知書、特別な条件、クリミア及びセバストポリあて不取扱い、小包の取扱地域、EMSの除外地域)
発行:日本郵便株式会社 確認日:2026-09-23 - 国際郵便条件表 ウクライナ 禁制品(一覧と品目別の詳細:食料品、医薬品、電子機器、めん類、かん詰、動物製品、書留書状、保険付小包、外国の貨幣、名あて国以外の通貨及び小切手、証明書類、酒精飲料ほか)
発行:日本郵便株式会社 確認日:2026-09-23 - 一部の国際郵便物の引受再開等について(2022年5月19日。ウクライナ宛ての現行と変更後の差出可否)
発行:日本郵便株式会社 確認日:2026-09-23 - ウクライナ宛ての国際郵便物の引き受け再開に伴う送達について(2022年5月19日、5月20日から再開)
発行:日本郵便株式会社 確認日:2026-09-23 - 通関電子データ送信義務化における差出について(通関電子データの内容、送信が無い場合は差し出せないこと)
発行:日本郵便株式会社 確認日:2026-09-23 - Митний кодекс України від 13.03.2012 № 4495-VI、ст. 374 ч. 7(国際郵便・エクスプレスで個人に送られる物の150ユーロ・1万ユーロの基準。2026年9月17日版)
発行:Верховна Рада України(ウクライナ最高会議)法令データベース 確認日:2026-09-23 - 日本と海外との間の送金を行う際に必要な手続はどうなっていますか(送金は原則自由、3,000万円相当超の事後報告)
発行:財務省 確認日:2026-09-23 - 外為法の主な内容(経済制裁措置以外)(100万円相当を超える現金等の携帯輸出入の届出)
発行:財務省 確認日:2026-09-23 - 経済制裁措置及び対象者リスト(クリミア「併合」又はウクライナ東部の不安定化に直接関与していると判断される者及び「編入」と称する行為に直接関与していると判断されるウクライナの東部・南部地域の関係者)
発行:財務省 確認日:2026-09-23 - 制裁対象国・地域について(2025年9月現在の一覧)
発行:株式会社三菱UFJ銀行 確認日:2026-09-23 - 国際送金(窓口・ゆうちょダイレクトでの取り扱い終了、「ゆうちょの国際送金」、申し込みの注意、マイナンバー、限度額、取扱国一覧)
発行:株式会社ゆうちょ銀行 確認日:2026-09-23 - 国際送金取扱国 ウクライナ(送金内容の確認、1か月前後の時間、送金できない場合)
発行:株式会社ゆうちょ銀行 確認日:2026-09-23
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