「Chernobyl」を「Chornobyl」に改めたゲーム会社、GSCと『S.T.A.L.K.E.R.』
『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズをつくったGSCゲームワールドは、1995年にキーウで生まれた会社です。第2作は延期を重ね、題名の綴りを変え、開発の拠点の一部をプラハへ移したあと、2024年11月20日に発売されました。発売の段階、会社が発表した数字、持ち主の変化を、会社の発表と報道で並べます。
オリュカのひとこと
あのゲームの会社は、キーウでいつ始まったのでしょう。最初の見出しで確かめられます。
2024年11月22日、ウクライナのゲーム会社GSCゲームワールド(GSC Game World)は、2日前に発売した『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』(ストーカー2)が世界で100万本売れたと、X(旧ツイッター)で発表しました。米国の業界媒体Game Developerが伝えています。舞台は、チョルノービリ原発のまわりの立入禁止区域をもとにした架空の「ゾーン」です。
この会社がどこで生まれ、第2作が出るまでに何があったのか。会社の発表と報道で、段階ごとに並べます。
1995年、キーウで
会社の公式サイトの「About Us」は、設立を1995年、本拠をキーウ(ウクライナ)とプラハ(チェコ)の二つと書いています。つくった作品は「15以上」です。Forbes Ukraineによれば、創業者セルヒー・フルィホロヴィチは1995年、16歳で会社を設立しました。会社は2025年11月25日、Steamの告知で「30年」を記念しています。
同じ記事でForbes Ukraineは、会社が二つのシリーズで国際的に知られるようになったと書いています。歴史の戦略ゲーム『コサックス』と、チョルノービリの立入禁止区域を舞台にした架空の世界の一人称シューティングゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』です。
第1作から第2作の拡張まで
| 年月日 | 出来事 | 出どころ |
|---|---|---|
| 2007年3月20日 | 『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl』の発売 | Steamの販売ページ |
| 2018年 | 第2作の開発を再開 | 株主クリッパの説明(Forbes Ukraine) |
| 2022年1月12日 | 発売予定を4月28日から12月8日へ延ばすと発表 | GSC(Game Informer) |
| 2022年3月14日 | Steamの題名が「Heart of Chornobyl」に変わる | PC Gamer |
| 2022年6月 | 発売の時期を「2023年」とする | GamesBeat |
| 2023年9月時点 | 発売の予定は2024年1〜3月 | GamesIndustry.biz |
| 2024年1月16日 | 発売日を2024年9月5日と発表 | GSC(Steamの告知) |
| 2024年7月25日 | 発売日を2024年11月20日へ移すと発表 | GSC(Steamの告知) |
| 2024年11月20日 | PCとXbox Series X/S向けに発売 | Steamの販売ページ |
| 2025年11月20日 | PlayStation 5向けに発売 | GSC(2025年8月20日の告知) |
| 2026年8月20日 | 初めての大型拡張『Cost of Hope』を発売 | GSC(Steamの告知) |
2022年1月の告知でGSCは、延期の理由を「この7か月の追加の開発は、私たちの構想を実現し、望む状態に仕上げるために必要」と説明しています(Game Informerによる)。2024年1月の告知では、試遊した人の意見から「技術の面で、もっと時間が必要」とわかったと書き、7月の告知では、2か月を「予期しない不具合」を直すのに使うとしています。
オリュカ
ゲームの題名の綴りは、いつから変わったのかな。
タブリ
綴りが変わった時期は、この見出しの下で確かめられるよ。
ヨリクネ
地名の綴りの決まり方は、リンク先の記事でも読めるよ。
昔の題名、いまの題名
第2作は発表のころ「Heart of Chernobyl」と書かれていました。2022年1月の延期の告知も、この綴りです。PC Gamerによれば、Steamの販売ページの題名は2022年3月14日に「Heart of Chornobyl」に変わりました。同誌は、変更について会社の説明は出ていないと書いています。
Chornobyl はウクライナ語の Чорнобиль をもとにした綴りで、Chernobyl はロシア語をもとにした綴りです。地名の綴りの決まり方は「キーウ」の綴りの記事にあります。一方、2007年の第1作の題名は、2026年9月時点でもSteamで「Shadow of Chernobyl」のままです。
オリュカのひとこと
発表された数字は、何を数えたものなのでしょう。この見出しで確かめられます。
会社が発表した数字は、何を数えたものか
GSCが発表した数字には、売れた本数と、遊んだ人の数の二種類があります。
| 発表 | 数字 | 数えたもの |
|---|---|---|
| 2024年11月22日(GSC、Xで) | 100万本 | 発売から2日間に売れた本数。Game Developerによれば、GSCは定額制のXbox Game Passで遊んだ人はこれより多いとしている |
| 2025年3月4日(GSC、Xで) | 600万人 | 遊んだ人の数(「stalkers」)。The New Voice of Ukraineが伝えた |
| 2026年3月(創業者、Forbes Ukraineに) | 約7,000万ドル | 第2作の開発費。第1作は約200万ドルだったという |
「600万人」は売れた本数ではありません。定額制のサービスで遊んだ人を含む数字です。開発費は創業者の説明で、会社の決算で確かめられる数字ではありません。
会社の持ち主の変化
Forbes Ukraine(2026年3月13日)によれば、実業家マクスィム・クリッパが2020年に会社の40%を、2023年にさらに42%を取得しました。クリッパは2024年12月の同誌の取材で、残りの18%は創業者の弟イェウヘン・フルィホロヴィチが持ち、創業者は株主ではないと述べています。第2作の開発の仕上げを率いたのは、イェウヘンとマリヤ・フルィホロヴィチだったとも説明しています。
同誌によれば、『S.T.A.L.K.E.R.』の商標はキプロスの会社GSC Game World Global Ltdが持っています。創業者は2023年9月にウクライナの関連会社の出資者から外れ、2026年4月には、自分のテレグラムのチャンネルで、GSCと『S.T.A.L.K.E.R.』にはもう関わっていないと書きました(Detector Mediaによる)。
2022年、開発の拠点の一部をプラハへ
ロシアによる全面侵攻が始まった2022年2月24日、GSCはSteamの告知で、ロシアがウクライナに戦争を宣言したと書き、ウクライナの国の寄付の窓口を案内しました。
2023年1月の告知でGSCは、チームの一部がチェコに移ってから「1年近く」になると書いています。ウクライナのIT媒体dev.uaは、米誌Wiredの記事をもとに、開発者約200人がプラハに移り、社員と家族あわせて500人を避難させる必要があったこと、約130人がウクライナに残ったことを伝えています。いまの公式サイトは、キーウとプラハの二つを本拠としています。
ゲームの「ゾーン」と、実際の立入禁止区域
ゲームの舞台は、実際の立入禁止区域をもとにした架空の世界です。実際の区域は1986年の事故のあとに設けられ、2016年にはその中に保護区が置かれました(チョルノービリの保護区の記事)。事故そのものは事故の記事にあります。ウクライナのIT企業の輸出の数字は、コンピューター・サービスの輸出の記事で扱っています。
出典と記事の記録
出典・参考資料
- About Us設立1995年、本拠キーウとプラハ、15以上の作品
発行:GSC Game World 確認日:2026-09-27 - S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl/S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl発売日・開発元・発売元の表示。Steam Store API
発行:Valve(Steam) 確認日:2026-09-27 - GSC Game World — 30 years on the path2025年11月25日
発行:GSC Game World(Steamの告知) 確認日:2026-09-27 - S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl — Final Release Date Announcement2024年1月16日、9月5日への延期と理由
発行:GSC Game World(Steamの告知) 確認日:2026-09-27 - S.T.A.L.K.E.R. 2: New Release Date and Developer Deep Dive Coming Soon2024年7月25日、11月20日への延期
発行:GSC Game World(Steamの告知) 確認日:2026-09-27 - S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl arrives on PlayStation®5 on November 202025年8月20日
発行:GSC Game World(Steamの告知) 確認日:2026-09-27 - S.T.A.L.K.E.R. 2: Cost of Hope & Update 2.0 — All You Need to Know2026年8月19日、8月20日の発売
発行:GSC Game World(Steamの告知) 確認日:2026-09-27 - Russian troops are attacking Ukraine2022年2月24日
発行:GSC Game World(Steamの告知) 確認日:2026-09-27 - Interview for «Wired» magazine2023年1月19日、チームの一部のチェコへの移転
発行:GSC Game World(Steamの告知) 確認日:2026-09-27 - Stalker 2 Delayed To December2022年1月12日。4月28日から12月8日へ、GSCの声明
発行:Game Informer 確認日:2026-09-27 - Stalker 2 renamed Heart of Chornobyl to reflect Ukrainian spelling2022年3月14日
発行:PC Gamer 確認日:2026-09-27 - Stalker 2 delayed to 2023 as studio reveals working conditions in Ukraine2022年6月14日
発行:GamesBeat 確認日:2026-09-27 - Stalker 2 developer GSC Game World suffers office fire2023年9月11日。2024年1〜3月の発売予定、2022年の一部移転
発行:GamesIndustry.biz 確認日:2026-09-27 - Stalker 2 has sold 1 million copies in two days2024年11月22日
発行:Game Developer 確認日:2026-09-27 - GSC Game World's S.T.A.L.K.E.R. 2 hits 6 million players worldwide2025年3月6日。3月4日のGSCの発表
発行:The New Voice of Ukraine 確認日:2026-09-27 - Засновник S.T.A.L.K.E.R. Сергій Григорович зареєстрував TM на нову гру S.T.R.A.N.G.E.R.2026年3月13日。設立の年齢、株主の構成、2018年の再開、開発費、商標の持ち主
発行:Forbes Ukraine 確認日:2026-09-27 - Сергій Григорович остаточно залишив GSC Game World і працює над новим проєктом2026年4月7日
発行:Детектор медіа 確認日:2026-09-27 - Більшість співробітників київської ігрової студії GSC Game World (Stalker) переїхало до Праги2023年1月19日。Wiredの記事による200人・500人・130人
発行:dev.ua 確認日:2026-09-27
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