本文へ移動

ウクライナの人・文化・社会・未来を、日本と世界につなぐ

Ukrainavi Ukrainavi

ビジネス・復興/解説

アプリの「モノバンク」、銀行の免許を持つのはウニヴェルサル銀行

「ウクライナで最初の、支店のない銀行サービス」を名乗るモノバンクは、株式会社ウニヴェルサル銀行の個人向けの商品です。免許と監督の仕組み、国立銀行の統計で見た預金者の数と資産の順位、「最大のネット銀行」という言い方の比べ方、募金のバンカの仕組みを、2026年9月時点の公表で見ます。

イメージ画像

オリュカのひとこと

モノバンクは、銀行の名前なのでしょうか。最初の見出しで確かめられます。

スマートフォンのアプリで使う「モノバンク」(monobank)は、ウクライナで広く使われている金融サービスです。サイトは自らを「ウクライナで最初の、支店のない銀行サービス(банкінг)」と紹介しています。では、銀行の免許を持っているのはどこで、数字の上でどれくらいの大きさなのか。国立銀行と預金保証基金の公表、会社の発表を分けて、2026年9月時点の姿を見ます。口座の開き方や使い方は扱いません。

銀行の名前か、サービスの名前か

モノバンクのサイトの「私たちについて」のページは、モノバンクを「株式会社ウニヴェルサル銀行(АТ «УНІВЕРСАЛ БАНК»)の個人向けの商品で、ITチーム mono と協力してつくったもの」と説明しています。ページの下には、国立銀行の免許(第92号)、国の銀行登録簿の番号(第226号)、預金保証基金に加わっていることが書かれています。

国立銀行のサイトの銀行の検索でも、免許を持つのはウニヴェルサル銀行(国立銀行の識別番号322001、法人の登録番号21133352)です。国立銀行の銀行の一覧の公開データでは、銀行免許は第92号で、銀行として登録された日は1994年1月20日です。2026年9月時点で、国立銀行はこの銀行を「支払い能力がある」「民間資本の銀行」「預金保証基金の参加銀行」「システム上重要な銀行」と表示しています。重要な持ち分を間接的に持つ最終的な持ち主としては、セルヒー・ティヒプコ氏1人を挙げています。

アプリを開発しているのは、銀行とは別のIT企業です。開発会社のグループは2025年11月のインタビューで、2017年に最初の会社「フィンテック・バンド」(Fintech Band)をつくり、ウニヴェルサル銀行の個人向けアプリとしてモノバンクを開発したと説明しています。

この分担について、国立銀行のアンドリー・ピシュニー総裁は、2026年7月3日に公開された英字紙キーウ・インディペンデントのインタビューで、開発会社は国立銀行の監督の対象ではないと述べました。そのうえで、ウニヴェルサル銀行のビジネスモデルは外部の会社に頼る「第三者のリスク」の上に成り立っているとし、国立銀行が国際通貨基金(IMF)との協力の一環として、銀行に第三者のリスクの管理を求める新しい要件を定めたと説明しています。

  1. オリュカ

    名前が変わったのは、銀行なのかな、アプリをつくる会社なのかな。

  2. タブリ

    変わった名前と変わっていない名前が、この見出しの下にあるよ。

  3. スウネ

    開発会社が国立銀行の監督の対象かどうかは、この見出しのすぐ上の段落にあるね。

昔の名前/今の名前

変わったのは、開発する側の名前です。開発会社は長く「フィンテック・バンド」の名前で知られてきましたが、2025年のインタビューでは、いまは「フィンテックITグループ」(Fintech-IT Group)の一部だと説明しています。サービスの名前「モノバンク」と、免許を持つウニヴェルサル銀行の名前は変わっていません。

「支店のない銀行サービス」と、国立銀行の数字

国立銀行が公表している銀行の拠点の数(2026年7月1日時点)では、ウニヴェルサル銀行の活動中の拠点は14か所で、キーウ市に11、リヴィウ州に2、ドニプロペトロウシク州に1です。国内の銀行全体では4,754か所で、たとえばプリヴァトバンクは1,050か所です。

「支店のない」というのは、モノバンクというサービスが店舗の窓口を前提にしていない、という意味での会社の言い方です。免許を持つ銀行そのものには、少ないながら拠点があります。なお、国立銀行はこの拠点の数の表について、将来は公表と更新をやめると注記しています。

オリュカのひとこと

この銀行の大きさは、どんな数字で示されているのでしょう。この見出しの表で確かめられます。

数字で見るウニヴェルサル銀行

何の数字か値時点出どころ
「モノバンクを選んだ人」1,100万人2026年9月1日の発表ウニヴェルサル銀行
個人の預金者の数1,082万3,709人(3番目)2026年8月1日預金保証基金のデータ(国立銀行が公表)
個人の預金の額約1,560億6,000万フリヴニャ(3番目)2026年8月1日同上
純資産約2,415億8,000万フリヴニャ(59行のうち6番目)2026年8月1日国立銀行
活動中の拠点14か所2026年7月1日国立銀行
出典:ウニヴェルサル銀行のサイト(2026年9月1日)、国立銀行の監督の統計(預金保証基金の参加銀行の預金のデータ、銀行ごとの資産、銀行の拠点の数。2026年9月28日に取得)。順位は、それぞれの表の銀行の中で並べたもの。フリヴニャの額は名目。
  1. オリュカ

    「最大のネット銀行」は、何と比べた言い方なのかな。

  2. スウネ

    国立銀行の統計にその区分がないことが、この見出しの下にあるよ。

  3. シメロ

    銀行全体の中での位置を見るなら、まずこの見出しの下の二つ目の段落から読もう。

「最大のネット銀行」は何と比べているか

国立銀行の統計には、「ネット銀行」や「ネオバンク」という区分がありません。「最大のネット銀行」という言い方は、どの銀行をネット銀行に数えるかで決まるもので、公的な順位ではありません。会社自身は「最初の、支店のない銀行サービス」と書き、開発会社のグループは2025年のインタビューで「個人と個人事業主の決済カードの数で、国内2番目の銀行」と述べています。どちらも会社の言い方です。

国立銀行の数字で銀行全体の中に置くと、ウニヴェルサル銀行は、個人の預金者の数と個人の預金の額で、国が持ち分を持つプリヴァトバンクとオシチャドバンクに次ぐ3番目でした。純資産では、プリヴァトバンク、オシチャドバンク、ウクルエクシムバンク、ライファイゼン銀行、ペー・ウー・エム・ベーに次ぐ6番目で、銀行全体の純資産の約5.9%です。ただし、これらはウニヴェルサル銀行全体の数字で、モノバンク以外の業務も含みます。

利用者の数は、数えるものによって違う

「1,100万人」は、ウニヴェルサル銀行が2026年9月1日に「すでに1,100万人がモノバンクを選んだ」と伝えた数です。一方、預金保証基金のデータにある「個人の預金者」は、8月1日時点で1,082万3,709人でした。前者の数え方は説明されておらず、後者は銀行に預金(口座のお金を含む)を持つ個人の数です。時点も対象も違うので、どちらかが誤りだということにはなりません。

募金の「バンカ」はどういう仕組みか

モノバンクのアプリには「バンカ」(Банка、瓶)という機能があります。会社の説明では、自分のための積み立てにも、募金を集めるためにも使えます。募金のバンカは、集め終えて閉じるときに報告を添え、寄付した人が使い道を見られるようにする仕組みだと説明しています。慈善基金が集める場合は、寄せられたお金が翌日にまとめて基金の口座に入るとしています。

会社は募金のバンカの規模を、2022年から集まった額1,460億フリヴニャ、バンカを開いた基金とボランティア110万、一度でも寄付した人1,500万人、寄付の平均391.91フリヴニャと示しています。一方、同じサイトのトップページは、寄付の総額を1,000億フリヴニャ、毎月寄付する人を160万人超としています。二つのページの数字の違いは説明されていません。いずれも会社の発表です。

政府の寄付の窓口「UNITED24」は、寄付を国立銀行の口座に集めて省に割り当てる、別の仕組みです。こちらはUNITED24の記事で扱いました。

預金保証の対象か

国立銀行の表示と、預金保証基金のデータの両方で、ウニヴェルサル銀行は基金の参加銀行です。預金保証の仕組みは「個人の預金の保証制度についての法律」が定めています。第26条第1項は、基金が預金者ごとに上限までの額を払い戻すとし、上限について次のように書いています。

Сума граничного розміру відшкодування коштів за вкладами не може бути меншою 200000 гривень.

Закон України «Про систему гарантування вкладів фізичних осіб», стаття 26, частина 1(2025年4月19日の版)

訳すと「預金の払い戻しの上限額は、20万フリヴニャを下回ってはならない」です。実際の上限額は基金が決めるもので、この記事には書いていません。個々の預金が保証の対象になるかどうかは、銀行と基金の案内で確かめる必要があります。政策金利など、ウクライナの銀行を取り巻く条件は国立銀行の政策金利の記事にあります。

出典と記事の記録出典 14件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. Про нас — monobankモノバンクはウニヴェルサル銀行の個人向けの商品、「最初の支店のない銀行」、免許第92号・登録簿第226号・預金保証基金
    発行:monobank(АТ «УНІВЕРСАЛ БАНК») 確認日:2026-09-28
  2. monobank トップページバンカの基金1,300超、毎月160万人超、総額1,000億フリヴニャ
    発行:monobank(АТ «УНІВЕРСАЛ БАНК») 確認日:2026-09-28
  3. Банка для зборів募金のバンカの仕組みと数字:1,460億フリヴニャ、110万、1,500万人、平均391.91フリヴニャ
    発行:monobank(АТ «УНІВЕРСАЛ БАНК») 確認日:2026-09-28
  4. Банк АТ "УНІВЕРСАЛ БАНК"識別番号、登録番号、表示の区分、純資産、最終的な持ち主
    発行:Національний банк України 確認日:2026-09-28
  5. Показники фінансової діяльності банківaggregation_2026-08-01.xlsx。銀行ごとの純資産、2026年8月1日
    発行:Національний банк України 確認日:2026-09-28
  6. Дані про вклади фізичних осіб в учасниках Фонду гарантування вкладів фізичних осібFG_2026-08-01.xlsx。銀行ごとの預金者の数と預金の額、2026年8月1日
    発行:Національний банк України 確認日:2026-09-28
  7. Структурні підрозділи банків УкраїниKil_pidr_2026-07-01.xlsx。銀行ごと・地域ごとの拠点の数、2026年7月1日
    発行:Національний банк України 確認日:2026-09-28
  8. Основні показники діяльності банків УкраїниIndicators_Banks_2026-09-01.xlsx。活動中の銀行の数、銀行全体の資産
    発行:Національний банк України 確認日:2026-09-28
  9. Уже 11 мільйонів людей обрали monobank2026年9月1日
    発行:АТ «УНІВЕРСАЛ БАНК» 確認日:2026-09-28
  10. 'We created a unique system for the defense sector:' Full interview with Ukraine's central bank governor2026年7月3日。開発会社は監督の対象外、第三者のリスク
    発行:The Kyiv Independent 確認日:2026-09-28
  11. Andriy Pyshnyy's Interview on Supporting Defense-Industrial Base and Expanding Defense Companies' Access to Financing2026年7月6日。上のインタビューの紹介
    発行:National Bank of Ukraine 確認日:2026-09-28
  12. How Fintech-IT Group Works — A Mono Developer with a $1B+ Valuation2025年11月27日。2017年のフィンテック・バンド、フィンテックITグループ、決済カードの数で2番目
    発行:Scroll.media 確認日:2026-09-28
  13. Закон України «Про систему гарантування вкладів фізичних осіб»第2条の「預金」の定義、第26条第1項。2025年4月19日の版
    発行:ウクライナ最高会議 法令データベース 確認日:2026-09-27
  14. Довідник банківget_data_branch_glbank。АТ "УНІВЕРСАЛ БАНК":ID НБУ 322001、NUM_LIC 92、D_OPEN 20.01.1994、чинна банківська ліцензія
    発行:Національний банк України 確認日:2026-09-28

記載内容に誤りを見つけた場合は、訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、訂正した内容と経緯を記事に記載します。