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Ukrainavi Ukrainavi

文化・歴史/解説

ウクライナの食卓──ボルシチのユネスコ記載と、地域で変わる料理

ボルシチのユネスコ記載は、代表一覧ではなく「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧」への記載です。穀物の粥、パスカの東西の形、地方ごとの料理のまとまり、酒と豚肉の加工品まで。由来や発祥の説明で裏づけの取れないものは、記事末尾にまとめています。

皿に盛られた赤いボルシチ
クルィヴィー・リフのレストランで出されたボルシチ(2013年撮影) 写真:Tiia Monto/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0

ウクライナ料理の紹介には、由来や発祥を言い切るものが少なくありません。この記事では、由来や発祥の説明のうち裏づけの取れなかったものは本文に入れず、記事末尾にまとめています。

ボルシチのユネスコ記載は「緊急に保護する必要がある」一覧への記載

ユネスコ無形文化遺産の要素名は「Culture of Ukrainian borscht cooking(ウクライナのボルシチ調理の文化)」、申請番号01852。2022年7月1日、オンラインで開かれた第5回臨時政府間委員会(5.EXT.COM)で、「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧」に記載されました。代表一覧への記載ではありません。建造物や自然を対象とする世界遺産とも別の制度です。

項目内容
要素名Culture of Ukrainian borscht cooking
申請番号01852
申請国ウクライナ
記載日2022年7月1日(5.EXT.COM、オンライン開催)
ウクライナによる緊急審査の要請2022年4月21日
ウクライナ国内の目録への登録2020年10月13日
記載された一覧緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧
決定番号5.EXT.COM 5(「Case of extreme urgency」として扱われた案件)
定期報告2022年12月15日に提出済み、次回は2026年12月15日が期限
出典:ユネスコ無形文化遺産の要素ページ、政府間委員会の決定 5.EXT.COM 5 と第5回臨時会期のページ(ich.unesco.org)。2026年9月23日確認。

「緊急に保護する必要がある」とされた理由も記載文に書かれています。2022年2月に始まった武力紛争(記載文の表現。本記事ではこれを、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻として扱います)以降、担い手が元の共同体から、またボルシチを作り食べるのに必要な文化的文脈から引き離されたこと。周辺環境と伝統的な農業が破壊され、地元の野菜に手が届かなくなったこと。そのうえで記載文は、ウクライナ各地の共同体がこの要素のもとに結集してきたとも述べています。

記載の対象は料理そのものではなく、調理の知識と実践です。記載文はボルシチを、ブイヨンにビーツ、砂糖用ビーツ、または発酵させたビーツの汁を合わせて作る料理と説明し、「多くのバージョンがあり、この実践にはレシピ、調理法、そしてどの機会に作るかが含まれる」としています。大きな鍋で作り、パンやガーリックパンを添えること。主に女性が作るが、日常の料理として多くの男性も作ること。家庭のなかで受け継がれ、子どもも調理に加わること。ポディッリャ(Поділля)地方では婚礼三日目が「嫁のところへ、ボルシチを食べに」という儀礼名を保っていること。

要素ページの記載文には、同じ名前の料理が周辺国にもあるかどうかは書かれていません。ただし、記載を決めた委員会の決定文(5.EXT.COM 5)は、記載を決めたうえで、ボルシチ調理の文化がこの地域のほかの共同体とも共有されていることに留意し、条約の一覧への記載は排他性や所有権を意味しない、と改めて確認しています。この記載は、ボルシチがウクライナだけのものだと認めたものではなく、ウクライナのボルシチ調理の文化が緊急に保護を要する状態にあると判断したものです。「どの国の料理か」を決める材料にはなりません。

ボルシチの中身も一つではない

『Internet Encyclopedia of Ukraine』(カナダ・アルバータ大学カナダ・ウクライナ研究所)の「Traditional foods」の項(執筆 S. Stechishin)は、ボルシチを「ビーツとキャベツを中心とする野菜と、肉または魚のだしで作る」と説明したうえで、水で野菜を煮てビーツのクヴァスで酸味をつける肉なしの聖夜のボルシチ、スイバのボルシチ、春のボルシチ、冷たいボルシチ、澄んだボルシチを挙げ、ポルタヴァ風、ハリチナー風、キーウ風といった土地ごとの違いがあるとしています。

ウクライナ文化青年スポーツ省がGoogle Ukraineの支援を得て制作したプロジェクト『Authentic Ukraine』の解説も、ポディッリャでは豆、ポルタヴァ州では小さな粉の団子、南部では小麦粉、スロボジャンシチナ(Слобожанщина)ではビールを使うボルシチがある、としています。

ジャガイモが届いたのは17世紀

同じ「Traditional foods」は、食材が入ってきた順番も並べています。小麦、大麦、キビは3,000年前にはウクライナで栽培されていたことが考古学的に確かめられており、ライ麦が入ったのは約2,000年前、ソバは11世紀にアジアからもたらされた。ジャガイモは17世紀に、アメリカ大陸からヨーロッパを経て届いた。トウモロコシ、トマト、カボチャ、豆、唐辛子、カカオもそのあとに加わったもので、これらが料理の幅を大きく広げたとしています。

つまり、ジャガイモを使うヴァレーヌィキやデルヌィは、この作物が届いてから生まれた料理ということになります。同項が「古くから」と呼ぶのは、粒のまま、あるいは粉にして煮る穀物の料理のほうです。カーシャ(ソバ)、キビ、フツーリシチナとザカルパッチャのトウモロコシ粉(ママリガ、クレーシャ)、水や牛乳でのばした薄い粥のユシュカ、キビの濃い粥のクリーシュやレミシュカ。ザポリッジャのコサックの主食は、ソバかライ麦の粉を水で煮たサラマハとキビの挽き割りだったと書かれています。

粉とジャガイモの料理は「包むもの」と「包まないもの」に分かれる

同じ「Traditional foods」によれば、ハルシュキは小麦・ソバ・トウモロコシの粉で作る団子で、ジャガイモやチーズを加えることも加えないこともあります。ヴァレーヌィキは具を包んだもので、チーズ、ジャガイモとチーズ、キャベツ、肉、魚、ソバ、プラムなどの具があり、炒めたベーコン、炒めたタマネギ、サワークリームを添えて出します。

ゆでる前の半月形のヴァレーヌィキが並んでいる
ゆでる前のヴァレーヌィキ。具はチーズ(Commonsの記載による)。ヴァレーヌィキは具を包んだもので、具にはチーズ、ジャガイモとチーズ、キャベツ、肉などがある 写真:Pavlo Boyko @ Flickr/Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0

『Authentic Ukraine』は、ハルシュキを「具を入れずにゆでた生地」と定義し、ウクライナ全土にあるがポルタヴァでは土地の代表料理とされていることを記しています。ヴァレーヌィキの具は、ポリーシャ(Полісся)では砕いた豆、ザカルパッチャ(Закарпаття)ではチーズ、チェルニーヒウ州ではシュクヴァルキ(炒めた豚脂の小片)と、地域で変わるとしています。ジャガイモをすりおろして焼くデルヌィは、クレムズルィキ、テルチャヌィキなど地域ごとに別名があり、名称は「すりおろした(derty)」という作り方に由来する、とも。

ホルブツィの「米とひき肉」は新しい

『Authentic Ukraine』のホルブツィのページは、С・ヒメンコ『Українські страви』第3版(1960年)に基づくとして、次のように説明しています。ウクライナ国内に共通のレシピはなく、具には主に粟が使われ、地域によってトウモロコシの挽き割りやソバに替わった。ドニプロ川左岸と南部ではキャベツの葉を丸ごと使って大きく作り、西部では葉を分けて小さく作った。穀物と炒めたタマネギ、豚の脂かすを詰め、肉を入れるのは祝いの日だけだった。今日よく見る米とひき肉とトマトペーストの形になったのは、1920〜30年代である、と。

『Internet Encyclopedia of Ukraine』のほうは、フツーリシチナ(Гуцульщина)とブコヴィナ(Буковина)では発酵させた生地で作り、サワークリームで焼くホルブツィがある、としています。名前が同じでも、地域と時代で中身は動きます。

山と国境の食卓

「Traditional foods」は、トウモロコシ粉の料理(ママリガ、クレーシャ)をフツーリシチナとザカルパッチャ、羊乳の塩気のあるチーズ(ブジュ、ブルィンザ)をフツーリシチナとブコヴィナのものとしています。『Authentic Ukraine』のバノシュの解説は、これをフツルの料理とし、トウモロコシの粉を生クリームまたはサワークリームで炊き、チーズ、脂かす、ヤマドリタケを合わせると説明します。

同項は、土地ごとの違いを一皿の単位だけでなく、地方ごとのまとまりとしても捉えています。ポルタヴァ風、ハリチナー風、キーウ風のボルシチがあるというだけでなく、ブコヴィナ、ザカルパッチャ、ヴォリーニ、ドニプロ地方、スロビツカ・ウクライナには、それぞれひとまとまりの地方料理があるとする。山地とポリーシャでは、食べるものの変化がほかの地方より小さかったとも書いています。そのうえで同項は、料理書、料理講習、食品工業の既製品によって地方差は薄れつつある、という見方を示しています。これは紙の百科事典が書かれた時点の観察であって、現在の状況ではありません。

ボグラチについて同プロジェクトは、ザカルパッチャで作られるハンガリーのグヤーシュで、名前はハンガリー語の大鍋に由来すると研究者が考えている、としています。チェブレキはクリミア・タタール料理で、名称自体がクリミア・タタール語で「肉のパイ」を意味し、ウクライナではマリウポリのギリシャ系の人びとのあいだでも「チル=チル」の名で食べられている、と記されています。

ウクライナ文化省が公開している国内の無形文化遺産目録も、チェブレキ(目録の表記は「чіберек」)とヤンティクの調理を、クリミア・タタールの伝統料理の実践として2022年7月25日付で登録しています。同じ目録には、メリトポリのカライムが受け継いできた羊肉のパイ「エト・アヤクラク」の調理の伝統も、2018年11月16日付で載っています。目録はこの二つを、ほかの項目とは分けて「ウクライナの先住民族の文化を表す」項目にまとめています。目録が記しているのは登録した時点の担い手と地域であって、占領下にある地域を含め、いまの受け継ぎの状況を示すものではありません。

パンは日常と節目で役割が違う

「Traditional foods」は、ウクライナで一般的なパンをサワードウで発酵させた酸味のあるライ麦パンとし、南部と南東部では白い小麦パンのほうが一般的だとしています。そのうえで、編んだカラチ、復活祭のパスカ、具入りのクヌィシュ、婚礼のコロヴァイなど、日常のパンとは別の儀礼のパンを挙げます。カラチはクリスマスと葬礼で焼かれ、永遠を象徴するとされる。コロヴァイは、同百科事典の別項によれば、生地の小旗や太陽・月・鳥・動物の人形で飾り、式のあと介添人が客全員に切り分ける婚礼パンです。

生地の飾りをのせた大きな円いパン
婚礼のパン、コロヴァイ(キーウ、2020年撮影)。生地の飾りをつけ、式のあと客に切り分けられる 写真:George Chernilevsky/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0

パスカの形も一つではない、と同項は書いています。西ウクライナでは背の低い円筒形で、生地の飾りを付ける。東ウクライナでは背の高い円筒形になる。同じ復活祭に焼くバブカには、牛乳、バター、卵、砂糖、レーズンを使い、サフラン、バニラ、レモンの皮でわずかに香りを付ける生地を用いるとしています。婚礼のパンもコロヴァイだけではなく、ディヴェン、レジェン、シシュキという別のパンが挙げられています。日曜や祝いの日には、発酵生地のピロフィと、より小さなピリジュキを焼く。ピリジュキの具はチーズ、肉、キャベツ、エンドウ、ソバ、キノコ、プラム、ケシの実。パンは、焼き方よりも「いつ、誰のために焼くか」で名前が分かれています。

乾かす、漬ける、発酵させる

『Authentic Ukraine』によれば、ウズヴァルには乾かした梨、リンゴ、プラム、サクランボ、ブルーベリー、南部ではアンズを使い、クリスマスの食卓で重要な位置を占めます。「Traditional foods」はこれに加え、パンから作るクヴァス(スィリヴェツィ)、漬物の汁、春のカバノキの樹液を民間の飲み物として挙げ、ボルシチの酸味づけに使うビーツのクヴァスは冬に備えて仕込むものの一つだとしています。

酒についても同項は、蜂蜜酒、ワイン、果実を漬けたナルィウカ、薬草で香りを付けたザピカンカ、唐辛子を入れたホリールカ(horilka z pertsem)、ビールを「何世紀にもわたって親しまれてきた」ものとして並べています。唐辛子入りはそのうちの一つであって、ホリールカ全体の説明ではありません。産地、銘柄、蒸留の歴史については、この記事では扱っていません。

クチャーは、同百科事典の項目(初出は紙の『Encyclopedia of Ukraine』第2巻・1988年)によれば、小麦または大麦の粒とすりつぶしたケシの実に蜂蜜のソースを合わせる儀礼の料理で、聖夜(バハタ・クチャー)と主の洗礼祭の前夜(ホロドナ・クチャー)に食べられます。十二品の伝統的な料理のうち最も古いものの一つとされ、配合と儀礼での使い方は地域で異なる。食後に、亡くなった人の魂のために一人分を食卓に残す習慣があった、とも書かれています。

陶器の鉢に盛られた穀物とケシの実の料理クチャー
陶器の鉢に盛られたクチャー(2023年1月撮影)。小麦または大麦の粒とすりつぶしたケシの実に蜂蜜のソースを合わせる儀礼の料理 写真:Віщун/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0

聖夜の食事は肉を使わない料理が中心です。ザワークラウトのスープであるカプスニャクも、斎の時期には肉を使わず植物油で仕上げる、と『Authentic Ukraine』は説明しています。

「肉と脂が中心」と言えるか

「Traditional foods」は、肉は祝日、日曜、家族の祝いに食べるのが普通で、最もよく食べられるのは豚肉とその加工品だとしています。裏返せば、ふだんの食卓の中心は穀物、ジャガイモ、キャベツ、豆、キノコ、乳製品ということになります。

同項が豚肉の加工品として挙げるのは、ハム、コウバサ(ソーセージ)、クィシュカ(血のソーセージ)、サルツェソン(頭肉の煮こごり)、燻製のベーコン、塩漬けの豚脂です。調理に使う脂として並ぶのも、塩漬けの豚脂、ヒマワリ油、亜麻の油、麻の実の油、バター。南ウクライナでは羊肉がよく食べられ、仔牛肉が食卓に出ることはまれだとも書かれています。「脂を使う料理」と「脂が中心の食事」は別のことです。

ただしこの項目は紙の百科事典が初出で、「今日では」という記述は執筆時点のものです。現在のウクライナの食生活をそのまま述べたものではありません。

国内の目録に載っている料理

ボルシチは、ユネスコに記載される前の2020年10月13日に、ウクライナ文化省の国内の無形文化遺産目録に登録されていました。この目録には、ほかにも土地ごとの料理が載っています。2025年7月16日現在の版から、この記事で触れた料理と重なるものを挙げます(クリミア・タタールとカライムの料理は前の節で触れました)。

目録上の名称目録上の地域登録の日付
ウクライナのボルシチの調理の文化全国の州とキーウ市、セヴァストポリ市2020年10月13日
ヤーヴォリウのパイの調理の伝統リヴィウ州ヤーヴォリウ2022年7月6日
ビリャイウカの魚のユシュカ(汁物)の調理と食べ方オデーサ州ビリャイウカ2022年7月6日
フツルのブルィンザザカルパッチャ州ラヒウ地区、イヴァーノ=フランキーウシク州とチェルニウツィー州の一部2022年7月6日
ウクライナの伝統料理「ホルブツィ」の調理キロヴォフラード州ホロヴァニウシク周辺の集落など2023年5月4日
出典:ウクライナ文化省「ウクライナ無形文化遺産国内目録」(2025年7月16日現在の版)。日付は登録を定めた省令の日付。2026年9月23日確認。

目録に載る料理の名前には、「調理の伝統」「調理と食べ方」のように、料理そのものではなく、特定の土地で受け継がれてきた作り方と食べ方が示されています。ホルブツィの項目は地理の欄に、この料理が現代のウクライナ全土と他の国々で作られていると書いています。国内の目録に載ることも、ユネスコへの記載と同じく、その料理がウクライナだけのものだと認めることではありません。

由来を言い切れない料理

チキンキーウ(Котлета по-київськи)について、『Authentic Ukraine』は、ひき肉ではなく鶏むね肉の一枚肉で作る点が特徴だとしたうえで、他国も考案者を主張しているとして、フランス説(料理人ニコラ・アペール)とアメリカ説を並べています。どちらが正しいかは示されていません。この記事も、誕生の場所と時期については書きません。リヴィウのスィルヌィク(ハリチナーのチーズケーキ)も同様で、同プロジェクトは「考案者とされるのは料理研究家ダリヤ・ツヴェク」と、断定を避けた書き方をしています。

料理の名前を覚えるより先に、誰が、いつ、どの機会に食べてきたのかを見ると、同じ名前の料理が土地ごとに違う顔をしていることが分かります。ユネスコがボルシチについて記載したのも、レシピではなく、その受け継ぎ方のほうでした。

出典・参考資料

  1. Culture of Ukrainian borscht cooking(要素名、申請番号01852、申請国ウクライナ、2022年・5.EXT.COM で「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧」に記載、決定番号 5.EXT.COM 5、「Case of extreme urgency」の表示、記載文本文、定期報告の提出日2022年12月15日と次回期限2026年12月15日)
    発行:UNESCO Intangible Cultural Heritage 確認日:2026-09-23
  2. Traditional foods(執筆 S. Stechishin。穀物と作物の導入時期、ジャガイモが17世紀に届いたこと、パンと儀礼のパン、パスカの東西の形、バブカの生地、ディヴェン・レジェン・シシュキ、ピロフィとピリジュキ、ハルシュキとヴァレーヌィキ、ボルシチの定義と種類と地域差、ホルブツィ、羊乳チーズとトウモロコシ料理の分布、ウズヴァルとクヴァス、酒の種類、肉と豚肉加工品・調理用の脂、五つの地方料理圏、周辺国との影響関係。初出は紙の『Encyclopedia of Ukraine』。ページに初出の巻と刊行年の表示はない)
    発行:Internet Encyclopedia of Ukraine(アルバータ大学カナダ・ウクライナ研究所=Canadian Institute of Ukrainian Studies, University of Alberta) 確認日:2026-09-23
  3. Kutia(小麦または大麦とすりつぶしたケシの実、蜂蜜のソース、聖夜 bahata kutia と主の洗礼祭前夜 holodna kutia、十二品のうち最も古いものの一つ、地域差、死者のために一人分を食卓に残す習慣。初出『Encyclopedia of Ukraine』vol.2, 1988)
    発行:Internet Encyclopedia of Ukraine(アルバータ大学カナダ・ウクライナ研究所) 確認日:2026-09-23
  4. Korovai(小麦粉の編んだ婚礼パン、生地の小旗と太陽・月・鳥・動物の飾り、婚礼での置き場所、式後に介添人が客に配ること、「穀物の呪力を信じる古い信仰の名残」という同項の解釈。初出『Encyclopedia of Ukraine』vol.2, 1989)
    発行:Internet Encyclopedia of Ukraine(アルバータ大学カナダ・ウクライナ研究所) 確認日:2026-09-23
  5. About the project(同プロジェクトがウクライナ文化青年スポーツ省によりGoogle Ukraineの支援を得て制作されたものであること)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  6. Borsch with pampushkas(赤・緑・キノコ・冷製などの種類、ポディッリャの豆、ポルタヴァ州の粉の団子、南部の小麦粉、スロボジャンシチナのビール)
    発行:Authentic Ukraine(ウクライナ文化青年スポーツ省) 確認日:2026-09-23
  7. Varenyky(具の種類、ポリッシャの豆・ザカルパッチャのチーズ・チェルニーヒウ州のシュクヴァルキという地域差)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  8. Poltava halushky(具を入れずにゆでた生地であること、手でちぎるか包丁で切るかで呼び名が分かれること、ポルタヴァで土地の代表料理とされること)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  9. Deruny(クレムズルィキ、テルチャヌィキなどの別名、名称が「すりおろした(derty)」に由来すること、北部と東部での普及、日曜に作り朝食や夕食にしたこと)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  10. Golubtsi(С. Хименко『Українські страви』第3版・1960年に基づくとして、共通レシピの不在、粟・トウモロコシ挽き割り・ソバの具、左岸と南部の大きい形と西部の小さい形、脂かすと炒めタマネギ、肉は祝日のみ、斎の時期のクヴァス、1920〜30年代に米とひき肉とトマトペーストへ変化したこと)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  11. Banosh(フツルの料理であること、生クリームまたはサワークリームで炊くトウモロコシ粥、チーズ・脂かす・ヤマドリタケ、羊のチーズを使うため男が作るとされてきた言い伝え)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  12. Bograch(ザカルパッチャで作られるハンガリーのグヤーシュ、名称がハンガリー語の大鍋に由来すると研究者が考えていること、パプリカ、スープではなく煮込みの仕上がり)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  13. Cheburek(クリミア・タタール料理であること、名称がクリミア・タタール語で「肉のパイ」を意味すること、マリウポリのギリシャ系の人びとのあいだで「チル=チル」と呼ばれること)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  14. Kapusnyak(ザワークラウトのスープ、斎の時期は肉なしで植物油、冬と祝日は豚の脂身の多い部位のだし)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  15. Uzvar(乾かした梨・リンゴ・プラム・サクランボ・ブルーベリー、南部のアンズ、クリスマスの食卓での位置づけ)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  16. Chicken Kyiv(ひき肉ではなく一枚肉で作ること、他国が考案者を主張していること、ニコラ・アペールによるフランス説とアメリカ説の併記)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  17. Galician cheesecake(考案者と「される」のがダリヤ・ツヴェクであること、同人の著書に作り方が載っていること)
    発行:Authentic Ukraine 確認日:2026-09-23
  18. Decision of the Intergovernmental Committee: 5.EXT.COM 5(ウクライナの要請日2022年4月21日、国内目録への登録2020年10月13日(基準U.5)、記載の決定、「ボルシチ調理の文化はこの地域の他の共同体とも共有されていることに留意し、条約の一覧への記載は排他性や所有権を意味しないことを想起する」という一文)
    発行:UNESCO Intangible Cultural Heritage 確認日:2026-09-23
  19. Fifth extraordinary session of the Intergovernmental Committee for the Safeguarding of the Intangible Cultural Heritage(2022年7月1日に全面オンラインで開催されたこと、同会期でボルシチの要素が緊急保護一覧に記載されたこと)
    発行:UNESCO Intangible Cultural Heritage 確認日:2026-09-23
  20. Національний перелік елементів нематеріальної культурної спадщини України(2025年7月16日現在の版。022н.к.с. ボルシチの調理の文化(2020年10月13日付命令第2182号)、027н.к.с. ヤーヴォリウのパイ、034н.к.с. ビリャイウカの魚のユシュカ、044н.к.с. フツルのブルィンザ(いずれも2022年7月6日付命令第228号)、066н.к.с. ホルブツィ(2023年5月4日付命令第234号)と同項の地理欄、「ウクライナの先住民族の文化を表す目録」の013н.к.с. エト・アヤクラク(2018年11月16日付命令第995号)と049н.к.с. チベレクとヤンティク(2022年7月25日付命令第269号))
    発行:ウクライナ文化省 確認日:2026-09-23

訂正・更新の記録

  • 作物が入ってきた時期、パスカの東西の違いと儀礼のパンの種類、豚肉の加工品と調理に使う脂、酒の種類、地方料理のまとまりについての記述を追加しました。いずれも Internet Encyclopedia of Ukraine(アルバータ大学カナダ・ウクライナ研究所)の記述を確認して加えたものです。
  • 題名と冒頭が記事の作り方の説明になっていたため、扱う中身を先に示す形に書き直しました。裏づけの取れない由来の説明を本文に入れない方針は変えていません。
  • ユネスコでの記載日(2022年7月1日)を加えました。また、記載を決めた委員会の決定文が「一覧への記載は排他性や所有権を意味しない」と明記していることを加え、要素ページの説明文だけをもとに「周辺国についての記述はない」と書いていた段落を改めました。あわせて、ウクライナ文化省の国内の無形文化遺産目録に載っている料理(チェブレキとヤンティク、エト・アヤクラク、ヤーヴォリウのパイなど)の記述を加えました。

記載内容に誤りを見つけた場合は、訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、訂正した内容と経緯を記事に記載します。