東京外大、阪大、東大で開かれているウクライナ語の講座と授業
日本でウクライナ語を習える場所は多くありません。2026年秋、一般の人が学期を通して学べるのは東京外国語大学のオンライン講座(全15回・25,000円)です。大阪大学には無料で多くの言語に触れる市民講座があり、東京大学では正規の授業「ウクライナ語入門」が開かれています。大使館が挙げる京都大学などの授業が今も続いているかは、公式ページでは分かりません。
日本でウクライナ語を習える場所は、英語や中国語に比べるとずっと少なく、しかも学期ごとに開いたり閉じたりします。ここでは、大学が公式のページで募集・開講を示している講座と授業を、2026年9月23日時点の記載にもとづいて、誰が受けられるか、いくらかかるか、どんな形式かで並べます。
一般の人が申し込める:東京外国語大学オープンアカデミー
東京外国語大学の公開講座「TUFSオープンアカデミー」は、ウクライナ語の講座を学期ごとに開いています。2026年秋期(10月開講)の募集ページに載っているのは、次の3講座です。
| 講座名 | 期間 | 曜日・時間 | 講師 | 定員 |
|---|---|---|---|---|
| 母語話者とウクライナ語入門(CEFR PreA1〜A1)【初学者向け】 | 2026年10月1日〜2027年1月21日(全15回) | 木曜 19:30〜21:00 | ペトリチェンコ・イリーナ | 21人 |
| ウクライナ語初級Ⅱ(CEFR PreA1〜A1) | 2026年10月6日〜2027年1月19日(全15回) | 火曜 19:30〜21:00 | 原真咲 | 21人 |
| ウクライナ語中級以上Ⅱ(CEFR B1) | 2026年10月2日〜2027年1月22日(全15回) | 金曜 19:30〜21:00 | 小川暁道 | 25人 |
3講座ともオンラインで、受講料は25,000円です。講座ページによれば、オンライン講座では不正防止のため、ビデオをオンにして顔が見える状態で参加することが受講の条件になっています。
講座の性格はそれぞれ違います。「母語話者とウクライナ語入門」は、講座名のとおり母語話者と学ぶ形の入門講座で、文字と音声、初対面のあいさつ、時間や空間の表現などを学ぶ速習クラスで、1期間だけの講座とされています。「初級Ⅱ」は読むことと文法の理解を中心にし、学び直しの人も歓迎としています。講師の原真咲氏は外務省研修所のウクライナ語講師と紹介されています。「中級以上Ⅱ」は講師が作った教材を使い、2026年度春学期の講読では、ペトロ・サハイダーチヌィの伝記やウクライナ鉄道の「桜列車」などを題材にしたと書かれています。
学期ごとの顔ぶれも見ておきます。講座一覧によれば、2026年春期には「母語話者とウクライナ語入門」「ウクライナ語初級Ⅰ」「ウクライナ語中級以上Ⅰ」の3講座が開かれ、2026年8月18日から20日には、3回・9,000円の短期講座「ウクライナ語入門ゆっくりコース」がオンラインで開かれました。春期の一般申込は2月中旬から3月上旬でした。秋期の一般申込期間は8月4日から8月31日までとされていましたが、各講座のページによれば9月23日まで延長され、その日で締め切られました。次の学期の日程は、講座一覧のウクライナ語のページで確かめてください。
無料で触れてみる:大阪大学の市民講座
大阪大学の「市民講座2026 ─複言語学習のススメ─」は、いろいろな言語のあいさつや自己紹介に触れる無料の講座です。2026年は9月6日、10月10日、12月5日が豊中キャンパスでの対面、10月31日がオンラインで、定員は各回30人(先着順)、申込期間は11月20日までです。
学べる言語として24言語が挙がっており、その中にウクライナ語が入っています。ただし、基本の「複言語クラス」は1回で3〜4種類の言語を学ぶ形で、どの言語を学ぶかは当日まで分からず、自分では選べません。午後の「StepUpクラス」は、午前の複言語クラスで学んだ言語から一つに絞り、文字の書き方や発音を少し詳しく学ぶクラスです。ウクライナ語に必ず当たるわけではないので、「ウクライナ語を学ぶ講座」というより、ウクライナ語を含む多くの言語に触れる入口と考えるのが正確です。
大学の正規の授業:東京大学
東京大学の授業カタログ(2026年度版)には、「ウクライナ語入門」が載っています。開講は大学院人文社会系研究科で、文学部の「スラヴ語学スラヴ文学特殊講義VII」も、同じ担当者・同じ時限・同じ授業の説明で載っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授業名 | ウクライナ語入門(文学部では「スラヴ語学スラヴ文学特殊講義VII」) |
| 学期・時限 | S1・S2ターム、水曜4限 |
| 単位 | 2単位 |
| 担当 | Petrychenko Iryna |
| 形式 | 対面での参加を推奨、Zoomも併用 |
| 履修の注意 | キリル文字の知識がなくても履修できるが、早めに覚えるように、としている |
授業の目標は「ウクライナ語の発音や読み書き能力を身につけ、基礎文法・語彙を習得しながら簡単な会話ができるようになること」とされています。これは大学の正規の授業なので、受けられるかどうかは東京大学での在籍の形によります。同じカタログには、言語そのものではなく、ウクライナの地域に重なるウクライナ、ロシア、ポーランド、ユダヤなどの言語・文化の諸相を扱う「ウクライナの多様な文化を学ぶ」(A1・A2ターム、月曜4限)も載っています。
大使館の説明にある、ほかの場所
在日ウクライナ大使館のウェブサイトは、ウクライナと日本の関係を説明するページで、ウクライナ語の教育に触れています。
У 2022 році запроваджене викладання української мови на базі Посольства України в Японії, а також у Токійському та Кіотському університетах, університеті Кобе Гакуін.
在日ウクライナ大使館「ウクライナと日本の関係」(ウクライナ語)
「2022年に、在日ウクライナ大使館を拠点として、また東京大学、京都大学、神戸学院大学で、ウクライナ語の授業が始まった」という意味です。同じページは、東京のウクライナ語の日曜学校「ジェレリツェ」(Джерельце)と「フロバチョク」(Хробачок)、名古屋の「ベレヒニャ」(Берегиня)が、ウクライナ語と伝統を広める役割を担っているとも書いています。
ただし、このページには更新日が書かれておらず、記述は2023年半ばまでの出来事で止まっています。京都大学と神戸学院大学で2026年度にウクライナ語の授業が開かれているか、大使館での授業や日曜学校がいまも続いているか、外部の人が参加できるかは、それぞれの公式ページでは確かめられていません。関心のある人は、各大学や大使館に直接問い合わせてください。
教科書
東京外国語大学オープンアカデミーの秋期の3講座のうち2講座は、中澤英彦『ニューエクスプレスプラス ウクライナ語』(白水社)を教科書に指定しています。講座ページによれば、2026年に音声ダウンロード版の新しい版(ISBN 9784560068526)が出ており、2019年版(ISBN 9784560088340)も使えるとしています。「初級Ⅱ」の講座ページは、2026年版には受講生の声を反映した修正のほか、最新の正書法への対応などが入っていると説明しています。
ウクライナ語の文字や、ロシア語との違いを先に知りたい人は、ウクライナ語とロシア語の違いの記事 と あいさつとお礼の20語の記事 も参考になります。
出典・参考資料
- 母語話者とウクライナ語入門(CEFR PreA1~A1)【初学者向け】(講座番号A2610016。期間・曜日・時間・定員・受講料・講師紹介・教科書)
発行:東京外国語大学オープンアカデミー 確認日:2026-09-23 - ウクライナ語初級Ⅱ(CEFR PreA1~A1)(講座番号A2610017。期間・講師紹介・教科書の2026年版と2019年版)
発行:東京外国語大学オープンアカデミー 確認日:2026-09-23 - ウクライナ語中級以上Ⅱ(CEFR B1)(講座番号A2610018。期間・定員・講師作成教材・2026年度春学期の講読テーマ例)
発行:東京外国語大学オープンアカデミー 確認日:2026-09-23 - ウクライナ語入門ゆっくりコース(講座番号A2608002。2026年8月18〜20日・全3回・9,000円)
発行:東京外国語大学オープンアカデミー 確認日:2026-09-23 - 講座一覧(ウクライナ語。2026年春期の3講座と申込期間)
発行:東京外国語大学オープンアカデミー 確認日:2026-09-23 - 【外国語講座】市民講座2026 ー複言語学習のススメー(日程・参加費・定員・申込期間・24言語)
発行:大阪大学 21世紀懐徳堂 確認日:2026-09-23 - 市民講座2026(複言語クラスとStepUpクラスの説明)
発行:大阪大学 D3センター言語教育支援研究部門 確認日:2026-09-23 - ウクライナ語入門(時間割コード21263609。2026年度)
発行:東京大学授業カタログ 確認日:2026-09-23 - スラヴ語学スラヴ文学特殊講義VII(時間割コード04263347。2026年度)
発行:東京大学授業カタログ 確認日:2026-09-23 - ウクライナの多様な文化を学ぶ(時間割コード21263654。2026年度)
発行:東京大学授業カタログ 確認日:2026-09-23 - Українсько-японські відносини(ウクライナ語の授業の導入、日曜学校)
発行:在日ウクライナ大使館 確認日:2026-09-23
記載内容に誤りを見つけた場合は、訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、訂正した内容と経緯を記事に記載します。