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人と暮らし/実用ガイド

12歳でも小学生ならこども運賃。日本の電車とバスの乗り方

日本の鉄道とバスの運賃は、年齢で大人・こども・幼児・乳児に分かれ、こどもは原則として大人の半額です。交通系ICカードには500円の預り金があり、記名式のカードは氏名や生年月日を登録します。2023年に止まり、2025年までに再開したICカードの発売の経緯と、バスの前乗り・後ろ乗りの違いもまとめました。

オリュカのひとこと

12歳なのに「こども」の運賃になるのは、どんなときでしょう。年齢の表のすぐ下にある例外を見てみましょう。

日本で暮らし始めると、通勤や通学、役所や病院に行くときに、電車とバスを使う機会が多くなります。運賃の払い方や子どもの料金は、ウクライナとは仕組みが違うところがあります。

以下は、JR東日本の旅客営業規則と案内ページ、東京都交通局(都営バス)の案内、出入国在留管理庁の『生活・就労ガイドブック』をもとに、2026年9月時点の内容をまとめたものです。運賃や規則は鉄道会社・バス会社ごとに違い、以下はJR東日本と都営バスの例です。

大人・こども・幼児・乳児の分け方

JR東日本の旅客営業規則第73条は、運賃を年齢で四つに分けています。

区分年齢(JR東日本)運賃
大人12歳以上大人運賃
こども(小児)6歳以上12歳未満大人の半額
幼児1歳以上6歳未満原則無料
乳児1歳未満無料
JR東日本 旅客営業規則第73条・第74条と案内ページ「おとなとこども」をもとに作成(2026年9月24日確認)。

ただし、境目には例外があります。JR東日本の案内によれば、12歳でも小学生は「こども」、6歳でも小学校に入学する前は「幼児」です。都営バスも、大人を「12歳以上(中学生以上)」、小児を「6〜11歳(12歳の小学生を含む)」としています。

ここでいう「小学校」について、JR東日本は「日本の学校教育法に基づき設置された小学校」を指すと注記しています。日本の小学校に通っていない12歳の子どもの運賃が気になる場合は、利用する鉄道会社に確かめてください。日本の学校に通いながらウクライナの授業を受ける仕組みについては日本の学校に通いながら、ウクライナの6科目だけを学ぶ仕組みで紹介しています。

こどもの運賃は大人の半額

旅客営業規則第74条によれば、こどもの運賃は大人の運賃を半分にし、10円未満の端数を切り捨てた額です。JR東日本の案内は、こどもの乗車券、特急券、指定席券は大人の半額としたうえで、グリーン券や寝台券は大人と同じ額だとしています。

幼児が無料にならない場合

幼児と乳児は原則として無料ですが、次の場合はこどもの運賃が必要です。

  • 大人またはこども1人が連れている幼児が2人を超える場合(3人目から)
  • 幼児・乳児が1人で指定席、グリーン席(自由席グリーン車を除く)、寝台などを使う場合
  • 幼児が1人で旅行する場合

都営バスでも、幼児は大人またはこどもが連れている場合に2人まで無料で、3人目からと、幼児だけで乗る場合は小児運賃が必要です。

オリュカのひとこと

カードを返すと、預り金の500円はそのまま戻ってくるのでしょうか。払い戻しの条件をこの節で確かめましょう。

交通系ICカードの預り金と払い戻し

日本の多くの鉄道とバスでは、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードに前もってお金を入れておき(チャージ)、改札機や読み取り機にかざして運賃を払えます。出入国在留管理庁の『生活・就労ガイドブック』は、きっぷを買う手間が省けることや、現金より運賃が安くなる場合があることを挙げています。

JR東日本のSuicaを例にすると、仕組みは次のとおりです。

  • 初めて買うとき、預り金(デポジット)500円を預ける。カードの発売額(1,000円から10,000円まで)には、この500円が含まれている
  • カードを返すと、チャージ残額から手数料220円を差し引いた額に、預り金500円を加えて返金される。残額が220円以下なら、返金は預り金500円だけ
  • 記名式の「My Suica」には、買うときに氏名・生年月日・性別などを登録する。なくしたときは、登録した情報で再発行できる
  • 記名式のカードやSuica定期券の払い戻しには、公的な証明書(運転免許証など)が必要
  • JR東日本が発行したSuicaは、JR東日本の駅でしか払い戻せない。PASMOなど他社のカードは、買った会社の窓口で払い戻す

子ども用のICカード

こども用のSuicaは記名式だけで、無記名のこども用カードはありません。駅の窓口などで買い、そのときにはマイナンバーカードなど、子ども本人を確認できるものが必要です。こども用のSuicaは、12歳になった日(誕生日の前日)以後の最初の3月31日まで使え、そのあとは大人用に変更する手続きをします。JR東日本によれば、こども用のMy Suica、こども用のSuica定期券、小児用のPASMOは、どれか1枚しか持てません。

都営バスでは、ICカードで払うと運賃が現金と変わることがあります。東京23区内の一般的な系統では、大人は現金もICも210円ですが、小児は現金110円、ICは105円です。

無記名カードが買えなかった期間

2023年から2025年にかけて、SuicaとPASMOのカードは一時的に買えなくなっていました。JR東日本とPASMO協議会などの発表によれば、経緯は次のとおりです。

時期内容
2023年6月8日世界的な半導体不足でICチップが手に入りにくくなり、無記名のSuica・PASMOの新規発売を一時中止
2023年8月2日記名式のカードの新規発売も一時中止(定期券、こども用カード、障がい者用カード、紛失時の再発行などは継続)
2024年9月1日半導体の供給が回復し、記名式のカードの発売を再開
2025年3月1日カードを継続して調達できる見込みが立ち、無記名のカードの発売を再開
JR東日本・PASMO協議会ほかの発表(2023年6月2日、2023年7月31日、2024年8月20日、2025年2月18日)をもとに作成。対象はSuica・PASMOのカードで、スマートフォンで使う「モバイルSuica」「モバイルPASMO」はこの間も使えた。

発売が止まっていたあいだも、スマートフォンのモバイルSuicaやモバイルPASMOは使えました。なお、「Welcome Suica」は、短期間の旅行で日本に来る外国人向けのカードとして発売されています。

電車の乗り方

『生活・就労ガイドブック』は、電車の乗り方を次の順で説明しています。

  • 路線図で行き先を確かめる
  • 行き先までのきっぷを買って改札機に入れる。ICカードなら読み取り部にかざす
  • 駅の案内を見て、乗る列車のホームへ行く
  • ホームでは、白線や黄色い点字ブロックの内側で待つ
  • 降りる駅の改札機にきっぷを入れて出る。ICカードならかざすと運賃が差し引かれる

新幹線や特急列車に乗るときは、乗車券のほかに特急券が必要です。指定席を使うときは指定席券、グリーン車にはグリーン券が要ります。毎日同じ区間を通勤・通学するなら、区間内なら何度でも乗れる定期券(1か月・3か月・6か月など)が普通のきっぷより安くなります。

バスは前乗りか、後ろ乗りか

路線バスの乗り方は、運賃が均一か、乗る距離で変わるかによって違います。都営バスを例にすると、次のとおりです。

地域乗り方
東京23区内(均一運賃)前の扉から乗り、乗るときに運賃を払う。ICカードは読み取り機にかざす。降りるバス停が案内されたら降車ボタンを押し、後ろの扉から降りる
多摩地域(距離で変わる運賃)後ろの扉から乗り、整理券を取る。降りるバス停が案内されたら降車ボタンを押し、前の扉から降りるときに運賃箱に運賃を払う。ICカードなら整理券は取らず、乗るときに乗車リーダーに、降りるときに運賃箱の読み取り部にかざす
東京都交通局「バスの利用方法」「PASMOのご利用方法」をもとに作成(2026年9月24日確認)。

都営バスの運賃箱で使える紙幣は1,000円札だけです。何人か分をまとめて払う場合は、現金でもICカードでも、払う前に運転士に大人とこどもの人数を伝えます。整理券を取るバスでは、降りるときに運転席の上の表示で、整理券の番号に対応する運賃を確かめます。都市と都市を結ぶ高速バスは、原則として乗る前にきっぷを買います。

ウクライナ語で読める案内

出入国在留管理庁の『生活・就労ガイドブック』にはウクライナ語版があり、第12章「日常のルール・習慣」の「公共交通」の節で、ICカード、電車、バスの乗り方を説明しています。JR東日本の外国人旅行者向けサイトは、2026年9月時点で日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、インドネシア語、タイ語で、ウクライナ語の版はありません。

自転車に乗るときの交通ルールは2026年4月からの青切符の記事にまとめています。

出典・参考資料

  1. 旅客営業規則 第2編第3章第1節 通則(第73条 旅客の区分、第74条 小児の旅客運賃・料金)
    発行:東日本旅客鉄道(JR東日本) 確認日:2026-09-24
  2. おとなとこども(年齢区分、小学校の定義の注記、こどもの運賃・料金、幼児・乳児が有料になる場合)
    発行:東日本旅客鉄道(JR東日本) 確認日:2026-09-24
  3. Suica(カードタイプ)の種類(預り金500円、こども用Suicaの有効期限、1枚しか持てないカード)
    発行:東日本旅客鉄道(JR東日本) 確認日:2026-09-24
  4. My Suica(記名式)・Suicaカードの購入(発売価格、こども用は記名式のみ、購入時の本人確認)
    発行:東日本旅客鉄道(JR東日本) 確認日:2026-09-24
  5. 払いもどし(手数料220円、預り金500円、公的証明書、払い戻せる場所)
    発行:東日本旅客鉄道(JR東日本) 確認日:2026-09-24
  6. 無記名の「Suica」・「PASMO」カード発売の一時中止に関するお知らせ(2023年6月2日。6月8日から中止、理由)
    発行:東日本旅客鉄道・PASMO協議会ほか 確認日:2026-09-24
  7. 記名式の「Suica」及び「PASMO」カード発売の一時中止に関するお知らせ(2023年7月31日。8月2日から中止、継続するもの)
    発行:東日本旅客鉄道・PASMO協議会ほか 確認日:2026-09-24
  8. 記名式の「Suica」及び「PASMO」カード発売の再開に関するお知らせ(2024年8月20日。9月1日から再開)
    発行:東日本旅客鉄道・PASMO協議会ほか 確認日:2026-09-24
  9. 無記名の「Suica」・「PASMO」カード発売の再開に関するお知らせ(2025年2月18日。3月1日から再開、Welcome Suica)
    発行:東日本旅客鉄道・PASMO協議会・東京臨海高速鉄道・東京都交通局 確認日:2026-09-24
  10. 普通運賃(23区内の均一運賃、IC運賃、大人・小児・幼児・乳児の区分、幼児の取扱い、1000円札)
    発行:東京都交通局 確認日:2026-09-24
  11. バスの利用方法(23区内は前乗り・前払い、多摩地区は後乗り・後払い)
    発行:東京都交通局 確認日:2026-09-24
  12. PASMOのご利用方法(都営バスでのICカードの使い方:23区内・多摩地域、複数人での利用)
    発行:東京都交通局 確認日:2026-09-24
  13. 生活・就労ガイドブック ウクライナ語版(第12章 公共交通:ICカード、鉄道、バス)
    発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-24
  14. JR-EAST 外国人旅行者向けサイト(言語の版)
    発行:東日本旅客鉄道(JR東日本) 確認日:2026-09-24

記載内容に誤りを見つけた場合は、訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、訂正した内容と経緯を記事に記載します。