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人と暮らし/実用ガイド

拾ったら7日以内に警察へ、店や駅なら24時間以内に。日本の落とし物の決まり

日本で落とし物を拾ったら、道なら警察、店や駅なら施設の人に届けます。7日(施設は24時間)を過ぎると、拾った人の権利がなくなります。報労金5〜20%、3か月で所有権、2か月の引取期限、携帯電話や身分証が受け取れない理由、遺失届の出し方を、遺失物法と警察庁の案内でまとめました。

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オリュカのひとこと

拾った物は、どこに届ければよいのでしょう。最初の見出しで確かめられます。

日本では、財布やスマートフォンを落としても、交番や駅の窓口に届いていることがよくあります。拾った人が届け出て、警察や施設が持ち主を探す手順が、遺失物法という法律で決まっているからです。拾った人がお礼(報労金)を受け取れること、持ち主が見つからなければ拾った人のものになることもあることまで、条文に書かれています。

以下は、遺失物法・民法・刑法の条文(e-Gov法令検索)と、警察庁・警視庁の案内をもとに、2026年9月に確かめた内容です。拾った物をどう扱えばよいか迷ったときや、自分の落とし物がどうなっているかは、最寄りの警察署か交番で確かめてください。この記事は、個別の事情について判断しません。

拾ったら:道なら警察へ、店や駅なら施設の人へ

遺失物法第4条は、拾った人は「速やかに」、拾った物を落とし主に返すか、警察署長に提出しなければならない、と定めています。警察庁は、届け出る先はどこの警察署、交番・駐在所でもかまわないと案内しています。

拾った場所が店や駅の中のときは、扱いが変わります。同じ条の第2項は、施設の中で拾った人は、警察ではなく、その施設の管理者(法律の言葉では「施設占有者」)に渡さなければならないとしています。ここでいう施設は、管理する人が常にいる建物などで、電車、バス、船、飛行機のような乗り物も含まれます(第2条第5項)。警察庁の案内は、駅、デパート、遊園地、ホテル、病院、ビルの中や、電車、バス、タクシーの中を例に挙げ、駅員や従業員、店員に届けるよう求めています。

警察に届けると、拾った日時と場所、物の特徴、受け取れる期間などを書いた「拾得物件預り書」が渡されます(第5条)。持ち主が見つからずに自分が受け取ることになったときに必要なので、なくさないでください。

  1. オリュカ

    拾った物は、何日のうちに届ければよいのかな。

  2. スウネ

    届け出る義務と、権利がなくなる日数は別の話だと、この見出しの下にあるよ。

  3. タブリ

    期限ごとの起点の違いは、少し先の見出しの表で見比べられるよ。

「速やかに」と「7日以内」の関係

届け出る義務そのものは「速やかに」で、日数は書かれていません。日数が出てくるのは、拾った人の権利がなくなる条件です。第34条は、拾った日から1週間以内に警察に提出しなかった人、施設の中で拾って24時間以内に施設の人に渡さなかった人は、次に説明する報労金や、落とし物を受け取る権利を失う、と定めています。警察庁の案内も「7日以内(管理者のいる場所で拾った場合は24時間以内)」と書いています。

届け出ずに自分の物にすると、罪になることがあります。刑法第254条は、落とし物など占有を離れた他人の物を横領した人を、1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金もしくは科料に処すると定めています。

拾った人が持つ三つの権利

届け出た人には、警察庁の案内によれば次の三つの権利があります。どれかを選んで主張することも、すべてを放棄することもできます。

  • 報労金を受け取る権利:持ち主が見つかったとき、持ち主は落とし物の価格の5%以上20%以下の報労金を、拾った人に払わなければなりません(第28条第1項)。施設の中で拾われたときは、拾った人と施設がその半分ずつを受け取るので、警察庁の案内では価格の2.5%から10%になります(同条第2項)。国や地方公共団体などの公的な機関は請求できません(同条第3項)。
  • 落とし物を受け取る権利:持ち主が見つからないまま一定の期間が過ぎると、拾った人がその物の所有権を得ます(民法第240条)。
  • 費用を請求する権利:届けるのにかかった運搬費などの費用は、持ち主が負担します(第27条)。

報労金の額や払い方は、法律が幅を決めているだけで、拾った人と持ち主の話し合いで決めるよう警察庁は案内しています。報労金や費用を請求するときは、拾った人の名前と住所が持ち主に伝えられます。拾った人が同意したときに限り、警察は持ち主に拾った人の名前などを教えることができる、というのが条文の仕組みです(第11条)。報労金と費用は、落とし物が持ち主に返されてから1か月が過ぎると請求できなくなります(第29条)。

届けてから引き取るまでの期限

期限は、起点がそれぞれ違います。条文と警察庁の案内から、主なものを並べます。

期限何から数えるか過ぎるとどうなるか根拠
24時間施設の中で拾った時施設の人に渡していなければ、拾った人の権利がなくなる遺失物法第34条第3号
1週間(7日)道などで拾った日警察に届けていなければ、拾った人の権利がなくなる遺失物法第34条第2号
2週間警察が公告した日傘、衣類、自転車などは、持ち主が見つからなければ売却・処分されることがある遺失物法第9条第2項
3か月警察が公告した日持ち主が見つからなければ、拾った人が所有権を得る民法第240条、遺失物法第7条第4項
2か月拾った人が所有権を得た日警察から引き取らなければ所有権を失い、都道府県のものになる遺失物法第36条・第37条
1か月持ち主に返された後報労金と費用を請求できなくなる遺失物法第29条
遺失物法・民法の条文(e-Gov法令検索)と警察庁「警察庁遺失届情報サイト」から作成(2026年9月確認)。埋蔵物は別の期間(6か月)。

警察庁の案内によれば、警察は届いた物を3か月保管し、その間に公告や関係機関への照会で持ち主を探します。すぐに傷む物や、保管に費用がかかりすぎる物は、もっと早く売却されることがあります(第9条第1項)。売却されたときは、その代金が落とし物として扱われます。

  1. オリュカ

    古い説明と期間が違うのは、どうしてだろう。

  2. タブリ

    法律が改められた順番は、この見出しの下でたどれるよ。

  3. スウネ

    古い説明の期間が改正前の決まりだということも、この見出しの下にあるね。

昔は6か月、いまは3か月

いまの遺失物法は、明治32年(1899年)の旧法を全部改めて2006年6月15日に公布され、2007年12月10日に施行されたものです(施行の日は遺失物法施行令の附則による)。このとき同じ法律の附則第3条が民法第240条を改め、持ち主が見つからないときに拾った人が所有権を得るまでの期間を「六箇月」から「三箇月」に短くしました。古い説明で「6か月」と書かれているのは、改正前の決まりです。

拾っても自分のものにならない物

3か月たって持ち主が見つからなくても、拾った人が受け取れない物があります。第35条は、次の物について所有権を得られないと定めています。

  • 法令で持つことが禁止されている物
  • 個人の身分や地位を証明する文書など(身分証明書にあたるもの)
  • 個人の秘密が記録された文書や電磁的記録
  • 持ち主やその関係者の住所や連絡先が記録された文書や電磁的記録
  • 個人情報のデータベースが記録された文書や電磁的記録

警察庁は、この例として、クレジットカードや身分証明書、携帯電話機などの個人の情報が記録されている物を挙げています。こうした物は、持ち主が見つからなければ廃棄されます(第37条第2項)。警視庁の2025年の統計でも、携帯電話類と証明書類は、拾った人に引き渡された数が0件でした。

在留カードをなくしたときは、警察への届出と、出入国在留管理局での再交付の申請が必要です。手続きは特定在留カードの記事の「そのほかの注意」の節にまとめています。

落としたら:遺失届を出す

落とし物をしたときは、警察に「遺失届」を出します。警察庁によれば、警察は届けられた拾得物と遺失届の内容をシステムなどで照らし合わせて、持ち主を探します。落とした日時と場所、物の色や形、名前や番号(キャッシュカードのカナの名前や口座番号など)ができるだけ分かると、照合しやすくなります。警察に届けられた物の保管期間は3か月なので、気づいたらすぐに届け出るよう求めています。

同じ案内は、遺失届は落とした事実を証明するものではなく、遺失届にもとづいて警察が捜索をするものでもない、とも書いています。見つかったときには、届けられた警察署から連絡があります。落とし物にキャッシュカードやクレジットカード、携帯電話が入っていたときは、警察とは別に、発行した会社や携帯電話会社に連絡して利用を止めるよう案内しています。

  • 店や駅で落としたとき:まず施設に問い合わせます。警察庁は、施設の中で落とした物が警察に届くまで1〜2週間程度かかることがあるとしています。電車の中の落とし物は、終点の駅などを受け持つ警察署に届けられることがあります。
  • 鉄道・バス・船・飛行機の会社:法律と施行令は、鉄道、路線バス、定期航路、定期航空の事業者などを「特例施設占有者」とし、一定の物を警察に提出せずに自分で保管できるようにしています(第17条、施行令第5条)。警視庁によれば、東京では2025年に21事業者・70施設が該当しました。
  • インターネットでの確認:各都道府県警察は、届けられた拾得物の情報を公開しています(第8条第2項)。警察庁の「落とし物の届出・検索」のページから、都道府県ごとの検索ページに進めます。遺失届をオンラインで出せる都道府県もありますが、リンク先の設定のない都道府県は、警察署か交番で届け出るよう案内されています。
  • 受け取り:持ち主であることを確かめたうえで、受領書と引き換えに返されます(第11条第1項)。警察庁によれば、警察署に行くのが難しいときは、本人確認ができれば郵送での受け取りを申し出ることができ、送料は自己負担です。

日本を離れたあとに見つかった場合に備えて、警察庁は、帰国後も連絡のとれる電話番号やメールアドレスを遺失届に書くよう求めています。代わりに受け取ってくれる人が日本にいれば、その人の連絡先も書いておきます。

オリュカのひとこと

届け出の件数は、どれくらいあるのでしょう。この見出しの数字で確かめられます。

数字で見る落とし物

警察白書(2025年版)によれば、2024年に全国の警察が受け付けた拾得物は、現金が233億円、物品が3,128万点でした。遺失届に書かれた額は、現金が367億円、物品が1,161万点です。

東京都を受け持つ警視庁の2025年の統計では、拾得の届出は4,538,244件、届けられた現金は約45億円(4,508,824,075円)、物品は4,850,775点でした。物品でいちばん多かったのは証明書類(819,602点、16.9%)で、有価証券類、衣類・履物類、電気製品類、財布類が続きます。同じ年に落とし主に返された現金は、約32億円(3,229,585,264円)です。

急ぎでない困りごとを警察に相談する番号(#9110)と110番の使い分けは、日本の緊急通報の記事にまとめています。

出典と記事の記録出典 11件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 遺失物法平成18年法律第73号。第2条・第4条・第5条・第7条〜第9条・第11条・第17条・第27条〜第37条
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  2. 遺失物法施行令平成19年政令第21号。第5条 特例施設占有者、附則第1条 施行日 平成19年12月10日
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  3. 遺失物法 制定時の法律本文法律第七十三号 平一八・六・一五。附則第3条 民法第240条の「六箇月」を「三箇月」に改める規定
    発行:衆議院 制定法律情報 確認日:2026-09-27
  4. 民法第240条 遺失物の拾得、第241条 埋蔵物
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  5. 刑法第254条 遺失物等横領
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  6. 警察庁遺失届情報サイト路上等で拾った場合/施設で拾った場合/路上等で落とした場合:届出先、拾得物件預り書、3か月の保管、2週間で売却される物、報労金5〜20%・施設2.5〜10%、7日・24時間、2か月の引取期間、所有権を取得できない物、郵送での受取、帰国後の連絡先
    発行:警察庁 確認日:2026-09-27
  7. 遺失届とは・遺失届のポイント照合の仕組み、保管期限3か月、遺失届は事実の証明ではない
    発行:警察庁 確認日:2026-09-27
  8. その他の注意点施設から警察に届くまで1〜2週間、鉄道の終点駅の警察署
    発行:警察庁 確認日:2026-09-27
  9. 落とし物の届出・検索都道府県警察の拾得物公表ページとオンライン遺失届
    発行:警察庁 確認日:2026-09-27
  10. 令和7年版 警察白書 統計2-83 拾得物・遺失届の取扱い状況の推移令和2年〜令和6年
    発行:警察庁 確認日:2026-09-27
  11. 遺失物取扱状況令和7年中。2026年3月2日更新:拾得届件数・現金・物品点数、上位品目、処理状況、特例施設占有者
    発行:警視庁 確認日:2026-09-27

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