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ビジネス・復興/解説

支店1万5千、ロッカー3万4千。民間の配送会社ノヴァ・ポシュタ

ウクライナで荷物を運ぶノヴァ・ポシュタは、2001年にポルタヴァで登記された民間の会社です。同社の発表では、2025年に5億2,200万個を運び、2026年初めに支店1万5,817、宅配ロッカー3万4,186を持っていました。国営のウクルポシュタとの違い、ヨーロッパへの広がり、2022年の郵便法での位置づけを、2026年9月時点の発表と法令で見ます。

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オリュカのひとこと

配送会社ノヴァ・ポシュタは、どこで登記された会社なのでしょう。最初の見出しで確かめられます。

ウクライナで荷物を受け取るとき、よく名前が出てくるのが民間の配送会社「ノヴァ・ポシュタ」(Нова пошта)です。同社が2026年1月27日に出した発表によれば、2025年に運んだ荷物と貨物は5億2,200万個で、前の年より10%増えました。そのうち2,900万個は国際便です。2026年1月の初めの時点で、ウクライナ国内に支店が1万5,817、宅配ロッカー(поштомат)が3万4,186ありました。

国の郵便を担うのは、国営の株式会社ウクルポシュタ(Укрпошта)です。ノヴァ・ポシュタはそれとは別の民間の会社で、法律の上では、郵便の事業をするほかの会社と同じ「郵便事業者」の一つです。以下、会社の成り立ちと数字、国外への広がり、法律での位置づけを順に見ます。住所の書き方と受け取り方はウクライナの住所の書き方の記事、日本からの送り方はウクライナ宛ての郵便の記事にあります。

2001年、ポルタヴァで登記された会社

国の法人登記簿(ЄДР)の記載では、有限会社「ノヴァ・ポシュタ」(ТОВ «Нова пошта»)の設立の日は2001年1月19日です。登記簿の変更の履歴によれば、会社の所在地は2016年6月13日にポルタヴァ市からキーウ市に移りました。主な事業の区分は「その他の郵便・宅配の事業」です。

同じ登記簿は、会社の持ち主として、キプロスの会社「NP Holdings Limited」(出資の90%)と、ウクライナの投資ファンド(10%)を挙げています。最終的な受益者(会社を実際に支配する個人)として記されているのは、ヴォロディーミル・ポペレシニュクとヴャチェスラウ・クリモウの2人です。国は出資していません。

年表:国内の会社から、国外にも支店を持つ会社へ

発表の主体と日付がわかるものだけを並べます。

年出来事主体・出典
2001年1月有限会社として設立の登記国の法人登記簿
2014年モルドバで事業を始める(キシナウ、カフル、バルツィの3か所)同社の発表(2024年9月25日)
2016年6月登記上の所在地をポルタヴァからキーウへ移す国の法人登記簿
2020年5月モルドバの首都キシナウで「最初の2支店」を開く同社グループの発表を伝えたインターファクス・ウクライナ(2020年5月20日)
2022年10月ポーランドで最初の支店を開く同社の発表(2024年12月13日)
2024年12月ポーランドの支店が50になる(31都市、16のすべての県)同社の発表(2024年12月13日)
2026年1月国内の支店1万5,817、宅配ロッカー3万4,186同社の発表(2026年1月27日)
2026年6月末ヨーロッパの16か国・235都市で995か所の窓口同社の発表を伝えたインターファクス・ウクライナ(2026年8月4日)
出典は記事末尾の一覧。数字はいずれも同社の発表で、独立した機関が確かめたものではない。
  1. オリュカ

    モルドバで始まった年は、発表によって違うようだけど、なぜかな。

  2. スウネ

    二つの発表は、数えているものが違うのかもしれないと本文に書いてあるよ。

  3. タブリ

    年ごとの出来事は、上の年表で見比べられるよ。

モルドバに出たのは2014年か、2020年か

モルドバでの始まりは、同じ会社の発表の中で書き方が分かれています。2024年9月の「モルドバで10年」の発表は、2014年に3か所の窓口で事業を始め、当時は窓口が仕分けの拠点と貨物の支店を兼ねていたと書いています。一方、2020年5月にインターファクス・ウクライナが伝えた同社グループの発表は、キシナウで「最初の2支店」を開くとしていました。

二つの発表は、数えているものが違う可能性があります。2014年の3か所は拠点を兼ねた窓口、2020年の2支店は同社の標準の形の支店、という読み方です。ただし、同社はその違いを説明していません。ここでは両方の書き方を並べておきます。

2025年の数字

2026年1月27日の同社の発表から、主な数字を抜き出します。

項目2025年の数字(同社の発表)
運んだ荷物と貨物5億2,200万個(前年比10%増)、うち国際便2,900万個
国内の支店(2026年1月初め)1万5,817(1年で2,195増)
宅配ロッカー(2026年1月初め)3万4,186(1年で1万53増)
商品とサービスの売上540億フリヴニャ超(前年比21%増)
利益26億フリヴニャ
国の予算に納めた税と負担金162億フリヴニャ(前年比33%増)
国内への設備投資40億フリヴニャ超
出典:ノヴァ・ポシュタ「2025年のウクライナでのグループNOVAの業績」(2026年1月27日)。フリヴニャの額は名目。円への換算はしていない。

同じ発表によれば、設備投資の大部分は宅配ロッカーと支店の拡大、物流の施設に向けられました。仕分けの拠点に新しい自動の仕分けラインを入れるのに4億9,200万フリヴニャ、トラックと荷台の入れ替えに5億4,500万フリヴニャを使ったとしています。支店は前線に近い地域を含むウクライナ全体で増えた、とも書いています。

2026年に入ってからの数字もあります。インターファクス・ウクライナが2026年8月4日に伝えた同社の説明では、2026年1〜6月の国内の設備投資は15億フリヴニャを超えました。同じ記事は、同社が荷物の数で世界の宅配・郵便事業者の30位にあり、2030年までに20位以内に入り、年に20億個を運ぶことを目指していると伝えています。これは同社自身の見方です。

ヨーロッパの16か国へ

国外の事業は、グループの「Nova Post」の名前で広がっています。インターファクス・ウクライナによれば、2026年1〜6月に新しく開いた窓口は266か所で、モルドバが155、ポーランドが63、スペインが18、チェコが14、ドイツが11でした。6月末の時点で、ヨーロッパの16か国・235都市に995か所の窓口があり、ウクライナからの配達にかかる日数は最短で3日としています。

共同所有者のクリモウは2026年3月、首都キーウの催しで、16の市場のうち5か所ですでに利益が出ており、2026年のうちにヨーロッパの支店網を2倍にすると述べました(インターファクス・ウクライナ)。国外で最初の支店を開いたのは、同社の説明ではポーランドのワルシャワで、2022年10月です。

オリュカのひとこと

この会社は、法律の上ではどう位置づけられているのでしょう。この見出しで確かめられます。

法律では「郵便事業者」の一つ

ウクライナの郵便の法律は、2022年11月3日の法律第2722-IX号「郵便通信について」です。2022年11月25日に政府の新聞に掲載され、それまでの2001年の郵便法(第2759-III号)に代わりました。新しい法律は、公布の翌日に効力を持ち、その6か月後から適用されると定めています。

この法律は、郵便の事業をする会社を、国営か民間かを問わず「郵便事業者」(оператор поштового зв’язку)と呼びます。事業を始める会社は、通信と郵便を監督する国家委員会(НКЕК)に届け出をし、郵便事業者の国の登録簿に載ります(第14条)。許可を受けるのではなく、届け出で足りる仕組みで、登録簿に載った事業者は毎年1月31日までに記載の内容を確かめる届けを出します。

古い法律に無かった「宅配ロッカー」と「宅配」

新しい法律の第1条は、用語の定義に「宅配ロッカー」(поштомат)を加えました。「郵便物の受け付け、短い間の保管、配達と引き渡しのための、不正な開け閉めを防ぐ仕組みを持つ自動の装置」という定義です。家や職場に届けるか、窓口の外で受け付ける「宅配サービス」(кур’єрська послуга)も、郵便のサービスの一つとして定義されました。2001年の法律の本文には、どちらの語もありません。

登録の手続きも改められました。国家委員会の案内によれば、登録簿の新しい様式が2024年12月に定められ、すでに事業をしている会社は新しい様式で届け出を出し直すことになり、古い様式の登録簿は2025年3月14日から使われていません。

ウクルポシュタとの違い

国の法人登記簿によれば、ウクルポシュタの株式は100%が国のもので、国の側の持ち主として記されているのは、2026年7月に名前が変わった「復興・インフラ・運輸省」です。法律はウクルポシュタのような「指定事業者」にだけ、国内の50グラムまでの手紙とはがきの送達、切手の発行、郵便ポストの設置などの権利を認めています(第17条)。この点は住所の書き方の記事でも説明しています。

ノヴァ・ポシュタは指定事業者ではありません。手紙とはがきの送達は法律で国の郵便に残され、荷物と書類の宅配は民間の会社も含めて競い合う、という分かれ方です。

出典と記事の記録出典 12件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 522 млн посилок, 16,2 млрд грн податків та 4 млрд грн інвестицій — підсумки роботи групи NOVA у 2025 році в Україні2026年1月27日。荷物5億2,200万個、国際2,900万個、支店1万5,817、ロッカー3万4,186、売上・利益・税・投資
    発行:ノヴァ・ポシュタ 確認日:2026-09-26
  2. ТОВ «Нова пошта»ЄДРПОУ 31316718。設立日2001年1月19日、2016年6月13日の所在地変更、持ち主と最終受益者
    発行:Opendatabot(国の法人登記簿ЄДРの記載の写し) 確認日:2026-09-26
  3. АТ «Укрпошта»ЄДРПОУ 21560045。国の100%所有、所有者の省
    発行:Opendatabot(国の法人登記簿ЄДРの記載の写し) 確認日:2026-09-26
  4. Нова пошта відзначає 10 років роботи у Молдові2024年9月25日。2014年の開始、3か所の窓口
    発行:ノヴァ・ポシュタ 確認日:2026-09-26
  5. Nova Poshta Moldova відкриває перші два відділення в Кишиневі2020年5月20日
    発行:インターファクス・ウクライナ 確認日:2026-09-26
  6. Нова пошта відкрила 50-те відділення у Польщі2024年12月13日。2022年10月の最初の支店、50支店・31都市・16県
    発行:ノヴァ・ポシュタ 確認日:2026-09-26
  7. Nova Post opens 266 service locations in Europe since start of 20262026年8月4日。16か国・235都市・995か所、国別の新設、2026年上半期の投資、世界30位
    発行:インターファクス・ウクライナ 確認日:2026-09-26
  8. Nova Post seeks to double its network of branches in Europe in 2026 – co-owner2026年3月13日。クリモウの発言、16市場のうち5つで黒字
    発行:インターファクス・ウクライナ 確認日:2026-09-26
  9. Закон України «Про поштовий зв’язок»2022年11月3日 第2722-IX号。第1条の定義、第14条、第17条、最終規定
    発行:ウクライナ最高会議 法令データベース 確認日:2026-09-26
  10. Закон України «Про поштовий зв’язок»2001年10月4日 第2759-III号。失効した旧法の本文
    発行:ウクライナ最高会議 法令データベース 確認日:2026-09-26
  11. Єдиний державний реєстр операторів поштового зв’язку登録簿の様式の改定、2025年3月14日からの旧様式の失効
    発行:電子通信・無線周波数・郵便の国家規制委員会(НКЕК) 確認日:2026-09-26
  12. Постанова Кабінету Міністрів України від 17.07.2026 № 963省の改称
    発行:ウクライナ最高会議 法令データベース 確認日:2026-09-26

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