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人と暮らし/実用ガイド

在留期間が更新されたら銀行にも届ける。日本の銀行口座の開き方

日本で口座を開くときは、在留カードやパスポート、はんこ、社員証や学生証などを求められます。開いたあとも、在留期間を更新したら満了日までに金融機関へ届けないと、取引が止まることがあります。金融庁のウクライナ語版パンフレットなどをもとに、開設から解約までの手続きをまとめました。

オリュカのひとこと

口座は開いたら終わりではありません。在留期間を更新したとき、何を届け出るのでしょうか。

日本で給料を受け取る、家賃や電気・ガス・水道の料金を払う、児童手当などの給付を受け取る。どれも、自分の名義の預貯金口座があることが前提になっています。金融庁は、日本で長く暮らす外国人向けに、口座と送金の使い方をまとめたパンフレット『日本でくらすための銀行口座や送金のつかい方』(2024年9月改訂)をつくっており、そのウクライナ語版もあります。

以下、このパンフレットと、金融庁が金融機関向けに示している「外国人顧客対応にかかる留意事項」(2026年7月改訂)、ゆうちょ銀行の外国人向けの案内をもとに、口座を開くときに必要なもの、開いたあとに求められる届け出、日本を離れるときの手続きを説明します。内容は2026年9月時点で確認したものです。

口座を開けるかどうか、どの書類が必要かは金融機関ごとに違い、この記事では判断しません。申し込む前に、その金融機関の窓口やウェブサイトで確かめてください。

口座を開ける金融機関と、持っていくもの

金融庁のパンフレットは、口座は銀行のほか、信用金庫、信用組合、JAバンク、JFマリンバンク、労働金庫でもつくれるとしています。口座をつくるときに必要なものとして例に挙げているのは、次の三つです。必要なものは金融機関によって違う場合がある、とも書いています。

  • 在留カード、パスポート
  • はんこ(印鑑):サインでよい場合もある
  • 社員証や学生証:ない場合は、会社や学校の人と一緒に金融機関へ行く

なぜこうした確認があるのかについても、パンフレットは説明しています。金融機関は、扱う商品やサービスがマネー・ローンダリングやテロ資金の供与に使われないよう、国際社会の呼びかけや法律に従う必要があり、口座をつくるとき、またつくったあとも必要に応じて、住所や氏名、在留期間・在留資格、勤務の実態などを確認している。確認がとれないと、口座をつくれなかったり、使えなくなったりすることがある、という説明です。

ゆうちょ銀行の場合

具体的な条件の例として、ゆうちょ銀行の外国人向けのページ(2026年9月時点)を見ると、2019年7月29日から次のように扱うと書かれています。

  • 口座開設の申し込みでは、国籍・在留資格・在留期間などを確認するため、在留カードを提示する。パスポートの提示を求める場合もある。
  • 在留期間の満了日が申し込みの日から3か月以内に来る場合は、口座を開設しない。在留を続ける予定の人は、在留期間を更新した新しい在留カードを持って申し込む。
  • 入国時に決まった在留期間が3か月以下で、在留カードが交付されていない人は、口座を開設できない。
  • 在留資格が「留学」「技能実習」の人は、在留カードとともに学生証や社員証などを提示する。
  • 確認に時間がかかるため、その日のうちに口座が開けず、通帳が後日自宅に郵送される場合がある。開設を断る場合もある。

同じページは、申込書をインターネットで事前に作成でき、それが多言語に対応していること、スマートフォンのアプリでも申し込めることを案内しています。アプリの対応言語は日本語、英語、中国語(簡体字)、ベトナム語の4つで、ウクライナ語はありません。また、重要事項は日本語で説明するため、日本語での説明が理解できない場合は、日本語が十分に分かる人の同伴を求めることがあると書いています。

これはゆうちょ銀行の取り扱いで、ほかの銀行が同じ条件だとは限りません。

日本語が話せないことを理由に一律に断らない。金融庁が金融機関に求めること

金融庁は、預金を扱う金融機関に向けて「外国人顧客対応にかかる留意事項」を公表しています。2026年7月の改訂版では、窓口の対応として、たとえば次の点が挙げられています。

  • 日本語で会話できない、日本語を書けないという場合に、一律に受付不可としていないか。
  • 住所などの記載に日本語を必須とせず、ローマ字での記載を認めているか。
  • 必要とされる情報の提供を受けているのに、合理的な理由なく口座の開設や維持を断っていないか。
  • 申込書の事前記入を認めているか(自署欄などを除く)。

ただし留意事項は、すべての金融機関に一律の対応を求めるものではない、とも書いています。窓口で断られた場合に、この文書を根拠に開設を求められるという性質のものではありません。

入国から6か月までは「非居住者」の口座になることがある

同じ留意事項には、口座の区分にかかわる項目もあります。非居住者の預金を扱う金融機関は、非居住者である外国人の客に対し、日本の事務所に勤務するか、日本に入国してから6か月が経てば居住者の口座に切り替えられることを説明しているか、というものです。外国為替及び外国貿易法(外為法)の上では、日本に来て間もない外国人が非居住者として扱われる場合があり、そのあいだは居住者向けとは別の口座として扱われることがある、ということです。どの口座になるか、切り替えにどんな手続きが要るかは金融機関に確かめてください。

口座を開いたあとに届け出ること

口座は開いたら終わりではありません。金融庁のパンフレットは、次のような場合には口座をつくった金融機関に連絡するよう求めています。

  • 住所や在留期間・在留資格が変わったとき
  • 通帳やキャッシュカードをなくしたとき
  • 会社や学校をやめたとき
  • 自分の国へ帰るとき(口座を解約する)

特に在留期間については、金融庁・警察庁・出入国在留管理庁が2025年4月に連名でリーフレット「預貯金口座が悪用されないために」を出しています。在留期間が満了して連絡がとれなくなった人の口座が悪用される例が目立っているとして、在留期間を更新したこと、または更新を申請中であることを、在留期間の満了日までに金融機関に知らせるよう求めるものです。届け出をしないと、満了日の翌日以降、取引が制限される場合があるとしています。リーフレットは日本語と英語、中国語、ベトナム語、韓国語、フィリピノ語、ポルトガル語の7言語で、ウクライナ語版はありません。

ゆうちょ銀行も、在留カードを更新したときや住所を変えたときは、アプリか窓口で在留期間などの情報を更新するよう案内し、手続きがない場合は一時的に取引を制限することがあるとしています。在留資格の更新そのものの手続きは、避難した人の在留資格の手続きの記事にまとめています。

いつ何をするか根拠
口座を開くとき在留カード・パスポート、はんこ(またはサイン)、社員証・学生証などを用意する金融庁パンフレット
在留期間を更新したとき・申請中のとき在留期間の満了日までに、口座のある金融機関に知らせる金融庁・警察庁・出入国在留管理庁のリーフレット
住所が変わったとき口座のある金融機関に連絡する金融庁パンフレット
通帳・キャッシュカードをなくしたとき口座のある金融機関に連絡する金融庁パンフレット
会社や学校をやめたとき口座のある金融機関に連絡する金融庁パンフレット
日本を離れるとき口座を解約する金融庁パンフレット、ゆうちょ銀行
金融庁『日本でくらすための銀行口座や送金のつかい方』(2024年9月改訂)、リーフレット「預貯金口座が悪用されないために」(2025年4月)、ゆうちょ銀行「口座を開設される外国人のお客さまへ」から作成(2026年9月確認)。金融機関ごとに求められる手続きは違う。

オリュカのひとこと

口座を人に渡すことは違法です。どの法律で、どんな場合に当たるのか、本文で確かめましょう。

口座を人に渡すことは違法

パンフレットは表紙から、マネー・ローンダリング(犯罪にかかわるお金の持ち主を分からなくすること)は違法だと強調しています。口座を他人にあげる、自分の国へ帰ったあとに他人に使わせる、といった行為は法律違反で、口座を他人にあげるなど違法なことをすると、日本にいられなくなったり、日本に来られなくなったりすることがある、と書いています。ウクライナ語版では、自分の口座からこのお金を送ってくれたら1万円払う、と声をかけられる場面を例にしています。

日本を離れるときに口座を解約するよう求めているのも、このためです。ゆうちょ銀行も、帰国などで日本国外へ転出するときは口座を解約するよう案内しています。一方で、日本の年金の脱退一時金は日本を出たあとに請求するもので、受取口座にゆうちょ銀行と一部のインターネット専業銀行は使えません(日本の健康保険と年金の加入の記事を参照)。出国前に、何をどの口座で受け取るかを確かめておく必要があります。

送金と、困ったときの相談先

パンフレットは海外送金についても、送金できるか、どの国・地域に送れるかは銀行や資金移動業者によって違うこと、送金の目的や内容を確かめる書類を求められる場合があること、金融庁の登録などを受けていない業者は違法で使わないことを書いています。ウクライナへの送金の条件は、ウクライナへの手紙・荷物・送金の記事にまとめています。

口座や送金で困ったときは、まず勤め先や学校の人に相談するよう、パンフレットは勧めています。金融庁の相談窓口(金融サービス利用者相談室)もありますが、ウクライナ語版の表紙には、電話は日本語でしか受け付けていないため日本語の分かる人と一緒にかけてほしいと書かれています。住んでいる地域の相談窓口は、日本で暮らし始めたときの相談窓口の記事で紹介しています。

出典・参考資料

  1. 外国人の受入れ・共生に関する金融関連施策について(2026年7月31日更新。パンフレット15言語版の一覧にウクライナ語版があること、リーフレットが7言語対応であること)
    発行:金融庁 確認日:2026-09-24
  2. 日本でくらすための銀行口座や送金のつかい方 日本語版(2024年9月改訂。口座をつくれる金融機関、必要なものの例、確認の理由)
    発行:金融庁 確認日:2026-09-24
  3. Як користуватися банківськими рахунками та робити грошові перекази в Японії(同パンフレットのウクライナ語版。連絡が必要な場合、口座の譲渡の違法性、相談室の電話が日本語のみであること、1万円の勧誘の例)
    発行:金融庁 確認日:2026-09-24
  4. 預貯金口座が悪用されないために(2025年4月。在留期間の更新・申請中の届け出、満了日翌日以降の取引制限、対応言語)
    発行:金融庁・警察庁・出入国在留管理庁 確認日:2026-09-24
  5. 外国人顧客対応にかかる留意事項(2026年7月改訂。一律受付不可の禁止、ローマ字記載、合理的理由のない謝絶、入国後6か月での居住者口座への切替えの説明、一律の対応を求めるものではないこと)
    発行:金融庁監督局 確認日:2026-09-24
  6. 口座を開設される外国人のお客さまへ(2019年7月29日からの取り扱い、在留期間3か月以内・3か月以下の扱い、留学・技能実習、アプリの対応言語、同伴、情報更新、国外転出時の解約、特定在留カード)
    発行:ゆうちょ銀行 確認日:2026-09-24

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