アレルギー表示の義務は9品目に。カシューナッツが加わった日本の食品表示
日本で売られる袋や箱の食品には、原材料、アレルゲン、期限、産地の表示が義務づけられています。2026年4月にカシューナッツが加わって9品目になった義務のアレルゲン、推奨の20品目、消費期限と賞味期限の違い、外食や店で作る食品が義務の外になる範囲、原料原産地の読み方を、食品表示基準と消費者庁の資料でまとめました。
オリュカのひとこと
食品の表示は、何を教えてくれるのでしょう。最初の見出しで確かめられます。
日本のスーパーやコンビニエンスストアで売られている袋や箱の食品には、裏側に小さな字の表示があります。原材料、添加物、アレルギーの原因になる食品(アレルゲン)、消費期限や賞味期限、原料の産地。書き方は法律で決まっていて、2026年4月には、表示が義務になるアレルゲンにカシューナッツが加わり、9品目になりました。
以下は、食品表示基準(内閣府令)の条文(e-Gov法令検索)と、所管する消費者庁の案内をもとに、2026年9月に確かめた内容です。表示の読み方と、表示が義務になる範囲を説明します。ある食品を食べてよいかどうか、アレルギーのある人が何を避けるべきかは、この記事では判断しません。
表示のきまりの土台
食品の表示は、食品表示法(平成25年法律第70号)第4条にもとづいて内閣府令で定められた「食品表示基準」(平成27年内閣府令第10号)で決まっています。所管は消費者庁です。法律の条文の仕組みと、ウクライナの食品を輸入する側から見た表示の準備は、ウクライナの食品を日本に輸入する手続きの記事にまとめています。
表示が義務になる食品、ならない食品
食品表示基準の表示の義務は、事業者が食品を売るときにかかります。どの食品にも同じようにかかるわけではありません。
- 袋や箱などに入れられた加工食品:義務の中心です。第3条は、容器包装に入れられた加工食品を売るときに表示すべき事項を定めています。
- 外食:第1条は、飲食店のように設備を設けて飲食させる場合には、一部の規定を除いて基準を適用しないとしています。レストランのメニューにアレルゲンの表示の義務はありません。
- 店で作ってその場で売る食品:第5条は、食品を製造・加工した場所で売る場合には、原材料名、内容量、事業者の氏名と住所などの表示を要しないとしています。ただし、アレルゲンは、この省略できる事項の一覧に入っていません。
- 容器包装に入っていない量り売りの食品:第3条の加工食品の表示の義務は、容器包装に入れられたものについての規定です。
消費者庁は、外食や総菜などの「中食」について、事業者が自主的にアレルゲンの情報を出す取組を進めており、2026年7月に消費者向けのパンフレット「外食・中食を利用するときに気をつけること」を出しています。
裏側の表示を上から読む
第3条が容器包装に入った加工食品に求める主な表示事項は、次のとおりです。
- 名称:その内容を表す一般的な名前。
- 原材料名:使った原材料を、重量の割合の多いものから順に書きます。
- 添加物:原材料とは分けて書きます。消費者庁の表示例では、原材料と添加物の間を「/」で区切っています。
- 内容量:重さや量。
- 消費期限または賞味期限:次の節で説明します。
- 保存の方法:「直射日光を避け、常温で保存」など。
- 栄養成分の量と熱量:熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量。
- 食品関連事業者の氏名と住所:表示の内容に責任を持つ事業者。輸入品では輸入者、国内で作ったものでは製造所の所在地なども書かれます。
- 原料原産地名(国内で作った加工食品)と原産国名(輸入品)。
オリュカ
消費期限と賞味期限は、何が違うのかな。
タブリ
二つの期限の定義と例は、この見出しの下の表で見比べられるよ。
スウネ
どちらも、表示された方法で保存したときの期限だと、表の下にあるね。
消費期限と賞味期限
期限の表示は2種類です。食品表示基準第2条は、次のように定義しています。
| 定義(食品表示基準第2条第1項) | 消費者庁が挙げる例 | |
|---|---|---|
| 消費期限(第7号) | 定められた方法で保存した場合に、腐敗などの品質の劣化で安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日 | 弁当、サンドイッチ、総菜 |
| 賞味期限(第8号) | 定められた方法で保存した場合に、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。期限を過ぎても品質が保持されていることがある | 菓子、カップめん、缶詰 |
消費者庁の資料は、消費期限を「期限をすぎたら食べないほうがよい期限」、賞味期限を「おいしく食べることができる期限」と説明しています。どちらも、定義のとおり、表示された方法で保存した場合の期限です。
作ってから賞味期限までが3か月を超える食品は、日を省いて「年月」だけで書いてもよいとされています(第3条の表)。でん粉、チューインガム、冷菓、砂糖、アイスクリーム類、食塩とうま味調味料、酒類、ガラス瓶やポリエチレン容器入りの飲料水・清涼飲料水、氷は、期限の表示を省略できます(第3条第3項)。
オリュカのひとこと
表示が義務になる品目は、どう決まっているのでしょう。この見出しで確かめられます。
アレルゲン:義務は9品目、推奨は20品目
食品表示基準の別表第十四に載っている「特定原材料」は、容器包装に入った加工食品に使われていれば、表示が義務になります。これとは別に、消費者庁の通知が「特定原材料に準ずるもの」を定め、表示を推奨しています。こちらは任意です。
| 区分 | 品目 | 根拠 | 表示 |
|---|---|---|---|
| 特定原材料(9品目) | えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生 | 食品表示基準 別表第十四 | 義務 |
| 特定原材料に準ずるもの(20品目) | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン | 消費者庁次長通知「食品表示基準について」 | 推奨(任意) |
消費者庁は、特定原材料を、医師を対象におおむね3年ごとに行う全国の実態調査の症例数や重さをもとに決めていると説明しています。
オリュカ
表示が義務になる品目は、これまでどう変わってきたのかな。
タブリ
加わった順番は、この見出しの下の表でたどれるよ。
スウネ
表示されていない商品がありうる期間のことは、表のすぐ後にあるよ。
品目はどう変わってきたか
| 年月日 | 変わったこと | 典拠 |
|---|---|---|
| 2019年9月19日 | 準ずるものに、アーモンドを追加 | 消費者庁の通知(消食表第322号) |
| 2023年3月9日 | 特定原材料に、くるみを追加(2025年3月31日までは経過措置) | 令和5年内閣府令第15号 |
| 2024年3月28日 | 準ずるものに、マカダミアナッツを追加し、まつたけを削除 | 消費者庁の事務連絡 |
| 2026年4月1日 | 特定原材料に、カシューナッツを追加。準ずるものに、ピスタチオを追加 | 令和8年内閣府令第34号、消費者庁の事務連絡 |
カシューナッツの追加には経過措置があります。令和8年内閣府令第34号の附則は、2028年3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品などは、改正前の別表第十四に従ってよいとしています。消費者庁の事務連絡も、2年間の経過措置を設けたうえで、できるだけ速やかに表示するよう事業者への指導を求めています。この期間は、カシューナッツを使っていても、表示されていない商品が売られていることがありえます。
表示のしかた
消費者庁の案内によれば、アレルゲンは原則として原材料ごとに「ハム(卵・豚肉を含む)」のように書く「個別表示」で、例外として最後にまとめて「(一部に卵・豚肉・大豆を含む)」と書く「一括表示」も認められています。「玉子」「たまご」のように、特定原材料と同じものと分かる書き方(代替表記)なら、「卵を含む」の表示を省略できます。
原材料として使っていなくても、同じ工場の製造ラインで混ざる可能性(コンタミネーション)を排除できない場合、消費者庁は「本品製造工場では○○を含む製品を生産しています」のような注意喚起の表示を推奨しています。一方で、「入っているかもしれない」といった単なる可能性の表示は認められていません。
原料の産地:2022年4月からすべての加工食品に
消費者庁によれば、2017年9月1日から、国内で作られるすべての加工食品について、重量の割合がいちばん多い原材料の産地の表示が義務になりました。準備のための経過措置は2022年3月31日まででした。2022年4月以降に製造・販売される製品には、原料原産地が必ず表示されます(おにぎりなど、一部の品目には別のルールがあります)。
書き方には2種類あります。いちばん多い原材料が生鮮食品なら「国産」などの産地を、加工食品なら「国内製造」などの製造地を書きます。消費者庁は、「国内製造」は、その原材料に使われた生鮮食品が「国産」であるという意味ではない、と注意しています。輸入された加工食品には、原料原産地ではなく原産国名が書かれます。
日本語以外で読めるもの
消費者庁の英語のページは、日本の食品表示制度の説明を英語・中国語・韓国語で、飲食店などでアレルギーを伝えるための「食物アレルギーコミュニケーションシート」を英語・中国語・韓国語で公開しています(2026年9月確認)。ウクライナ語版は見当たりません。
子どもが学校に通うときにアレルギーを伝える準備は日本の学校に入る前にの記事、薬局と薬の決まりは処方箋と薬局の記事にまとめています。
どこに聞くか
- ある商品の原材料やアレルゲンについて:表示に書かれている事業者(製造者・販売者・輸入者)。
- 表示の決まりそのものについて:消費者庁(食品表示課)、または住んでいる地域の保健所など自治体の担当。
- 自分や家族が食べられるかどうか:診てもらっている医師。
出典と記事の記録
出典・参考資料
- 食品表示基準平成27年内閣府令第10号。第1条 適用範囲、第2条第1項第7号・第8号 消費期限・賞味期限の定義、第3条 表示事項と第3項の省略、第5条 表示を要しない場合、別表第十四 特定原材料、附則 令和5年内閣府令第15号・令和8年内閣府令第34号の経過措置
発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27 - 食品表示法平成25年法律第70号
発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27 - 食物アレルギー表示に関する情報2026年4月1日 カシューナッツ追加、2024年3月28日 マカダミアナッツ追加・まつたけ削除、2023年3月9日 くるみ追加、2019年9月19日 アーモンド追加、全国実態調査
発行:消費者庁 確認日:2026-09-27 - アレルギー表示について令和8年4月時点。特定原材料9品目・特定原材料に準ずるもの20品目、個別表示と一括表示、代替表記、コンタミネーション、可能性表示の禁止
発行:消費者庁 確認日:2026-09-27 - アレルゲンを含む食品に関する表示について令和8年4月1日事務連絡。カシューナッツの特定原材料への追加、2年間の経過措置、ピスタチオの追加
発行:消費者庁食品表示課 確認日:2026-09-27 - 外食・中食消費者向けパンフレット「外食・中食を利用するときに気をつけること」令和8年7月
発行:消費者庁 確認日:2026-09-27 - 期限表示(消費期限・賞味期限)2025年3月。定義、食品の例、「期限をすぎたら食べないほうがよい期限」「おいしく食べることができる期限」
発行:消費者庁 確認日:2026-09-27 - 令和4年4月1日から全ての加工食品に原料原産地が必ず表示されます!2017年9月1日の義務化、2022年3月31日までの経過措置、「国内製造」の意味
発行:消費者庁食品表示企画課 確認日:2026-09-27 - Food Labelling英語・中国語・韓国語の食品表示制度の説明、食物アレルギーコミュニケーションシート
発行:消費者庁 確認日:2026-09-27
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