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人と暮らし/解説

延長は資料で200km超から260km超。石膏の迷路、オプティミスティチナ洞窟

ウクライナ西部テルノーピリ州の地下にあるオプティミスティチナ洞窟は、石膏の割れ目に沿って通路が網の目に広がる迷路型の洞窟です。延長は1996年の論文で200km超、2013年の国の規程で240km超、2022年の事典で260km超とされ、「世界最長の石膏洞窟」という言い方にも比べ方の条件があります。数字の出どころと、近くの洞窟、保護の仕組みをまとめます。

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オリュカのひとこと

石膏の地層には、迷路のような洞窟ができるそうです。最初の見出しで確かめられます。

ウクライナ西部テルノーピリ州のコロリウカ村の近くの地下に、石膏の地層の割れ目に沿って細い通路が網の目のように広がる洞窟があります。オプティミスティチナ(Оптимістична、「楽観的な」という意味)洞窟です。ウクライナの環境の担当省が2013年に定めた規程は、この洞窟を「延長240kmを超える」洞窟とし、国の重要度の自然記念物として守っています。

この洞窟は「世界最長の石膏洞窟」と紹介されることが多いのですが、延長の数字は資料によって200km、236km、240km、260kmと違い、誰が何と比べて「最長」と言っているのかも一つではありません。洞窟のでき方、延長の数字の出どころ、近くの石膏洞窟、保護の仕組みを、2026年9月時点の資料で見ていきます。

石膏の地層にできた迷路

ウクライナの洞窟とカルスト(水に溶けやすい岩の地形)の研究者オレクサンドル・クリムチュークは、1996年に学術誌『International Journal of Speleology』に載せた論文で、ウクライナ西部の石膏の地層を説明しています。中新世のバデニアン期にできた石膏の層が、北西から南東へ約300km、幅数kmから40〜80kmの帯になって延びており、その中に大きな洞窟がいくつもできています。

論文によれば、この地域の大きな洞窟は、どれも垂直や急な角度の割れ目に沿って通路ができ、それが横に広くつながった「迷路型」の洞窟です。石膏の上には石灰岩の地下水の層と、粘土の層が重なっていて、その粘土が洞窟を土砂で埋まることや崩れることから守ってきた、とクリムチュークは書いています。

2013年の規程は、オプティミスティチナの地下の迷路が、深さ60〜75mにある厚さ20〜25mの石膏の中にあるとしています。ギネス世界記録の記録のページは、石膏の層の厚さを約20m、洞窟の網の目が広がる範囲を約2km²と書いています。

オリュカのひとこと

洞窟の長さの数字は、どう変わってきたのでしょう。この見出しで確かめられます。

延長は、どう伸びてきたのか

洞窟の延長は、洞窟を探検する人たちが通路を一つずつ測量して地図にした長さの合計です。クリムチュークの論文は、洞窟の長さのような「絶対的な大きさ」は探検が進むたびに伸びていくもので、洞窟どうしを比べるには、通路1mあたりの体積や、一定の面積の中の通路の密度のほうが多くを語ると書いています。

延長の数字の移り変わり

資料延長資料の時点
クリムチュークの論文(『International Journal of Speleology』)200km超(表では20万m以上)1996年
ウクライナ環境・天然資源省(当時)の規程240km超2013年6月10日
『現代ウクライナ百科事典』(ЕСУ)第24巻の項260km超2022年
ギネス世界記録の記録のページ(「最長の石膏洞窟」)236kmページに日付の記載なし
各資料の記載による(2026年9月27日確認)。ギネス世界記録のページは「記録は日々変わり、すぐにはオンラインに反映されない」と注記している。

2013年の規程によれば、この自然記念物を使い、管理の責任を負っているのは、リヴィウ市の市民団体「スペレオクラブ・ツィクロプ」(спелеоклуб «Циклоп»)です。規程は、新しい区域の探検と地図づくりを、自然記念物の仕事の一つに挙げています。ギネス世界記録のページは、洞窟が見つかったのを1966年としています。ウクライナ国立科学アカデミーの研究所が編む『現代ウクライナ百科事典』(ЕСУ、第24巻、2022年)も1966年とし、見つけたのはリヴィウの洞窟探検家のグループ(M.サウチン、I.カチコウシキー、I.マリャヴィナ)で、洞窟の探検を行っているのはリヴィウのスペレオクラブ「ツィクロプ」と「バチキウシチナ」だと書いています。

  1. オリュカ

    「最長」や「最大」は、何で比べた言葉なのかな。

  2. スウネ

    長さで比べるか、広さや体積で比べるかの違いが、この見出しの下にあるよ。

  3. タブリ

    延長の数字の資料ごとの違いは、ひとつ上の見出しの表に戻れば見比べられるよ。

「世界最長の石膏洞窟」は、誰が何と比べて言っているのか

「最長の石膏洞窟」を記録の名前にしているのは、ギネス世界記録です。同じページは、この洞窟をユーラシアで最大の洞窟の網の目とも書いています。ЕСУ(2022年)は、延長で石膏洞窟のなかで世界最大、自然にできた洞窟全体でも最大級の一つとしています。

クリムチュークの1996年の論文も、オプティミスティチナを「知られているなかで最も長い石膏の洞窟で、あらゆる種類の洞窟のなかでも2番目に長い」と書き、世界で最も長い石膏洞窟の上位五つがこの地域にあるとしています。ただし、これは1996年の時点での比べ方です。同じ論文は、面積と体積で最も大きいのは、オプティミスティチナではなく、オゼルナ洞窟(面積33万m²、体積66万5,000m³)とゾルシュカ洞窟(30万5,000m²、71万2,000m³)で、オプティミスティチナ(24万m²、50万m³)はその次だと書いています。「最大」という言葉は、長さで比べるか、広さや体積で比べるかで指すものが変わります。

いま世界の洞窟全体の中で何番目に長いかについては、国や公的機関がまとめた一覧は見当たりません。

同じ地域の石膏洞窟

クリムチュークの論文は、この地域で延長が1kmを超える大きな洞窟を14挙げています。そのうち11はドニステル川の北側のポジッリャの側にあり、オプティミスティチナを含む九つはドニステル川に沿った細い帯の中に並んでいます。ゾルシュカとブコヴィンカの二つは、南のブコヴィナの側、プルト川の近くにあります。

洞窟延長(1996年)地域(論文の区分)
オプティミスティチナ20万m以上ポジッリャの側
オゼルナ11万7,000mポジッリャの側
ゾルシュカ9万2,000mブコヴィナの側
ムルィンキ2万5,000mポジッリャの側
クルィシュタレヴァ2万2,000mポジッリャの側
スラウカ9,100mポジッリャの側
ヴェルテバ7,820mポジッリャの側
クリムチューク「Gypsum karst in the Western Ukraine」(International Journal of Speleology 25巻3-4号、1996年)の表から、延長の長い順に7洞窟を抜き出した。論文は洞窟名をロシア語の読みのラテン文字で書いている(Optimisticheskaja、Ozernaja など)。カナは本記事の表記。いずれも1996年の値で、その後の探検で伸びている可能性がある。

論文によれば、1996年の時点で、この地域の14の洞窟の延長を合わせると約478kmでした。世界で最も長い石膏洞窟の上位五つはこの地域にあり、その五つで、世界で知られている石膏洞窟の延長の合計の半分をはるかに超えていた、と論文は書いています。

  1. オリュカ

    この洞窟は、どんな決まりで守られてきたのかな。

  2. タブリ

    守られ始めた指令から規程までの順番は、この見出しの下にあるよ。

  3. スウネ

    保護が始まった年と国の記念物になった年を、事典が分けて書いていることも、この見出しの下にあるね。

1971年から守られてきた自然記念物

2013年6月10日のウクライナ環境・天然資源省(当時)の命令第251号が定めた規程によれば、国の重要度の地質の自然記念物「オプティミスティチナ洞窟」は、1971年8月2日のソ連ウクライナ閣僚会議の指令第611-р号で作られました。ЕСУは、保護が始まったのを1971年、国の重要度の自然記念物になったのを1992年としています。自然記念物は、国立公園や保護区と並ぶウクライナの自然保護の区域の種類の一つです(ウクライナの保護区の記事)。

同じ規程は、洞窟が2010年2月3日の大統領令第96/2010号で作られた国立自然公園「ドニステル峡谷」の範囲の中にあるとしています。記念物の中では、洞窟の通路を汚すこと、鉱物や生物の形成物を集めたり壊したりすること、入口の扉や標識を壊すことなどが禁じられ、定められた手続きのもとで、何日にもわたる調査隊のための地下の基地を、あらかじめ決めた場所に設けることが認められています。

ウクライナの動植物の保護の一覧についてはウクライナの赤本の記事、同じウクライナ西部の山の自然についてはホヴェルラの記事にまとめています。

出典と記事の記録出典 5件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. Наказ Міністерства екології та природних ресурсів України від 10.06.2013 № 251 «Про затвердження Положення про геологічну пам'ятку природи загальнодержавного значення «Печера «Оптимістична»»1971年8月2日の指令第611-р号、スペレオクラブ・ツィクロプ、国立自然公園「ドニステル峡谷」〈大統領令96/2010〉、深さ60〜75m・厚さ20〜25mの石膏、延長240km超、禁止事項と地下基地
    発行:Верховна Рада України(法令データベース) 確認日:2026-09-27
  2. Alexander Klimchouk「Gypsum karst in the Western Ukraine」International Journal of Speleology 25(3-4), 1996, p. 263-石膏の帯、迷路型の洞窟、14の大洞窟の表、オプティミスティチナは最長の石膏洞窟で全種類で2番目、面積・体積の比較、上位五つ
    発行:International Journal of Speleology 確認日:2026-09-27
  3. Longest gypsum caveOptymistychna Cave、236km、石膏の層約20m、約2km²、1966年、ユーラシアで最大の洞窟の網の目
    発行:Guinness World Records 確認日:2026-09-27
  4. Оптимістична国の重要度の地質の自然記念物、洞窟、ボルシチウ地区
    発行:Велика українська енциклопедія(国立学術機関「百科事典出版所」) 確認日:2026-09-27
  5. Оптимістичнапечера、国の重要度の地質の自然記念物〈1992年から〉、保護は1971年から、延長260km超、石膏洞窟で世界最長、1966年にリヴィウの洞窟探検家のグループが発見、探検はスペレオクラブ「Циклоп」「Батьківщина」。著者 В. П. Коржик、О. І. П’ятківський。第24巻、2022年
    発行:Енциклопедія Сучасної України(ウクライナ国立科学アカデミー百科事典研究所) 確認日:2026-09-28

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