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人と暮らし/実用ガイド

職場の健康診断は年1回、特定健診は40歳から。がん検診は住む市区町村で

日本の健診には、勤め先が行う健康診断、健康保険が40〜74歳に行う特定健診、市区町村が行うがん検診があります。パートやアルバイトが対象になる条件、費用を誰が持つか、がん検診5種類の対象年齢と間隔、2026年4月に肺がん検診から喀痰細胞診がなくなったこと、2027年4月からの職場の健診の変更をまとめました。

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オリュカのひとこと

健康診断と特定健診、がん検診は、何がどう違うのでしょう。最初の見出しで整理されています。

日本で暮らしていると、「健康診断」の案内が何種類も届くことがあります。勤め先からの健康診断、健康保険からの「特定健診」の受診券、市区町村からのがん検診のお知らせ。名前は似ていますが、根拠になる法律も、行う人も、対象になる人も違います。

以下は、労働安全衛生法、高齢者の医療の確保に関する法律、健康増進法の条文(e-Gov法令検索)と、厚生労働省・全国健康保険協会(協会けんぽ)・自治体の公表資料をもとに、2026年9月に確かめた内容です。どの健診を、いつ受ければよいか、結果をどう読むかといった判断はしません。自分が対象になるかどうかは、最後に挙げる窓口で確かめてください。

オリュカのひとこと

三つの健診は、誰が行っているのでしょう。この見出しの表で見比べられます。

三つの健診は、行う人が違う

職場の健康診断特定健診がん検診
根拠労働安全衛生法第66条、労働安全衛生規則第43条・第44条高齢者の医療の確保に関する法律第20条健康増進法第19条の2、厚生労働省の指針
行う人勤め先(事業者)加入している健康保険(保険者)。国民健康保険は市区町村住んでいる市区町村
対象「常時使用する労働者」40歳から74歳の加入者市区町村に住む人。種類ごとに年齢が決まっている
義務の強さ事業者に実施の義務。労働者にも受ける義務保険者が行うものとされている市区町村の努力義務
各法令の条文(e-Gov法令検索)、厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」、同省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(2025年12月24日一部改正)から作成(2026年9月確認)。

職場の健康診断:雇い入れるときと、1年に1回

労働安全衛生法第66条は、事業者(会社など)に、労働者に対して医師による健康診断を行うよう義務づけています。労働安全衛生規則は、雇い入れるときの健康診断(第43条)と、1年以内ごとに1回の定期健康診断(第44条)を定めています。深夜業などの特定の業務に就く人は6か月以内ごとに1回です(第45条)。

同じ第66条の第5項は、労働者も事業者が行う健康診断を受けなければならない、と定めています。ただし、会社が指定した医師以外で同じ内容の健康診断を受け、その結果を会社に出すこともできます。雇い入れの前3か月以内に受けた健康診断の結果を出せば、その項目は省略できます(規則第43条ただし書)。

パートやアルバイトも対象になる場合

対象は「常時使用する労働者」です。厚生労働省のリーフレット(2026年4月)は、これを、契約期間が1年以上(予定を含む)で、1週間の労働時間が同じ種類の仕事をする通常の労働者の4分の3以上の人、と説明しています。出入国在留管理庁が監修する『生活・就労ガイドブック』(日本語版第8版)も、正社員のほか、この二つを満たす派遣社員、契約社員、パートタイム労働者やアルバイトも対象になると書いています。条文にも、この説明にも、国籍や在留資格の条件はありません。

何を調べ、誰が払うのか

定期健康診断の項目は、規則第44条で11項目が決まっています。既往歴と業務歴の調査、自覚症状と他覚症状の検査、身長・体重・腹囲・視力・聴力、胸部エックス線検査と喀痰検査、血圧、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査です。一部の項目は、厚生労働大臣が定める基準にもとづき、医師が必要ないと認めれば省略できます。

費用について、厚生労働省は「法により、事業者に健康診断の実施が義務付けられている以上、当然に事業者が負担すべきもの」と説明しています。事業者は結果を本人に知らせなければならず(法第66条の6)、常時50人以上を使う事業者は、定期健康診断の結果を労働基準監督署に報告します(同省のリーフレット)。

2027年4月から、項目が一部変わる

2026年4月28日に公布された労働安全衛生規則などの改正(令和8年厚生労働省令第89号)により、2027年4月1日から次の点が変わります。厚生労働省の通達(2026年4月28日)によれば、腎臓の働きを調べる血清クレアチニン検査を雇い入れ時と定期の健康診断などに加え、定期の健康診断などで義務づけられていた喀痰検査をなくし、肝機能検査の酵素の名前を国際的な勧告にそろえます。血清クレアチニン検査は、40歳未満の人については医師が必要ないと認めれば省略できるとされています。

特定健診:40歳から74歳、健康保険の側が行う

高齢者の医療の確保に関する法律第20条は、保険者(健康保険の運営者)が、40歳以上の加入者に「特定健康診査」を行うと定めています。糖尿病などの生活習慣病に着目した健診で、厚生労働省は対象を40歳から74歳と案内しています。75歳以上の人が入る後期高齢者医療制度では、広域連合が健康診査などを行うよう努めるとされています(同法第125条)。

誰から案内が来るかは、入っている健康保険によります。

  • 勤め先の健康保険に入っている本人:職場の健康診断を受けた場合は、その分だけ特定健診を行ったものとされます(同法第21条)。二重に受ける仕組みではありません。
  • 勤め先の健康保険に入っている家族(被扶養者):その健康保険から案内があります。
  • 国民健康保険の人:国民健康保険は、市区町村が特定健診を行います(同法第19条)。

保険者は6年を1期とする計画にもとづいて特定健診を行い、いまは第4期(2024年度から2029年度)です。保険者によっては独自の健診を上乗せしています。たとえば協会けんぽは、加入者本人向けの「生活習慣病予防健診」の一般健診を35歳から74歳を対象とし、2026年度からは20歳・25歳・30歳の人が受けられる健診も加えたと案内しています(自己負担は健診の種類ごとに決まっています)。

がん検診:住んでいる市区町村が行う

健康増進法第19条の2と同法施行規則第4条の2は、がん検診を、市区町村が実施に努める事業の一つとしています。何を、何歳から、どのくらいの間隔で行うかは、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」が示しています。指針が挙げるのは次の5種類です。

種類指針の対象間隔検診の項目
胃がん50歳以上(エックス線検査は当分の間40歳以上でも可)2年に1回(エックス線は当分の間、年1回でも可)問診と、胃部エックス線検査か胃内視鏡検査
子宮頸がん20歳以上の女性(HPV検査単独法は30歳以上)細胞診は2年に1回、HPV検査単独法は5年に1回問診、視診、細胞診、内診など。またはHPV検査
肺がん40歳以上年1回質問と胸部エックス線検査
乳がん40歳以上の女性2年に1回問診と乳房エックス線検査(マンモグラフィ)
大腸がん40歳以上年1回問診と便潜血検査
厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(2025年12月24日一部改正、2026年4月1日から適用)から作成(2026年9月確認)。指針は、このほかに「受診を特に推奨する者」の年齢の上限(多くは69歳)も示しています。

指針は対象を「当該市町村の区域内に居住地を有する」人と書いています。国籍の条件はありません。

2024年から2026年に、指針で変わったこと

  • 2024年4月から:子宮頸がん検診に「HPV検査単独法」(30歳以上、5年に1回)が加わりました。厚生労働省の資料によれば、データベースで受診歴を長く追えるなどの要件を満たした市区町村が導入するもので、それ以外は2年に1回の細胞診のままです。
  • 2025年7月から:市区町村が、住民が職場などで受けたがん検診の受診状況をつかむよう努めることが加わりました(青森県の報告資料による)。
  • 2026年4月から:肺がん検診の項目から喀痰細胞診がなくなりました(2025年12月24日の厚生労働省の通知)。代わりに、痰が続く人には医療機関への早めの受診を指導することが加わっています。

5種類という数と、各検診の対象年齢は、この間に変わっていません。

  1. オリュカ

    がん検診の費用や申し込み方は、どこで決まるのかな。

  2. スウネ

    国の指針は目安で、市区町村ごとに違うことが、この見出しの下にあるよ。

  3. タブリ

    自分の住む所の案内の確かめ方は、この節の終わりと、記事の最後の「どこに聞くか」にあるよ。

市区町村によって違うこと

指針は国が示す目安で、実際の対象、費用、申し込み方は市区町村が決めます。2026年度の例を二つ挙げます。

  • 横浜市:指針の5種類に加えて、50歳以上の男性の前立腺がん検診を行っています。胃がん検診の自己負担は2,500円、肺がんと乳がんは680円などで、65歳以上は無料です。大腸がん検診は2026年度は無料としています。
  • 大阪市:大阪市に住民票のある人が対象です。その年度に加入している保険や勤務先で同じ検診を受けられる人は対象外としています。肺がん検診では、50歳以上で喫煙指数が600以上の人には、2026年度も喀痰検査を行うとしています。30歳代の女性向けの乳房超音波検査もあります。

このように、国の指針から外れた項目でも、市区町村が独自に続けたり加えたりしている場合があります。自分の住む市区町村の対象と費用は、市区町村のウェブサイトや広報で確かめてください。

ウクライナ語で読めるもの

出入国在留管理庁の『生活・就労ガイドブック』のウクライナ語版(第7版)は、第12章「3 Офісна робота та фізична праця」の「(2) Медичні огляди тощо」で、職場の健康診断の対象になる人(期間の定めのない契約か1年以上の契約で、週の労働時間が通常の労働者の4分の3以上の人)を説明しています。日本語版は第8版に改訂されていて、ストレスチェックの説明など、ウクライナ語版の内容と違う所があります。特定健診とがん検診は、このガイドブックでは扱われていません。

どこに聞くか

  • 職場の健康診断:まず勤め先の担当者に。決まりそのものについては、都道府県労働局や労働基準監督署が相談を受けています。
  • 特定健診:保険証や資格確認書などに書かれている、加入している健康保険の保険者に。国民健康保険は市区町村の窓口です。
  • がん検診:住んでいる市区町村の健康づくりの担当(保健センターなど)に。

健康保険への加入のしかたは健康保険と年金の記事、病院に行く前の準備は日本の病院に行く前にの記事、医療費が高くなったときの仕組みは高額療養費の記事にまとめています。

出典と記事の記録出典 17件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 労働安全衛生法第66条・第66条の4〜第66条の7
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  2. 労働安全衛生規則第43条 雇入時の健康診断、第44条 定期健康診断、第45条 特定業務従事者
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  3. 労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう2026年4月。常時使用する労働者の定義、項目、50人以上の報告、令和9年4月1日適用の変更
    発行:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 確認日:2026-09-27
  4. 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行等について令和8年4月28日 基発0428第9号。令和8年厚生労働省令第89号、血清クレアチニン検査の追加、喀痰検査の削除、酵素名の変更、令和9年4月1日施行、40歳未満の省略基準
    発行:厚生労働省労働基準局長 確認日:2026-09-27
  5. 健康診断の費用は労働者と使用者のどちらが負担するものなのでしょうか?よくある質問
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  6. 高齢者の医療の確保に関する法律第19条〜第21条 特定健康診査、第125条 高齢者保健事業
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  7. 特定健診・特定保健指導について対象40歳〜74歳、第4期2024〜2029年度
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  8. 健診について(被保険者)生活習慣病予防健診の対象35〜74歳、令和8年度からの追加、自己負担
    発行:全国健康保険協会(協会けんぽ) 確認日:2026-09-27
  9. 健康増進法(第19条の2)・健康増進法施行規則第4条の2第6号 がん検診
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  10. がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針令和7年12月24日一部改正までを反映。第3 がん検診の対象者・実施回数・検診項目。第47回がん検診のあり方に関する検討会 参考資料5、2026年7月16日
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  11. がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針の一部改正について健生発1224第4号、令和7年12月24日。令和8年4月1日から適用
    発行:厚生労働省健康・生活衛生局長 確認日:2026-09-27
  12. HPV検査単独法による子宮頸がん検診の導入令和6年4月1日から適用、導入の要件。第90回がん対策推進協議会 参考資料8、2024年8月5日
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  13. がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針の改正について2025年12月15日。令和7年7月1日の職域等がん検診情報の把握、喀痰細胞診の削除の方針
    発行:青森県がん・生活習慣病対策課 確認日:2026-09-27
  14. がん検診の内容令和8年度の種類・対象・費用、65歳以上無料
    発行:横浜市(横浜市がん検診サイト) 確認日:2026-09-27
  15. 令和8年度がん検診のご案内2026年3月1日。受診対象・対象外、喀痰検査、乳房超音波
    発行:大阪市大正区 確認日:2026-09-27
  16. 生活・就労ガイドブック 日本語版 第8版第12章 3-1(2)健康診断など
    発行:出入国在留管理庁 監修 確認日:2026-09-27
  17. 生活・就労ガイドブック ウクライナ語版 第7版第12章 3(2)Медичні огляди тощо
    発行:出入国在留管理庁 監修 確認日:2026-09-27

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