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人と暮らし/実用ガイド

引っ越したら14日以内。日本の住民登録で出てくる言葉

日本では、市区町村に住所を定めたら14日以内に転入届を出します。中長期在留者は在留カードを持って転入届を出せば、入管法の住居地の届出も同時に済みます。住民票、住民票の写し、転出証明書、マイナンバー、転入予約など、窓口で出てくる言葉を手続きの場面に沿って説明します。

日本の市区町村の窓口や案内には、住民票、転入届、住居地、在留カードといった言葉が次々に出てきます。似た言葉が多く、どれが何を指すのかが分かりにくいところです。以下、日本に着いたときと引っ越しのときに出てくる順に並べました。期限や手続きの説明は、法令の条文と、総務省・出入国在留管理庁・デジタル庁の公式ページの2026年9月23日時点の記載にもとづいています。

自分が届出の対象になるか、どの在留資格でどう扱われるかは、この記事では判断しません。住んでいる市区町村の窓口か、出入国在留管理庁の窓口で確かめてください。

住民基本台帳と住民票

住民基本台帳は、市区町村が住民の記録をまとめた台帳です。その一人ひとりの記録が住民票です。総務省によれば、2012年7月9日から外国人住民もこの制度の対象になり、住んでいる市区町村で住民票が作られるようになりました。

総務省が対象として挙げているのは、市区町村に住所がある人のうち、次の人たちです。

  • 中長期在留者(在留カードが交付される人。総務省は「『短期滞在』の在留資格や『3月』以下の在留期間を有する方などは含まれません」と書いています)
  • 特別永住者
  • 一時庇護許可者または仮滞在許可者
  • 出生または日本国籍の喪失による経過滞在者

外国人住民の住民票には、氏名、生年月日、住所などに加えて、国籍・地域、在留資格、在留期間、在留期間の満了の日、在留カードの番号なども記載されます(総務省)。国民健康保険や国民年金の資格に関する事項も記載事項です。総務省は、転入届などによって国民健康保険など各種の行政サービスの届出がまとめられ、手続きが簡素化された、と説明しています。病院にかかるときの保険の話は、日本の病院に行く前の準備の記事にまとめました。

「住所」と「住居地」

住民基本台帳法は住所という言葉を使い、出入国管理及び難民認定法(入管法)は住居地という言葉を使います。中長期在留者は入管法にもとづき、住居地を出入国在留管理庁長官に届け出る必要があります。その届出の窓口は、住んでいる市区町村です。

入管法第19条の7第3項は、在留カードを提出して住民基本台帳法の届出をしたときは、それを入管法の住居地の届出とみなす、と定めています。出入国在留管理庁の手続案内も、在留カード(後日交付の人はその旨の記載があるパスポート)を市区町村の窓口に示して転入の届出をすれば住居地の届出をしたものとみなされ、住居地届出書の提出は不要だ、と書いています。在留カードを持って市区町村の窓口で転入届を出せば、住民登録と住居地の届出が一度に済むということです。窓口では在留カードに住居地が記載されて返されます(同条第2項)。

転入届、転居届、転出届

引っ越しの届出は、どこからどこへ移るかで名前が変わります。期限は法律に書かれています。

届出どんな場面か期限(条文の言葉)根拠
転入届別の市区町村から、または国外から引っ越してきた転入をした日から十四日以内住民基本台帳法第22条。国外から来た中長期在留者等は第30条の46
転居届同じ市区町村の中で引っ越した転居をした日から十四日以内住民基本台帳法第23条
転出届別の市区町村や国外へ引っ越すあらかじめ住民基本台帳法第24条
住居地の届出中長期在留者が、日本に来て住む場所を定めた住居地を定めた日から十四日以内入管法第19条の7。在留カードを出して転入届をすれば、届出をしたものとみなされる
住居地の変更届出中長期在留者が引っ越した新住居地に移転した日から十四日以内入管法第19条の9。在留カードを出して転入届・転居届をすれば、届出をしたものとみなされる
e-Gov法令検索の住民基本台帳法・出入国管理及び難民認定法、出入国在留管理庁の手続案内ページ(2026年9月23日確認)から作成。

総務省は、別の市区町村へ引っ越すときの手順を次のように説明しています。今の市区町村で転出届を出すと「転出証明書」が交付される。新しい市区町村では、住所を定めてから14日以内に、この転出証明書を持って転入届を出す。日本を出て海外で暮らす場合も、原則として住んでいる市区町村で転出届が必要です。

日数の数え方や、どの日が「引っ越した日」に当たるかで迷ったら、自分で決めずに窓口で聞いてください。

日本に着いたとき:在留カードとパスポート

『生活・就労ガイドブック』(出入国在留管理庁監修、日本語版第8版)によれば、新たに上陸許可を受けて成田、羽田、中部、関西、新千歳、神戸、広島、福岡の各空港から入国した人には、空港で在留カードが交付されます。それ以外の空港や港から入国した人は、市区町村で住居地の届出(転入届)をしたあと、在留カードが郵便で届きます。

転入届のときに持っていくのは、在留カード(後日交付の人はパスポート)です。総務省は、家族と一緒に暮らす人について、世帯主との続柄を証明する文書(本国の政府などの公的機関が発行した出生証明書、婚姻証明書などの原本)と、その日本語の翻訳文が必要だと案内しています。家族で来た人は、こうした書類が手元にあるかを先に確かめておくと、窓口での手戻りが減ります。

出入国在留管理庁の案内では、届出は本人が行い(16歳未満を除く)、16歳未満の場合や病気などで本人が出向けない場合は、同居する16歳以上の親族などが代理で届け出られます。手数料はかかりません。

届出をしないと、どうなると書かれているか

法律には、届出をしなかったときの定めもあります。ここでは条文にある内容だけを紹介します。自分の事情が「正当な理由」に当たるかどうかは、この記事では判断しません。

  • 住民基本台帳法第52条第2項:正当な理由がなくて転入届などの届出をしない者は、五万円以下の過料。
  • 入管法第71条の5:住居地や新しい住居地を届け出なかった者は、二十万円以下の罰金。
  • 入管法第22条の4第1項第8号・第9号:中長期在留者が、上陸許可などを受けた日、または届け出た住居地から退去した日から九十日以内に住居地を届け出ないこと(正当な理由がある場合を除く)は、在留資格の取消しの事由の一つとして挙げられている。

期限を過ぎてしまった、事情があって届けられなかった、という場合は、そのままにせず、市区町村か出入国在留管理庁の窓口に相談してください。

住民票の写しと住民票記載事項証明書

住民票そのものは市区町村が持っている記録です。手続きで「住民票を出してください」と言われたときに渡すのは、その住民票の写しです。住民基本台帳法第12条は、本人または同じ世帯の人の住民票の写しと、住民票に記載した事項の一部を証明する住民票記載事項証明書を請求できると定めています。『生活・就労ガイドブック』によれば、住民票の写しの交付は有料です。提出先から「どの項目を載せたものが必要か」(世帯全員か、本人だけか、など)を指定されることがあるので、請求する前に確かめておくと安心です。

同ガイドブックと総務省の案内資料は、在留期間の更新などをしないまま在留期限が過ぎたときなど、在留資格がなくなった場合には住民票がなくなる、と注意しています。

マイナンバーとマイナンバーカード

住民票が作られると、市区町村から12桁の個人番号(マイナンバー)が知らされます。総務省によれば、2020年5月25日からは「個人番号通知書」で通知されています。住民票のある外国人住民はマイナンバーカードを申請できます。

総務省は、外国人住民のマイナンバーカードの有効期間は、原則として在留期間の満了日までだと説明しています(高度専門職第2号、永住者、特別永住者を除く)。総務省の案内資料は、入管で新しい在留カードを受け取ってもマイナンバーカードの有効期限は自動的には延びず、市区町村で延ばす手続きが必要だ、と注意しています。

窓口予約と「転入予約」

窓口の混雑を避けるための予約の仕組みは、市区町村ごとに違います。予約できるか、どうやって予約するかは、住んでいる市区町村の公式サイトで確かめてください。

国の仕組みとしては、デジタル庁の「引越し手続オンラインサービス」があります。2023年2月6日から、全ての市区町村で、マイナポータルを通じてオンラインで転出届を出し、引っ越し先の市区町村に来庁予定の連絡(転入予約)ができるようになりました。デジタル庁のよくある質問は、日本国籍を持たない人について「外国籍の方でも、マイナンバーカードをお持ちの方は利用することができます」と答えています。

ただし、これで手続きが全部済むわけではありません。転入の手続きでは、引っ越し先の市区町村の窓口に行き、マイナンバーカードを示す必要があります。国外への引っ越しは対象外で、署名用電子証明書が有効でない場合なども使えません。

ことばで困ったら

総務省は、外国人住民の住民基本台帳制度について多言語通訳のコールセンター(050-1720-0849、8時30分〜17時30分、土日祝日と年末年始を除く、開設期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで)を置いています。対応言語は12言語ですが、2026年9月23日時点の一覧にウクライナ語とロシア語は入っていません。個別の住民票の記載については、住んでいる市区町村の連絡先を案内する、とされています。

『生活・就労ガイドブック』の多言語版(第7版)にはウクライナ語版があり、市区町村の手続きの章も読めます。ただし日本語版は第8版で、多言語版とは版が違います。窓口への行き方や、ウクライナ語で相談できる窓口は、日本で暮らし始めたときの相談窓口にまとめています。

言葉意味
住民基本台帳市区町村が住民の記録をまとめた台帳
住民票住民基本台帳の一人ひとりの記録
住民票の写し住民票の内容を写した証明書。手続きの提出用
住民票記載事項証明書住民票に記載した事項の一部を証明する書類
転入届市区町村の外(国外を含む)から引っ越してきたときの届出
転居届同じ市区町村の中で引っ越したときの届出
転出届市区町村の外へ引っ越す前の届出
転出証明書転出届のあとに交付され、転入届に持っていく書類
住居地入管法の言葉。中長期在留者が住む場所
世帯主・続柄世帯の代表者と、その人との関係(配偶者、子など)
個人番号通知書マイナンバーを知らせる書類
来庁予定の連絡(転入予約)マイナポータルから引っ越し先の市区町村に来庁予定を知らせる仕組み
住民基本台帳法、入管法、総務省・デジタル庁の説明(2026年9月23日確認)をもとに、この記事での意味をまとめたもの。法令上の定義そのものではない。

最後に一つだけ。在留資格や、届出が期限に間に合わなかった場合の扱いは、人によって違います。この記事の言葉の説明は、窓口で話を聞くときの下準備として使ってください。決めるのは、あなたの書類を実際に見た窓口の担当者です。

出典・参考資料

  1. 住民基本台帳法(第12条、第22条、第23条、第24条、第30条の45、第30条の46、第30条の47、第52条の条文)
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-23
  2. 出入国管理及び難民認定法(第19条の7、第19条の8、第19条の9、第22条の4第1項第8号・第9号、第71条の5の条文)
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-23
  3. 外国人住民に係る住民基本台帳制度(2012年7月9日施行、対象者、個人番号通知書、マイナンバーカードの有効期間、転入届と行政サービスの届出の一本化、総務省コールセンターの番号・受付時間・開設期間・対応12言語)
    発行:総務省 確認日:2026-09-23
  4. 転入・転出(14日以内の転入届、続柄を証明する文書の原本と日本語翻訳文、転出証明書、海外への転出)
    発行:総務省 確認日:2026-09-23
  5. 住民票(外国人住民の住民票の記載事項、住民票の写しの交付請求)
    発行:総務省 確認日:2026-09-23
  6. 外国人住民の方へ(住民票とマイナンバーカードの手続の留意点。在留資格を失った場合に住民票がなくなること、マイナンバーカードの有効期限は新しい在留カードで自動的に延びないこと)
    発行:総務省 確認日:2026-09-23
  7. 新規上陸後の住居地の届出(中長期在留者)(届出期間、みなし規定、届出者・代理人、手数料なし)
    発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-23
  8. 住居地の変更届出(中長期在留者)(届出期間、みなし規定)
    発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-23
  9. 在留資格変更等に伴う住居地の届出(中長期在留者)
    発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-23
  10. 生活・就労ガイドブック 日本語版 第8版(在留カードが空港で交付される8空港、転入届に持参するもの、住民票の写しは有料、在留資格がなくなった場合に住民票がなくなること)
    発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-23
  11. 外国人生活支援ポータルサイト(生活・就労ガイドブック多言語版第7版の公開、市区町村の手続の章のウクライナ語PDF)
    発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-23
  12. 引越し手続オンラインサービス(2023年2月6日から全市区町村で転出届・来庁予定の連絡が可能、利用できる人、転入先窓口でのマイナンバーカード提示)
    発行:デジタル庁 確認日:2026-09-23
  13. FAQ マイナポータルを通じたオンラインによる転出届・来庁予定の連絡(転入予約)について(Q6 国外転出は対象外、Q7 外国籍でもマイナンバーカードがあれば利用可)
    発行:デジタル庁 確認日:2026-09-23
  14. 本サービスを利用できない主なケース一覧(PDF)
    発行:デジタル庁 確認日:2026-09-23

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