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中学校のあと5年学ぶ高専。全国58校で5万6千人

日本の高等専門学校(高専)は、中学校を卒業した人が入り、5年間(商船は5年6か月)学ぶ学校です。2026年5月現在58校、5万6,249人。入学資格、1962年からの歩み、準学士・専攻科・大学への編入、留学生の3年次編入、1〜3年生だけが対象の就学支援金をまとめました(2026年9月時点)。

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オリュカのひとこと

高専は、高校や大学とどう違う学校なのでしょう。最初の見出しで確かめられます。

日本には、中学校を卒業した人が入り、5年間かけて技術者を育てる「高等専門学校」(高専)があります。高校と同じく中学校のあとに入る学校ですが、文部科学省は「5年一貫の高等教育機関」と説明しており、学校教育法も、学ぶ人を高校の「生徒」ではなく「学生」と呼んでいます(第120条)。文部科学省の学校基本調査の速報によれば、2026年5月1日現在、全国に58校あり、5万6,249人が学んでいます。

以下は、学校教育法と同法施行規則、高等学校等就学支援金の法令(e-Gov法令検索)、文部科学省、国立高等専門学校機構(国立高専機構)、大学改革支援・学位授与機構の公表資料を、2026年9月に確かめた内容です。特定の学校を比べたり勧めたりはしません。入学できるか、どの支援を受けられるかは、それぞれの学校と、学校のある都道府県などが判断します。

高校とも大学とも違う学校

学校教育法第115条は、高専の目的を「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成すること」と定めています。修業年限は5年で、商船に関する学科だけは5年6か月です(第117条)。

入学できるのは、高校と同じく、中学校を卒業した人と、それと同等以上の学力があると認められた人です(第118条)。同法施行規則第179条は、高校の入学資格を定めた第95条を高専にも当てはめており、「外国において、学校教育における九年の課程を修了した者」も含まれます。ウクライナの9年の課程との関係は、外国から来た生徒の高校入試の記事で扱っています。

高校(全日制)高専
学校教育法の位置づけ第1条の学校(第6章)第1条の学校(第10章)
入るとき中学校卒業など(第57条)中学校卒業など(第118条で高校と同じ)
修業年限3年(第56条)5年。商船は5年6か月(第117条)
学ぶ人の呼び名生徒学生
卒業で名乗れるもの高等学校卒業準学士(第121条)
就学支援金対象1〜3年生だけ対象
学校教育法、高等学校等就学支援金の支給に関する法律第2条(e-Gov法令検索)から作成(2026年9月確認)。

国立高専機構によれば、授業は一般科目と専門科目を5年間にわたって組み合わせ、一般科目は卒業に必要な単位のおよそ49%で、その80%を1年から3年までに学びます。文部科学省は、機械工学科、電気工学科、情報工学科、物質工学科、建築学科などの工業系の学科が中心で、一部の学校に船員を養成する商船学科があると説明しています。

オリュカのひとこと

高専は、どのように広がってきたのでしょう。この年表で確かめられます。

1962年の12校から:高専の年表

年度出来事典拠
1961年学校教育法の改正で、工業に関する高等専門学校の制度ができる。1962年4月1日より前には設置できないとされた昭和36年法律第144号(衆議院の制定法律本文)
1962年最初の国立工業高等専門学校12校(函館、旭川、平、群馬、長岡、沼津、鈴鹿、明石、宇部、高松、新居浜、佐世保)を設置国立高専機構の沿革
1967年商船に関する学科を制度化し、国立商船高専5校を設置同上
1976年高専の卒業生の進学先として、長岡技術科学大学と豊橋技術科学大学が開学同上
1991年卒業生に「準学士」の称号。工業・商船以外の学科も置けるようになり、専攻科の制度ができる同上
2004年国立高専機構が発足同上
2026年高等学校等就学支援金の法改正(4月施行)。支給の対象が国籍・在留資格で決まるようになる令和8年法律第8号
衆議院「制定法律情報」の昭和36年法律第144号、国立高等専門学校機構「国立高専機構の沿革」、e-Gov法令検索から作成(2026年9月確認)。年度は機構の表記による。

何校に、何人が学んでいるか

2026年度の学校基本調査の速報(2026年5月1日現在)では、高専は58校で、国立51校、公立3校、私立4校です。前の年度から校数は変わっていません。学生は5万6,249人で、前年度より28人少なく、そのうち女子は1万3,783人(24.5%)でした。この学生数には、本科のほか専攻科などの学生も含まれます。国立の学生が5万743人で、全体の約9割を占めます。

文部科学省が学校基本調査をもとにまとめた卒業後の進路は次のとおりです。

卒業した年度卒業者就職者(割合)進学者(割合)
2020年度9,710人5,586人(57.5%)3,725人(39.2%)
2021年度9,943人5,567人(56.0%)4,039人(40.6%)
2022年度9,859人5,551人(56.3%)3,983人(40.4%)
2023年度9,883人5,682人(57.5%)3,908人(39.5%)
2024年度9,755人5,681人(58.2%)3,778人(38.7%)
文部科学省「高等専門学校(高専)について」の表(学校基本調査報告書による)から作成(2026年9月確認)。

卒業したら:準学士、専攻科、大学への編入

  • 称号:高専を卒業した人は「準学士」と名乗れます(学校教育法第121条)
  • 大学への編入:大学に編入学できます(第122条)。施行規則第178条により、編入した大学の修業年限から2年以下の期間を差し引いた年数を在学するため、4年制の大学なら3年次に入る形が基本です。受け入れるかどうかと試験は、大学が決めます
  • 専攻科:高専に置くことのできる課程で、卒業後にさらに学びます(第119条)
  1. オリュカ

    専攻科は、何年学ぶ課程なのかな。

  2. スウネ

    法律の書き方と、文部科学省や機構の説明の違いが、この見出しの下に並んでいるよ。

  3. タブリ

    学士の学位を受けるまでの道筋は、この見出しの下の二つ目の段落にあるよ。

専攻科は「1年以上」か「2年」か

学校教育法第119条第2項は、専攻科の修業年限を「一年以上」と定めています。一方、文部科学省と国立高専機構は、専攻科を「2年間」の課程として説明しています。機構によれば、専攻科は1992年に初めて設置されました。

専攻科を修了しても、それだけで大学卒業の学位(学士)が出るわけではありません。大学改革支援・学位授与機構が、大学教育に相当する水準の教育を行っていると認定した専攻科(認定専攻科)で単位を修め、機構の審査(試験を含む)に合格した人に、学士の学位が授与されます(学位規則第6条第1項にもとづく制度)。申請の受付は毎年4月と10月です。

留学生は3年生から入ることが多い

国立高専機構によれば、全国51の国立高専が受け入れている留学生の多くは、日本政府(文部科学省)の奨学金を受ける国費留学生と、外国政府から派遣された留学生です。

  • 国費留学生:来日後、日本学生支援機構(JASSO)の東京日本語教育センターで1年間の予備教育を受け、高専の3年次に編入学する
  • 政府派遣留学生:それぞれの国で予備教育を受けてから来日し、3年次に編入学する(2026年9月時点の機構のページではマレーシアとモンゴル)
  • タイ政府奨学金留学生:2018年度から1年次に、2021年度からタイの高専の学生を3年次に受け入れている

日本留学試験(EJU)の成績で予約できる文部科学省の学習奨励費は、高専では3年生以上が対象です(EJUの記事)。個人で留学生として入学できるか、どの試験を受けるかは、学校ごとに違います。

授業料と就学支援金:対象は1〜3年生

高校の授業料にあてる「高等学校等就学支援金」は、高専では1年生から3年生までが対象です(高等学校等就学支援金の支給に関する法律第2条第4号)。同法施行令第2条によれば、1か月の支給の上限は、国立と公立の高専が1万9,550円、私立の高専が3万8,100円です。

この制度は、2026年4月1日に施行された改正法(令和8年法律第8号)で、所得の制限がなくなる一方、支給の対象が日本国籍、特別永住者、永住者など、国籍と在留資格で決まるようになりました(改正後の第3条第1項)。対象になる在留資格の一覧と、対象外になった生徒への国の支援は、通信制高校の記事の就学支援金の節にまとめています。申請は、在学する学校の設置者を通じて行います(第4条)。

4年生と5年生、文部科学省令で定める専攻科の学生は、就学支援金ではなく、大学や専門学校と同じ「大学等における修学の支援に関する法律」による授業料などの減免の対象です(同法第2条第2項)。この制度にも国籍と在留資格の要件があり(同法施行規則第9条第2項)、学校の長が認めるかどうかを判断する項目も含まれています。

  1. オリュカ

    入学を考えるとき、どこに何を確かめればいいのかな。

  2. タブリ

    確かめることと聞く先が、この見出しの下に組にして並んでいるよ。

  3. ヨリクネ

    大学に入るための試験や専門学校のことは、この節の終わりのリンク先へ寄り道できるよ。

入学を考えるときに確かめること

  • 入学資格:ウクライナなど外国の学校で9年の課程を終えたことを、どの書類で示すか(志望する学校)
  • 入試:試験の科目、日本語での受験への配慮があるか、募集の時期(志望する学校)
  • 費用:授業料、寮の費用、就学支援金や修学支援の対象になるか(学校と、学校のある都道府県)
  • 卒業後:専攻科があるか、編入学の実績(学校の公表資料)

大学に入るための日本留学試験はEJUの記事、通信制の高校は通信制高校の記事、職業の実務を学ぶ専修学校は専門学校の記事で扱っています。どの学校が合うかは、この記事では判断していません。

出典と記事の記録出典 13件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 学校教育法第1条、第115条 目的、第117条 修業年限、第118条 入学資格、第119条 専攻科、第121条 準学士、第122条 大学への編入学。現行版は令和8年法律第37号による改正、2026年6月17日施行
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  2. 学校教育法施行規則第95条 高校入学資格〔外国の9年の課程〕、第178条 大学への編入学、第179条 準用
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  3. 学校教育法の一部を改正する法律昭和36年法律第144号。高等専門学校の制度、附則第2条
    発行:衆議院 制定法律情報 確認日:2026-09-27
  4. 国立高専機構の沿革1962年の12校、1967年の商船、1976年の技術科学大学、1991年の準学士・専攻科、2004年の機構発足
    発行:国立高等専門学校機構 確認日:2026-09-27
  5. 外国人留学生の受入れ国費留学生・政府派遣留学生の3年次編入学、タイ政府奨学金留学生
    発行:国立高等専門学校機構 確認日:2026-09-27
  6. 専攻科2年間、1992年に初めて設置、学士の学位
    発行:国立高等専門学校機構 確認日:2026-09-27
  7. 高等専門学校で学ぶ一般科目と専門科目一般科目は卒業に必要な単位のおよそ49%
    発行:国立高等専門学校機構 確認日:2026-09-27
  8. 高等専門学校(高専)について学科、専攻科〔2年間〕、卒業者の就職・進学の割合〔2020〜2024年度〕、設置者別の学校数〔2025年度〕
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  9. 令和8年度学校基本統計(学校基本調査の結果)速報値表2 高等教育機関の学校数、在学者数、教員数。高専58校〔国立51・公立3・私立4〕、在学者56,249人〔女子13,783人、24.5%。国立50,743人〕、2026年5月1日現在
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  10. 単位積み上げ型の学士の学位授与制度認定専攻科、学位規則第6条第1項、申請は4月と10月
    発行:大学改革支援・学位授与機構 確認日:2026-09-27
  11. 高等学校等就学支援金の支給に関する法律第2条第4号 高等専門学校〔第一学年から第三学年までに限る〕、第3条第1項、第4条。令和8年法律第8号による改正、2026年4月1日施行
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  12. 高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行令第2条 支給限度額〔国立・公立の高専 月19,550円、私立 月38,100円〕。令和8年政令第88号による改正、2026年4月1日施行
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  13. 大学等における修学の支援に関する法律(第2条第2項 高専の第4学年・第5学年と専攻科)、同法施行規則第9条第2項 国籍・在留資格
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27

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