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在籍31万人の通信制高校。レポートとスクーリングで74単位

日本の通信制高校では、自宅などでレポートに取り組み、決められた日に登校するスクーリングと試験で単位を積み上げます。卒業には74単位以上と3年以上が必要です。2026年5月現在の在籍者は31万人を超えました。学習の方法、サテライト施設、2022〜2023年の規程の改正、2026年度に変わった就学支援金をまとめました(2026年9月時点)。

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オリュカのひとこと

通信制の高校は、どんな仕組みで学ぶのでしょう。最初の見出しで確かめられます。

日本の高校には、毎日教室で授業を受ける全日制と定時制のほかに、「通信制の課程」があります(学校教育法第54条)。自宅などで教材を使って学び、レポートを出し、決められた日に登校して指導を受け、試験を受けて単位を積み上げる仕組みです。文部科学省の学校基本調査の速報によれば、2026年5月1日現在、通信制で学ぶ生徒は31万1,792人で、過去最多になりました。

以下は、学校教育法と同法施行規則、高等学校通信教育規程(昭和37年文部省令第32号)の条文、文部科学省の通信制高校の案内と調査、高等学校等就学支援金の資料を、2026年9月に確認した内容です。どの学校に入れるか、どの支援を受けられるかは、それぞれの学校と、学校を所管する都道府県などが判断します。

レポート、スクーリング、試験で学ぶ

高等学校通信教育規程第2条は、通信制の課程の教育を「添削指導、面接指導及び試験の方法により行う」と定めています。文部科学省の通信制高校の案内サイトは、これを次のように説明しています。

  • レポート(添削指導):決められた回数のレポートに取り組んで先生に出し、コメントを受け取る
  • スクーリング(面接指導):学校に登校し、先生や他の生徒と一緒に対面で学ぶ。オンラインではない
  • 試験:レポートとスクーリングで学んだことについて受ける
  • 多様なメディアを利用した指導:テレビやインターネットの動画などを見て報告課題を出すと、スクーリングの時間数の10分の6以内が免除される(特に必要があれば、複数のメディアで10分の8以内)

1単位を得るのに必要なレポートの回数とスクーリングの時間数は、学習指導要領が標準を定めています。学校によって回数が違うこともある、と文部科学省は書いています。

教科・科目レポート(1単位あたりの回数)スクーリング(1単位あたりの単位時間)
国語、地理歴史、公民、数学31
理科34
保健体育のうち「体育」15
保健体育のうち「保健」31
芸術、外国語34
家庭、情報、専門教科・科目各教科・科目の必要に応じて2〜3各教科・科目の必要に応じて2〜8
文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」の「通信制高校とは?」(学習指導要領が定める標準。2026年9月確認)から作成。

毎日登校する必要はなく、スクーリングと試験の日以外は自宅などでの学習が中心です。文部科学省の「よくある質問」は、学習時間を調整しやすいため、アルバイトや仕事と両立しやすいとしています。

卒業に必要なのは、74単位以上と3年以上

卒業の条件は、全日制・定時制と同じ部分と、違う部分があります。

  • 単位数:校長は74単位以上を修得した生徒について、高校の全課程の修了を認める(学校教育法施行規則第96条)。全日制・定時制と同じ
  • 年数:高校の修業年限は、全日制が3年、定時制と通信制は「3年以上」(学校教育法第56条)
  • 特別活動:ホームルーム活動を含め、卒業までに30単位時間以上の指導を受ける(文部科学省の案内)

通信制高校を卒業すると、最終学歴は全日制・定時制と同じ「高等学校卒業」になる、と文部科学省は説明しています。規程第12条により、校長が認めれば、定時制の課程やほかの通信制の課程で修得した単位を、卒業に必要な単位に加えることもできます。

オリュカのひとこと

通信制の高校にも、いくつか種類があるようです。この見出しで見比べられます。

広域と狭域、公立と私立

通信制高校は、生徒を受け入れる区域(都道府県)を決めています。文部科学省の案内によれば、その区域が本校のある都道府県を含めて3つ以上の都道府県にまたがる学校を「広域通信制高校」と呼びます。広域の課程の認可について、学校教育法第54条第3項は、認可する都道府県の教育委員会や知事が、あらかじめ文部科学大臣に届け出るよう定めています。そうでない学校を、文部科学省の学校検索と実態調査は「狭域」と区分しています。

設置者広域狭域計
公立2校79校81校
私立(学校法人)116校111校227校
株式会社立15校0校15校
計133校(41.2%)190校(58.8%)323校
文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について(概要)」(2025年5月1日現在。2026年4月公表)から作成。学校基本調査とは数え方が異なる。

株式会社立の学校は、構造改革特別区域法第12条の特例により、自治体が内閣総理大臣の認定を受けた区域で株式会社が設置している学校です。同じ調査では、私立は広域が51.1%、株式会社立は15校すべてが広域でした。

  1. オリュカ

    サテライト施設では、どんなことができるのかな。

  2. スウネ

    施設の区分ごとにできることが、この見出しの下の表に並んでいるよ。

  3. タブリ

    費用をどこで確かめられるかも、表の後の段落にあるよ。

本校と、サテライト施設

通信制高校には、本校のほかに「通信教育連携協力施設」(文部科学省の案内では「サテライト施設」)を持つ学校が多くあります。規程第3条は、この施設を二つに分けています。

施設の区分できること規程
面接指導等実施施設スクーリングや試験などの実施に連携協力する。分校や協力校が基本で、特別の事情があれば大学・専修学校なども第3条第1項第1号、第2項
学習等支援施設(サポート施設)進路や心身の健康の相談、添削指導に付随する事務、学習の支援などに連携協力する。スクーリングや試験を行う施設ではない第3条第1項第2号
高等学校通信教育規程(2026年4月1日施行の版)と、文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」から作成。

生徒が在籍するのは、どの施設に通っていても本校のある高校で、卒業を認めるのはその高校の校長です(学校教育法施行規則第96条)。規程第14条は、高校に対し、連携協力施設ごとの名称と位置、定員、授業料などの費用、教職員の数などを公表するよう定めています。文部科学省の「よくある質問」は、本校の授業料とは別に、連携協力施設が独自に行う活動の費用がかかることがあるとしています。入学を考えるときは、通う予定の施設がどの高校の、どちらの区分の施設か、授業料と施設の費用がそれぞれいくらかを、その高校の公表している情報で確かめられます。

  1. オリュカ

    通信制高校の決まりは、いつ、どう変わったのかな。

  2. タブリ

    施行された順に、この見出しの下の表に並んでいるよ。

  3. スウネ

    情報を公表している学校や施設の割合が低い傾向も、表のすぐ後にあるね。

2022年と2023年に変わった決まり

高等学校通信教育規程は、学びの質を保つために2021年と2022年に改正され、2022年4月と2023年4月に施行されました。

施行改正した省令主な中身
2022年4月1日令和3年文部科学省令第14号(2021年3月31日公布)連携協力施設を「面接指導等実施施設」と「学習等支援施設」に分けて定めた。同時にスクーリングを受ける生徒は40人以下に。科目ごとの指導の方法・年間計画・評価の基準を「通信教育実施計画」にまとめて生徒に示す。施設ごとの活動の評価と、情報の公表を義務にした
2023年4月1日令和4年文部科学省令第40号(2022年12月28日公布)収容定員の「240人以上」という下限をなくし、教職員や施設を踏まえて適切に定めることにした。教諭などの数を「5人以上」から「5人か、在籍する生徒数を80で割った数の多いほう以上」にした
e-Gov法令検索の高等学校通信教育規程の改正履歴と各時点の条文、文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上に向けた規程の改正(令和4年)」(2026年9月確認)から作成。

文部科学省の2025年度の実態調査(2025年5月1日現在)は、規程第14条が求める情報、とくに教職員の数、入学・退学・卒業の状況、通信教育実施計画を公表している学校や施設の割合が低い傾向にあった、としています。

何人が、どこで学んでいるか

2026年度の学校基本調査の速報(2026年8月26日公表)によれば、2026年5月1日現在の通信制高校は358校で、通信制だけを置く独立校が153校、全日制や定時制と一緒に置く併置校が205校です。設置者別では公立83校、私立275校です。

在籍する生徒は31万1,792人(公立6万1,572人、私立25万220人)で、前年度より6,595人増え、過去最多になりました。同じ速報で、全日制・定時制の生徒は前年度より約2万9千人減っています。確定値は2026年12月に公表される予定です。

文部科学省の2025年度の実態調査では、2025年度の入学者7万7,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒が4万4,461人(57%)でした。

入学できる人

高校に入学できるのは、中学校を卒業した人と、これと同等以上の学力があると認められた人です(学校教育法第57条)。後者には「外国において、学校教育における九年の課程を修了した者」が含まれます(同法施行規則第95条第1号)。ウクライナの学校の9年生までの課程との関係は、東京は作文と面接、神奈川は3教科。外国から来た生徒の高校入試にまとめています。実際に入学を認めるか、どの時期に入学・転入できるかは、学校が決めます。

授業料と就学支援金:2026年度から新しい制度に

通信制高校の生徒も、条件を満たせば、授業料にあてる「高等学校等就学支援金」を受けられます(文部科学省の「よくある質問」)。この制度は、2026年4月1日に施行された改正法(令和8年法律第8号)で大きく変わりました。

  • 所得制限がなくなった
  • 支給の上限(年額)は、私立の通信制で33万7,200円(月2万8,100円)。公立の通信制は月520円
  • 支給の対象が、国籍と在留資格で決まるようになった。文部科学省の資料によれば、対象は日本国籍の人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者のうち将来永住する意思があると認められた人、家族滞在のうち日本の小学校と中学校を卒業し、卒業後に日本で就労して定着する意思があると認められた人

同じ資料の表は、在留資格が「特定活動」「留学」などの生徒を新しい制度の対象外としています。ただし文部科学省は、対象外となった生徒への支援も示しています。2026年3月31日より前から在学している生徒には、経過措置として旧制度の就学支援金が続きます。2026年4月以降に入学した生徒(留学生を除く)には、国の予算で旧制度と同じ水準の支援があり、額は世帯の年収の目安(約590万円未満、約910万円未満など)で変わります。

どの支援に当たるか、どの書類が要るかは、在学する学校と、学校のある都道府県が案内します。申請書は学校に出します。文部科学省は制度のリーフレットを日本語と英語で公開しています。

ほかの道とあわせて考えるとき

高校を卒業せずに大学などの受験資格を得る方法には、高卒認定試験があります。通信制高校で修得した単位は、高卒認定試験の科目の免除に使えます。中学校の課程を終えていない人には、夜間中学という道もあります。子どもの学習歴の伝え方は、日本の学校に入る前に、家族がまとめておける学習歴と書類で扱っています。どの学校や道が合うかは、この記事では判断していません。

出典と記事の記録出典 15件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 学校教育法第4条 設置の認可と通信制の課程、第54条 通信制の課程と広域の課程の届出、第56条 修業年限、第57条 入学資格
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  2. 学校教育法施行規則第95条 高校入学資格〔外国の9年の課程〕、第96条 74単位以上
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  3. 高等学校通信教育規程昭和37年文部省令第32号。第2条 添削指導・面接指導・試験、第3条 通信教育連携協力施設、第4条の2 面接指導は40人以下、第4条の3 通信教育実施計画、第12条 併修、第13条 評価、第14条 情報の公表。2026年4月1日施行の版
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  4. 構造改革特別区域法第12条 学校教育法の特例〔株式会社の設置する学校〕
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  5. 高等学校通信教育規程の改正履歴と各時点の条文令和3年文部科学省令第14号〔2021年3月31日公布、2022年4月1日施行〕、令和4年文部科学省令第40号〔2022年12月28日公布、2023年4月1日施行〕
    発行:e-Gov法令API(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  6. 高等学校通信教育の質の確保・向上に向けた規程の改正(令和4年)240人の下限の撤廃、教諭の数、2023年4月1日施行
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  7. 分かる・見つかる通信制高等学校「通信制高校とは?」四つの学習方法、メディアによる免除、添削指導の回数と面接指導の時間数の標準、特別活動30単位時間、74単位、サテライト施設、広域通信制高校の定義
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  8. 分かる・見つかる通信制高等学校「よくある質問」最終学歴、登校、連携協力施設の費用、就学支援金、仕事との両立
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  9. 令和8年度学校基本統計(学校基本調査の結果)速報値を公表します2026年8月26日。通信制の学校数358〔独立153・併置205、公立83・私立275〕、在学者311,792人〔公立61,572・私立250,220〕、前年度比6,595人増、過去最多、確定値は12月
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  10. 令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について(概要)2025年5月1日現在。広域・狭域の別、入学者77,998人のうち中学3年時に不登校44,461人、情報の公表
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  11. 高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律の施行等について(通知)2026年3月31日。令和8年法律第8号、2026年4月1日施行、所得制限の撤廃、国籍・在留資格による支給対象者、経過措置、支給限度額〔私立通信制 月28,100円、公立通信制 月520円〕
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  12. 高等学校等就学支援金・新制度の概要対象者①〜⑦、私立通信制の上限33万7,200円、在留資格ごとの対象・対象外の表〔特定活動・留学などは対象外〕、対象外の生徒への支援
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  13. 高等学校等就学支援金【新制度】日本国籍以外の方用リーフレット在留資格の要件、必要書類、学校への申請
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  14. 就学支援金新制度対象外となる生徒等への支援リーフレット。在校生の経過措置、2026年4月以降の新入生〔留学生を除く〕への支援、年収の目安
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27
  15. 高校生等への修学支援新制度のリーフレット〔日本語・英語〕の一覧
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-27

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