専門学校で学ぶ留学生は10万人。入学資格と卒業後の在留資格
専門学校は、学校教育法の専修学校のうち専門課程を置く学校です。2026年4月の法改正で、入学資格は大学と同じ規定で定められ、修業年限2年以上などの条件を満たす課程を終えた人が「専門士」を名乗れることが法律に書かれました。ウクライナの学歴での入学、留学に必要な日本語、卒業後の就職で問われる専攻と仕事の関連性、国の支援の対象をまとめました。
オリュカのひとこと
専門学校は、大学や各種学校とどこが違うのでしょう。最初の見出しで整理されています。
日本の「専門学校」は、学校教育法でいう「専修学校」のうち、高校を終えた人のための専門課程を置く学校の呼び名です。文部科学省の学校基本統計によると、2025年5月1日現在、専門学校で学ぶ人は56万9千人でした。日本学生支援機構(JASSO)の調査では、同じ日に専修学校の専門課程にいた留学生は10万6,829人で、前の年より約4割増えています。
制度は2026年4月に改められ、専門課程で学ぶ人の呼び名は「生徒」から「学生」に変わり、入学資格は大学と同じ規定で定められるようになりました。以下は、学校教育法と同法施行規則の条文(e-Gov法令検索)、文部科学省・出入国在留管理庁(入管庁)・JASSOの公表資料を、2026年9月に確かめた内容です。特定の学校は取り上げません。自分の学歴で入学できるか、卒業後にどの在留資格が取れるかは、学校と入管庁が一人ずつ判断します。
大学とも各種学校とも違う学校
学校教育法第1条が「学校」と呼ぶのは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校です。専修学校はここに入らず、同じ法律の第124条に別に定められています。
| 大学 | 専修学校(専門課程=専門学校) | 各種学校 | |
|---|---|---|---|
| 根拠 | 学校教育法第1条・第83条 | 学校教育法第124条〜第133条 | 学校教育法第134条 |
| 目的・中身 | 学術の中心として、広く知識を授け、深く専門の学芸を教授研究する | 職業や実際の生活に必要な能力を育てる、または教養を高める | 学校教育に類する教育(専修学校の教育を行うものなどを除く) |
| 主な条件 | 学校教育法、大学設置基準など | 修業年限1年以上、授業時数か単位数が基準以上、常に40人以上 | 文部科学大臣の定める規程 |
| 修了して名乗れるもの | 学士など | 専門士、高度専門士(条件あり。下で説明) | — |
専修学校には、中学校を終えた人のための高等課程、高校を終えた人のための専門課程、入学資格を問わない一般課程があり(第125条)、専門課程を置く学校が「専門学校」と名乗れます(第126条)。制度は1975年の法改正でつくられ、1976年1月11日に始まりました。当時の文部省の通達は、それまで各種学校と一括されていた学校のうち、一定の規模と水準で組織的な教育を行うものを専修学校として位置づける改正だった、と説明しています。
2026年4月に変わったこと
学校教育法の一部を改正する法律(令和6年法律第50号)が、2026年4月1日に施行されました。文部科学省の説明によると、専門課程を職業教育を行う高等教育機関として位置づけ直すための改正で、主な中身は次のとおりです。
- 専門課程で学ぶ人の呼び名を「生徒」から「学生」に改めた。
- 入学資格を厳しくし、高校卒業者と同等以上の学力があると認める人の範囲を、文部科学大臣が定めることにした(第125条第3項)。
- 修業年限2年以上で、修了に必要な単位が62単位以上の専門課程を「特定専門課程」とし(第125条の2、施行規則第186条)、修了した人は「専門士」と名乗れる(第131条の2)。大学への編入学もできる(第132条)。
- 特定専門課程を置く学校は、修業年限1年以上の「専攻科」を置ける(第125条の2)。
- 修了の要件を授業時数から単位数に改めた(2026年4月以降に入学する人から)。
修業年限4年以上などの基準を満たして文部科学大臣の指定を受けた専門課程や専攻科を修了した人は、「高度専門士」と名乗れ(施行規則第186条の3)、大学院に入る資格も認められます(同第155条第1項第5号)。
オリュカのひとこと
ウクライナの学校を終えた人は、そのまま入学資格を満たすのでしょうか。この節で確かめましょう。
入学資格:ウクライナの11年の学校を終えた人は
専門課程に入れるのは、高校を卒業した人か、文部科学大臣の定めるところにより同等以上の学力があると認められた人です(第125条第3項)。施行規則第183条は、この「同等以上」を、12年の学校教育を終えた人か、大学の入学資格を定めた第150条の各号のどれかに当たる人、と定めています。つまり2026年4月以降に入学する人は、外国の学歴について、大学と同じ基準で見られます(それより前に入学した人は、改正前の規定のまま)。
第150条第1号は「外国において学校教育における十二年の課程を修了した者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの」です。文部科学省は、この指定の一覧にウクライナの完全普通中等教育(11年)の課程を載せています。その中身と、修了を示す書類の名前は、ウクライナの卒業証書・学位・医師免許は、日本でどう扱われるかの記事にまとめています。出願できるかどうかの最終的な判断は、出願先の学校がします。
留学の在留資格で入るときの日本語
在留資格「留学」で専修学校に入る人には、入管庁の基準で、日本語について次のどれかに当たることが求められます(日本語だけを学ぶ場合を除く)。
- 告示または認定を受けた日本語教育機関の、留学のための課程で1年以上日本語を学んだ
- 試験で日本語の力を証明した:日本語能力試験(JLPT)N1かN2に合格、日本留学試験(日本語)で200点以上、BJTビジネス日本語能力テストで400点以上、JPT日本語能力試験で525点以上のどれか
- 日本の学校(学校教育法第1条の学校。幼稚園を除く)で1年以上教育を受けた
入管庁は、1番目か3番目に当たる人でも、JLPTのN2相当以上の日本語力が明らかにない場合は、審査で本来の活動をする能力がないとみなされることがある、としています。JLPTの受け方は日本語能力試験(JLPT)の記事にあります。ウクライナから避難して別の在留資格で日本にいる人が専門学校で学ぶときの在留資格の扱いは、入管庁に確かめてください。
卒業後に日本で働くときの「専攻と仕事の関連性」
留学生が卒業後に日本で就職するとき、多く使われるのが在留資格「技術・人文知識・国際業務」です。入管庁のガイドライン(2026年4月最終改定)によると、大学を卒業した人については、専攻した科目と仕事の関連性を「柔軟に判断」する一方、専修学校は職業に必要な能力を育てることが目的なので、原則として「相当程度の関連性」が必要とされます。専修学校の卒業生がこの在留資格を得るには、専門士か高度専門士を名乗れることなどが条件です。
ただしガイドラインは、専門課程の卒業生でも、関連する科目を直接専攻したとは言えない場合に履修の内容全体から判断することがあり、関連性が認められた仕事に3年程度就いた後は、次の仕事との関連性を柔軟に判断する、としています。
2024年2月の見直しと「キャリア形成促進プログラム」
この差を縮めるため、文部科学省は2023年6月、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定を始めました。企業と連携した教育を行う「職業実践専門課程」の認定を前の年度までに受けた学科が対象で、在籍者のうち留学生の割合が2分の1以内であること(超える場合は、就職率の平均90%以上と、日本社会の理解に役立つ授業300時間以上)などが要件です。文部科学大臣が、入管庁や都道府県と協議したうえで認定します。
入管庁は2024年2月29日付けでガイドラインを改定し、在留資格「特定活動」に関する法務省告示も改正しました。これにより、認定を受けた学科を修了した人については、専攻と仕事の関連性を大学の卒業生と同じように柔軟に判断することになりました。また、認定学科を修了して高度専門士を名乗れる人は、それまで大学の卒業者と大学院の修了者に限られていた在留資格「特定活動(告示46号)」の対象にも加わりました。
認定の数は、最初の2023年度が188校475学科(2024年3月29日付け)、2025年度の新規認定が55校118学科(2026年3月31日付け)で、学科の一覧は文部科学省が公表しています。文部科学省は、この扱いが当てはまるのは、その学科が職業実践専門課程の認定を受けた年度の次の年度以降に入学して修了した人だとしています。入学する前に、学科がいつ認定されたかを学校に確かめておくと確実です。
学費と、国の支援の対象になる在留資格
学費は学校と分野によって大きく違います。目安として、国の「高等教育の修学支援新制度」が授業料と入学金を減らす上限額は、私立の専門学校(昼間制)で授業料が年59万円、入学金が16万円、国公立では授業料が年16万6,800円、入学金が7万円です(文部科学省)。この制度は、国が要件を確認した学校で、世帯の所得などの条件を満たす人の授業料等を減免し、返さなくてよい給付型奨学金とあわせて支援するものです。
JASSOによると、外国籍の人が給付型奨学金に申し込めるのは、法定特別永住者、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の人、将来永住する意思のある「定住者」、条件を満たす「家族滞在」の人に限られ、「留学」の在留資格は入っていません。補完的保護対象者として認定され「定住者」に変わる手続きは避難した人の在留資格の手続きの記事、留学生向けの奨学金はウクライナの学生・研究者が使える日本の奨学金の記事にあります。
どこに聞けばよいか
- 入学資格、学費、学科の認定(職業実践専門課程、キャリア形成促進プログラム):出願先の学校
- 在留資格(留学、卒業後の就職):出入国在留管理庁。通訳を頼める相談先は日本で暮らし始めたときの相談窓口に
- 授業料の減免と給付型奨学金:在籍または進学を予定する学校と、JASSO
出典と記事の記録
出典・参考資料
- 学校教育法第1条、第83条、第124条、第125条、第125条の2、第126条、第131条の2、第132条、第134条、附則〔令和6年6月14日法律第50号〕
発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-24 - 学校教育法施行規則第150条、第155条第1項第5号、第183条、第186条、第186条の3
発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-24 - 学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令案 概要改正法の趣旨、特定専門課程、高度専門士、学生への呼称変更、単位制、施行期日
発行:文部科学省(e-Govパブリック・コメント) 確認日:2026-09-24 - 学校教育法の一部を改正する法律案第213回国会 閣法第35号、提出理由
発行:内閣法制局 確認日:2026-09-24 - 学校教育法の一部を改正する法律等の施行について昭和51年1月23日 文部事務次官通達。専修学校制度の創設
発行:文部科学省 確認日:2026-09-24 - 令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について専門学校生徒数
発行:文部科学省 確認日:2026-09-24 - 2025(令和7)年度外国人留学生在籍状況調査結果在学段階別留学生数
発行:日本学生支援機構 確認日:2026-09-24 - 高等教育機関等へ入学するための日本語能力について専修学校・各種学校へ入学する場合
発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-24 - 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について最終改定令和8年4月。専攻科目と業務の関連性、専修学校の扱い
発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-24 - 外国人留学生の就職促進に向けた運用等の見直しについて
発行:出入国在留管理庁 確認日:2026-09-24 - 外国人留学生キャリア形成促進プログラムについて認定要件、令和6年2月29日付けのガイドライン改定と告示改正
発行:文部科学省 確認日:2026-09-24 - 専門学校(専修学校専門課程)における「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」認定(令和5年度)について
発行:文部科学省 確認日:2026-09-24 - 専門学校(専修学校専門課程)における「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」認定(令和7年度)について
発行:文部科学省 確認日:2026-09-24 - 高等教育の修学支援新制度 制度の概要
発行:文部科学省 確認日:2026-09-24 - 授業料等減免額(上限)・給付型奨学金の支給額
発行:文部科学省 確認日:2026-09-24 - 進学後(在学採用)の給付奨学金の申込資格外国籍の人の在留資格
発行:日本学生支援機構 確認日:2026-09-24
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