在留カードのICチップで本人確認。日本で携帯電話を契約するとき
日本で携帯電話を契約するときは、法律で本人確認が義務づけられ、在留カードはその書類の一つです。オンライン契約は2026年4月から、店舗での契約も2027年4月から、ICチップの読み取りが原則になります。データ通信だけのSIMも対象に加わります。変更点と、携帯電話を人に渡してはいけない理由をまとめました。
オリュカのひとこと
ICチップの読み取りは、オンラインと店舗でいつから変わるのでしょうか。二つの見出しで順に見ましょう。
日本で暮らし始めると、仕事の連絡、学校や役所からの電話、銀行のアプリの認証など、携帯電話の番号を求められる場面が続きます。携帯電話の契約には、法律で本人確認が義務づけられています。そして、その本人確認のルールは2026年から2027年にかけて段階的に厳しくなっています。
以下、総務省の「携帯電話の本人確認ルール」のページとよくある質問、携帯電話不正利用防止法と同法施行規則の条文をもとに、在留カードで契約するときに知っておきたいことを説明します。内容は2026年9月時点で確認したものです。どの書類や方法で契約できるか、個々の料金や支払い方法の条件は携帯電話会社ごとに違い、この記事では判断しません。契約する会社の店舗やウェブサイトで確かめてください。
法律が求める本人確認と、在留カード
携帯電話不正利用防止法(正式名は「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」)の第3条は、携帯電話会社が契約を結ぶときに、相手が個人であれば氏名、住居、生年月日を確認しなければならないと定めています。確認の方法は総務省令で決めることになっています。
その総務省令(同法施行規則)の第5条は、本人確認に使える書類として、運転免許証などと並べて、出入国管理及び難民認定法に定める在留カードを挙げています。日本に中長期で住む外国人にとっては、在留カードが基本の本人確認書類になります。確認される事項には住居も含まれるので、引っ越したあとは、市区町村での住所の届け出を先に済ませておくと手続きが進めやすくなります。住所の届け出については日本の住民登録で出てくる言葉の記事にまとめています。
2026年4月から、オンライン契約はICチップの読み取りが原則
総務省によれば、ウェブサイトなどで申し込むオンライン契約(非対面の契約)では、2026年4月1日から、本人確認書類のICチップの読み取りがすでに原則として必須になっています。書類を撮影して送るだけの申し込みには頼れない、ということです。
2027年4月から、店舗での契約も変わる
店舗での契約(対面の契約)は、2026年9月時点では、本人確認書類を目で見て確かめる方法などが認められています。総務省は、書類の偽造による「なりすまし契約」が問題になっているとして、2027年4月以降は対面の契約でもICチップの読み取りを原則必須にするとしています。これを定めた施行規則の改正省令(令和8年総務省令第94号)は2026年7月27日に公布され、2027年4月1日に施行されます。
総務省のページとよくある質問によれば、2027年4月以降の主な変更は次のとおりです。
- ICチップの読み取りが原則必須:使える書類として、マイナンバーカード、運転免許証、在留カード、特別永住者証明書など、ICチップのついた本人確認書類が挙げられている。読み取りには暗証番号が必要になる場合がある。
- ICチップのついた書類がない場合:住民票の写しなど、偽造対策がされた書類で本人確認ができる。その場合、契約のあとに携帯電話会社から、書類に書かれた住居あてに書留郵便などが送られるので、必ず受け取る。
- データ通信だけのSIMも対象に:これまで本人確認の対象外だった、電話機能がなくインターネットだけを使う携帯電話やSIMも対象になる。すでに契約しているデータ通信専用の回線で、契約時に本人確認をしていなかったものには、携帯電話会社から順次案内が届く。本人確認が済まない場合、サービスが止められることがある。
- 回線数の上限:個人の契約で合計5回線を超える場合、契約できなくなることがある。
- 原則として廃止される方法:本人確認書類の写真をアップロードする方法、書類のコピーを郵送する方法、顔写真のない本人確認書類を使う方法(ICチップがなく、偽造・改ざんの対策がされていないものに限る)。
データ通信SIMを対象に加える部分は、法律そのものの改正です。警察庁の通達によれば、改正法は2026年5月29日に公布され、一部を除いて公布の日から1年を超えない範囲で政令で定める日に施行されます。この改正法には、日本に住居を持たない外国人と契約するときに、住居に代わる事項を確認して本人確認をする規定の整備も含まれています。
日本に短期で滞在する外国人については、総務省のよくある質問が、電話やSMSが使えるSIMを契約する場合には本人確認が必要で、そのときパスポート(旅券)を使える、と説明しています。
| 時期 | 対象 | 変わること |
|---|---|---|
| 2026年4月1日から | オンライン契約(非対面) | ICチップの読み取りが原則必須 |
| 2027年4月1日から | 店舗での契約(対面) | ICチップの読み取りが原則必須。ICチップのない場合は住民票の写しなどと書留郵便の受け取り |
| 2027年4月以降(総務省の説明) | データ通信専用のSIM | 本人確認の対象に加わる。契約済みで本人確認をしていない回線にも案内が届く |
在留カードのICチップと暗証番号
総務省のよくある質問は、マイナンバーカードを持っていなくても、運転免許証や在留カードなど、ICチップのついた本人確認書類であれば契約に使えると説明しています。読み取りのときに暗証番号が必要になる場合があるため、契約の前に確かめておくよう求めています。暗証番号を忘れた場合は、携帯電話会社では照会も再設定もできず、書類を発行した官公庁のウェブサイトなどで手続きを確かめてほしい、としています。在留カードの場合は、出入国在留管理庁の案内を確かめることになります。
また総務省は、ICチップのついた書類がないから何もできない、と思い込まないよう呼びかけています。案内がよくわからないときは、無理に進めずに窓口で確かめてから手続きをしてほしい、という説明です。
携帯電話やSIMを人に渡してはいけない
携帯電話不正利用防止法の第7条は、契約者が携帯電話を他人に譲り渡すときは、親族や生計を同じくしている人に渡す場合を除き、あらかじめ携帯電話会社の承諾を得なければならないと定めています。第20条は、この規定に違反して、業として有償で譲り渡した人を2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方に処すとしています。第23条は、そうした行為の相手になるよう人を勧誘したり誘ったりした人も、50万円以下の罰金の対象にしています。
総務省は、携帯電話やSIMを代わりに契約して端末を送ってほしい、という依頼に注意するよう呼びかけています。譲る必要があるときは、事前に携帯電話会社に連絡して名義変更の手続きをする、というのが総務省の案内です。
オリュカのひとこと
本人確認をよそおった連絡には、どんな手口があるのでしょうか。見分け方を本文で確かめましょう。
本人確認を装った詐欺にも注意
制度が変わる時期には、その内容をよく知らない人をねらって、「手続きが必要です」「今すぐ情報を送ってください」と連絡してくる詐欺が起こることがある、と総務省は注意しています。携帯電話会社からの本人確認の案内を装ったメールやSMSが届く可能性もあります。届いたメールやSMSのリンクを直接開かず、自分で携帯電話会社の会員ページなどにアクセスすることが大切だ、とされています。
総務省のこれらのページは日本語で書かれています。日本語の案内を読むのが難しいときは、住んでいる地域の相談窓口も使えます。相談先は日本で暮らし始めたときの相談窓口の記事で紹介しています。在留カードの更新や在留資格の手続きは、避難した人の在留資格の手続きの記事にまとめています。
出典・参考資料
- 携帯電話の本人確認ルール(2026年4月1日からのオンライン契約、2027年4月以降の対面契約のICチップ読み取り、廃止される方法、データ通信SIM、書留郵便、回線数、無断譲渡、詐欺への注意)
発行:総務省(特殊詐欺等対策サイト) 確認日:2026-09-24 - よくあるご質問(使える本人確認書類に在留カードが含まれること、暗証番号、5回線を超える場合、訪日外国人とパスポート)
発行:総務省(特殊詐欺等対策サイト) 確認日:2026-09-24 - 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(第3条、第7条、第20条、第23条)
発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-24 - 同法施行規則(第5条第1項第1号イ(2) 在留カード)と改正履歴(令和8年総務省令第94号:2026年7月27日公布、2027年4月1日施行)
発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-24 - 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律の公布について(通達、2026年5月29日。改正の趣旨・概要・施行期日)
発行:警察庁 確認日:2026-09-24 - 同法施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集(2026年3月13日。対面契約時のICチップ読み取りの原則化の趣旨)
発行:総務省 確認日:2026-09-24
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