本文へ移動

ウクライナの人・文化・社会・未来を、日本と世界につなぐ

Ukrainavi Ukrainavi

日本とのつながり/解説

年100万円を最長3年。日本財団のウクライナ避難民支援は2026年3月に終了

日本財団は、日本に身元保証人がいるウクライナ避難民約2,000人に、1人年100万円の生活費を最長3年間給付しました。渡航費や住まいの準備金、帰国支援も合わせた給付は約53.8億円。事業は2026年3月31日に終わり、いまは新たに申し込めません。何を、誰に、どれだけ払ったのかを財団の報告書から整理します。

オリュカのひとこと

最長3年の生活費は、人によって終わる時期が違いました。その時期は何で決まったのでしょうか。

日本財団は、ウクライナから日本に避難した人への支援事業を、2026年3月31日で終了しました。事業のページには「当支援事業は2026年3月31日をもって終了いたしました」と掲示されています。2022年3月の発表から約4年、生活費を中心とした給付を受けた人は約2,000人にのぼります。2026年9月時点で、この支援に新たに申し込むことはできません。

民間の財団が、国の制度とは別に、避難した一人ひとりに年100万円を払う。この支援が、何を、誰に、どれだけ給付したのか。財団が2025年12月に出した活動報告書と公表資料から整理します。

対象は「日本に身元保証人がいる人」

報告書の年表によれば、財団は2022年3月28日に、来日したウクライナ避難民への支援を発表しました。対象は、ロシアの侵攻によって日本に避難したウクライナ国民で、日本に住む身元保証人がいる人です。身元保証人とは、避難する人が大使館などでビザを申請するときに身元保証書に署名して提出した人を指します。支援対象は当初1,000人と想定されていました。

4月20日に給付と助成の申請受付が始まり、ウクライナ語で対応するコールセンターも開かれました。生活費の支給は6月10日に始まり、7月29日には、戦争の長期化を見込んで支援の枠を2,000人に広げています(いずれも報告書の年表)。

何をいくら給付したか

報告書は、給付の中身を四つに分けています。

給付内容支援決定者数総額
渡航費日本国内の最終受入地までの片道の渡航費と国内移動費の実費。上限は1人30万円1,807人約2.5億円
生活費1人年100万円(3か月ごとに25万円ずつ4回)。1家族あたり年300万円が上限。最長3年間1,974人約45.6億円
住環境整備費アパートや公営住宅などに新たに入居する人に、家具や家電の購入を想定して1戸50万円(一律)1,052戸約5.3億円
帰国支援費2024年2月から、ウクライナへの帰国を希望する人に航空券の手配と一時金(上限1人30万円)168人約0.4億円
日本財団「ウクライナ避難民支援活動報告書」(2025年12月発行)の「給付金による支援」の頁による。2026年9月24日に確認。

支援を受けた人の数は、1年目が2,022人、2年目が1,682人、3年目が1,474人と、帰国などで減っていきました(報告書)。財団が2025年2月に開いた報告会のお知らせによれば、この時点で約3割が出国などで支援を終えていました。

帰国支援について、財団の常務理事(当時)の笹川順平氏は2024年2月の説明会で、ポーランドまでの航空券と1人30万円の一時金を支給し、約2,000人のうち200人ほどが利用すると想定していると話しています。報告書による実際の支援決定者は168人でした。

お金はどこから出たか

報告書によれば、事業の主な財源は、ボートレースの売上金から財団が受け入れる交付金の約56.0億円と、個人・企業・団体からの寄付金の約4.5億円です。寄付金のうち、2022年6月に設けた「ウクライナ避難民支援基金」には、2024年3月5日の時点で累計199,451,551円が集まりました(財団のお知らせ)。報告書は、この基金を当時の駐日ウクライナ大使のコルスンスキー氏、駐日米国大使のエマニュエル氏と財団が協力して設けたものとしています。基金の寄付受付は2024年3月31日(オンラインは3月29日17時)で終わっています。

使い道の内訳は、給付金による支援が約53.8億円、非営利団体への助成が約4.7億円、就労に向けた支援が約1.1億円、その他の支援が約0.9億円です(報告書)。

給付のほかに行ったこと

  • 非営利団体への助成:82団体の157事業に、総額約4億7千万円。生活支援、ウクライナ語を話す心理士によるカウンセリング、日本語学習、就職活動の支援など
  • 日本語学校の奨学金:提携した日本語学校86校で、2023年4月から避難民の学生116人の学費を支援。原資は上の基金
  • 遠隔通訳・相談:2022年8月から、ウクライナ語の無料の遠隔通訳・相談サービス
  • 生活費の給付が終わる時期の支援:20歳未満の子どもへの応援金(約19万円、190人、総額約3,575万円)と、就職や学習を目指す人へのデジタル図書券(5万円、1,012人、総額5,060万円)

いずれも報告書の記載によります。

生活費は、来日した時期に合わせて順に終わった

生活費の給付は「最長3年間」です。財団は2025年2月の報告会の案内で、これまでの緊急的な生活費支援は、避難民の来日時期に合わせて順次終了していく、と説明していました。そのうえで、事業全体が2026年3月31日に終了しました。

報告書に載っている財団のアンケート(財団の支援を受けている18歳以上が対象)では、働いている人の割合は、2023年の第3回調査(1,077人が回答)で42.5%、2025年の第9回調査(937人が回答)で55.7%でした。2025年2月の報告会のお知らせは、学生を除く18〜64歳の就業率を8割としています。いずれも財団が自ら行った調査の結果で、日本にいるウクライナ避難民全体の数字ではありません。

オリュカのひとこと

財団の支援が終わったいま、どこに相談できるのでしょうか。窓口をここで確かめましょう。

いま相談できるところ

この支援は終わっています。2026年9月時点で、日本財団の生活費の給付を新たに受けることはできません。生活や仕事、日本語について相談したいときは、住んでいる市区町村の窓口や地域の国際交流協会などが入口になります。窓口の探し方は日本で暮らし始めたときの相談窓口に、自治体が独自に行っている住宅や一時金の支援は自治体のウクライナ避難民支援に、日本に避難した人の数の推移は日本に避難したウクライナの人の数にまとめています。

出典・参考資料

  1. 日本財団ウクライナ避難民支援(事業終了の掲示、報告書・お知らせへのリンク)
    発行:日本財団 確認日:2026-09-24
  2. ウクライナ避難民支援活動報告書(2025年12月発行。対象者、給付の内容・人数・総額、財源、助成・奨学金・その他の支援、年表、アンケート結果)
    発行:日本財団 確認日:2026-09-24
  3. ウクライナ避難民支援策 報告会開催(2025年2月21日。生活費支援の順次終了、約3割が支援終了、就業率)
    発行:日本財団 確認日:2026-09-24
  4. ウクライナ避難民支援基金 寄付受付終了のお知らせ(2024年3月11日。累計寄付額、受付終了日)
    発行:日本財団 確認日:2026-09-24
  5. ウクライナ避難民支援策 説明会開催(2024年2月26日。帰国支援制度の内容と想定人数)
    発行:日本財団 確認日:2026-09-24

記載内容に誤りを見つけた場合は、訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、訂正した内容と経緯を記事に記載します。