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人と暮らし/実用ガイド

月5,200円の給食費支援と就学援助、学校にかかるお金の二つの助け

2026年4月から、公立小学校の給食費に児童1人月5,200円を基準に国の支援が始まりました。ただし中学校や私立は対象外で、自治体によっては負担が残ります。学用品や修学旅行費を助ける「就学援助」の対象、外国籍の家庭の扱い、申請の時期とあわせてまとめました。

画像:Ukrainavi

オリュカのひとこと

給食費の支援が始まったのに、なぜ「無償」と呼ばないのでしょう。答えは最初の節の中にあります。

日本の公立の小学校・中学校は、授業料がかからず、教科書も無償で配られます。それでも、給食費、ノートや体操着などの学用品、修学旅行の費用など、家庭が払うお金があります。これを助ける仕組みが二つあります。経済的に困っている家庭に市区町村が出す「就学援助」と、2026年4月に始まった、公立小学校の給食費への国の支援です。

以下は、学校教育法、文部科学省の資料と調査、横浜市とさいたま市の案内を2026年9月に確認した内容です。自分の家庭が就学援助を受けられるか、給食費がいくらになるかは、この記事では判断しません。決めるのは住んでいる市区町村です。学校に入る手続きそのものは日本の学校に入る前に、家族がまとめておける学習歴と書類にまとめています。

2026年4月から、公立小学校の給食費に国の支援

文部科学省によれば、2026年4月から「学校給食費の抜本的な負担軽減」が始まりました。公立小学校(義務教育学校の前期課程と特別支援学校の小学部を含む)の児童の給食に必要な食材費について、国が自治体を支援する仕組みです。保護者の所得には関係なく、給食を出している学校の児童が一律に対象です。保護者の手続きは原則として要りません。

支援の基準額は、児童1人・1か月あたり次のとおりで、年間では11か月分です。

給食の種類小学校・義務教育学校前期課程特別支援学校小学部
完全給食(主食+ミルク+おかず)5,200円6,200円
補食給食(ミルク+おかず)4,800円5,800円
ミルク給食(ミルクのみ)1,200円1,200円
文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」(2026年9月24日確認)をもとに作成。完全給食の5,200円は、2023年の実態調査の平均額(約4,700円)に物価の動きを加えた額(2025年12月18日の自由民主党・公明党・日本維新の会の合意)。

「無償」とは限らない

給食の食材費が基準額を超える場合、自治体は超えた分を保護者から集めることができます。このため文部科学省は、自治体によっては保護者の負担が残るとし、これまでの「給食無償化」という呼び方をやめて「学校給食費の抜本的な負担軽減」と呼んでいます。

自治体による違いの例です。さいたま市は、国の交付金を超える分を市が支援し、市立小学校の給食費を2026年4月から無償にしました。横浜市は、2026年度の小学校の給食費を「実質無償化」するとしています。

法律の改正ではなく、予算で

この仕組みは、法律を変えて作ったものではありません。2025年12月18日の三党の合意は、学校給食法の上では給食費は保護者の負担とされているが、自治体が補助することは否定されていないとして、学校給食法を改正しないことにしました。そのうえで国の予算に「給食費負担軽減交付金」を設け、国から都道府県、都道府県から市町村に交付する仕組みにしています。合意は、費用について「1/2の都道府県負担を導入」するとしています。

対象にならないもの

  • 国立・私立の小学校(文部科学省の自治体向けQ&A)
  • 中学校。交付金を中学校の給食費に使うことはできない。文部科学省・総務省・財務省の2025年12月19日の文書は、中学校の給食について「課題の整理を行った上で検討」としている
  • 生活保護の教育扶助や、就学援助(要保護)で給食費を受けている児童。これらの制度が先に使われる

外国籍の児童について、文部科学省の自治体向けQ&Aは、公立小学校に在籍していれば国籍にかかわらず支援の算定に含めるよう求めています。

就学援助は、市区町村が出す

就学援助の根拠は、学校教育法第19条です。

経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。

学校教育法(昭和22年法律第26号)第19条

援助を受ける家庭は、二つに分かれます。

区分内容人数(2024年度)
要保護生活保護法第6条第2項に定める「要保護者」約8万人
準要保護市区町村の教育委員会が、要保護者に準ずる程度に困っていると認めた人。認定基準は市区町村ごとに決める約109万人
文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」をもとに作成(2026年9月24日確認)。人数は児童生徒の数。

文部科学省の「就学援助実施状況等調査」によれば、2024年度に就学援助を受けた児童生徒は1,168,756人で、公立小中学校の児童生徒の13.31%でした。13年続けて減っています。

要保護の家庭への援助には、国が半分を補助します。準要保護の家庭への援助は、2005年度に国の補助がなくなり、各市区町村が自分の財源で行っています。このため、準要保護の基準や援助の品目は市区町村ごとに違います。

援助される品目

国が補助の対象にしている品目は、学用品費、体育実技用具費、新入学児童生徒学用品費等、通学用品費、通学費、修学旅行費、校外活動費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費、卒業アルバム代等、オンライン学習通信費、医療費、学校給食費です。入学の準備のための「新入学児童生徒学用品費等」の国の補助単価は、2026年度に小学校64,300円、中学校81,000円へ引き上げられました。

入学準備のお金を入学の前に出す市区町村もあります。文部科学省の2025年度の調査では、2025年度の入学者に入学前の支給をした市区町村は、小学校で1,746のうち1,524(87.3%)、中学校で1,761のうち1,542(87.6%)でした。

外国籍の子どもと、ウクライナから避難した家庭

就学援助は外国籍の子どもの家庭も使えます。文部科学省の『就学ガイドブック』(2015年4月。ウクライナ語の対訳版がある)は、経済的な理由で公立の小学校・中学校に通うのが難しいと市区町村の教育委員会に認められた場合、学用品や給食費などの援助が受けられる、と外国から来た家庭に向けて説明しています。ただしこのガイドブックは「給食費は、保護者が負担することになっています」と書いており、2026年4月からの小学校の給食費の支援は反映されていません。

ウクライナから避難してきた家庭については、文部科学事務次官の2022年4月18日の通知が、生活の基盤が整うまでに時間がかかることを踏まえ、通常の手続きが難しい場合でも、申請期間の延長を含めて、できるだけ速やかに弾力的に対応するよう教育委員会に求めています。生活保護を受けていると認められれば、要保護の就学援助は前年度の所得にかかわらず支給できる、とも書いています。生活保護そのものについては外国籍の人の生活保護は「準用」の記事を参照してください。

準要保護の審査では、ふつう前の年の所得を確かめます。横浜市の案内では、1月1日に横浜市に住民登録があり税の申告をしている人は、市が税の情報を確認するので証明書を付けなくてよく、そうでない人は源泉徴収票や課税証明書などを付けます。前の年に日本での所得がない場合にどうするかは、申請の前に学校か教育委員会に聞いてください。横浜市は就学援助のお知らせのウクライナ語版を出しています。

オリュカのひとこと

締め切りを過ぎてから申請すると、いつの分から援助が出るのでしょう。横浜市とさいたま市の表で比べてみましょう。

申請はいつ、どこに

文部科学省の2025年度の調査によれば、1,763市区町村のうち1,677(95.1%)が、年度の途中でも申請を受け付けています。ただし、そのうち1,601(全体の90.8%)は、締め切りを過ぎた申請については、申請した月や認定した月から先の分だけを援助します。早く申請するほど、受けられる期間が長くなります。二つの市の例です。

横浜市(2026年度)さいたま市(2026年度)
申請先子どもが通う学校学校、教育委員会学事課(郵送可)、またはオンライン
申請の期間当初の申請は4月。追加の申請は7月から翌年2月24日まで2026年2月13日から2027年1月29日まで
いつの分から当初の申請で認定されると4〜7月分(第1期)から支給申請した月以降の分
毎年の申請必要(毎年度)
横浜市「就学援助制度について」「就学援助制度のお知らせ(令和8年度)」、さいたま市「就学援助制度(学用品費等の援助)について」をもとに作成(2026年9月24日確認)。「―」は案内のページで確認できなかった項目。

横浜市の例では、世帯の所得の目安(2025年分の所得)は、4人世帯で349万円、3人世帯で312万円です。働いている人やひとり親の世帯などは所得から一定額を差し引いて審査するため、目安を超えていても認定されることがあり、同市は迷ったらまず申請するよう案内しています。横浜市の中学校の給食費は、就学援助に認定されると無償になり、認定前に払った分は返されます。

窓口で聞いておくこと

  • 就学援助の申請書はどこでもらい、いつまでに出すか。年度の途中から申請した場合、いつの分から出るか
  • 前の年に日本で収入がなかった場合、所得を示す書類として何を出すか
  • 小学校の給食費を保護者がいくら払うか(国の基準額を超える分があるか)。中学校の給食費はどうなるか
  • 案内や申請書にウクライナ語版があるか。窓口で通訳を頼めるか

子どもを育てる家庭が受け取れる手当については児童手当は、住民登録をした市区町村に申請した翌月分からにまとめています。

出典と記事の記録出典 14件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 学校教育法 第19条就学援助
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-24
  2. 学校給食費の抜本的な負担軽減対象、基準額、11か月分、手続き不要、無償とは限らないこと、経緯
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-24
  3. (市町村向け)「学校給食費の抜本的な負担軽減」に関するQ&A2026年7月23日追記・修正版。国立・私立と中学校は対象外、外国籍の児童、生活保護・就学援助との関係、交付金の流れ
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-24
  4. 学校給食費の抜本的な負担軽減(いわゆる給食無償化)について2025年12月18日。所得にかかわらず一律、基準額の根拠、学校給食法を改正しないこと、都道府県の2分の1負担
    発行:自由民主党・公明党・日本維新の会(文部科学省掲載) 確認日:2026-09-24
  5. 三党合意に基づくいわゆる教育無償化に向けた対応について2025年12月19日。中学校給食は課題を整理したうえで検討
    発行:文部科学省・総務省・財務省 確認日:2026-09-24
  6. 就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)学校教育法第19条、要保護・準要保護の定義と人数、補助対象品目、国庫補助率、準要保護の補助廃止
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-24
  7. 義務教育段階の就学援助(概要)令和8年度。新入学児童生徒学用品費等の単価
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-24
  8. 就学援助実施状況等調査結果令和6年度の対象者数と就学援助率、令和7年度の申請期間、入学前支給
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-24
  9. 就学ガイドブック ウクライナ語版2015年4月。就学援助、給食費
    発行:文部科学省 確認日:2026-09-24
  10. ウクライナからの避難民の児童生徒等の教育機会の確保について(通知)4文科際第18号、2022年4月18日。就学援助の弾力的な対応
    発行:文部科学事務次官 確認日:2026-09-24
  11. 就学援助制度について援助の内容、申請方法、多言語のお知らせ
    発行:横浜市教育委員会 確認日:2026-09-24
  12. 就学援助制度のお知らせ(令和8年度)対象、所得基準、受付期間、所得の確認、小学校・中学校の給食費
    発行:横浜市教育委員会 確認日:2026-09-24
  13. 就学援助制度(学用品費等の援助)について申請期間、申請先、申請月以降の支給
    発行:さいたま市教育委員会 確認日:2026-09-24
  14. (令和8年4月~)小学校給食費の無償化と中学校給食費の物価高支援
    発行:さいたま市教育委員会 確認日:2026-09-24

記載内容に誤りを見つけた場合は、訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、訂正した内容と経緯を記事に記載します。