本文へ移動

ウクライナの人・文化・社会・未来を、日本と世界につなぐ

Ukrainavi Ukrainavi

人と暮らし/実用ガイド

育児休業の給付は賃金の67%。2025年に加わった13%と時短の10%

日本で雇われて働く人は、子が1歳になるまで育児休業を取れ、雇用保険から休業前の賃金の67%(181日目からは50%)の給付があります。2025年4月に始まった両親の休業への13%の上乗せと時短勤務の10%の給付、有期雇用の人の条件、2025年10月の働き方の措置、手続きの順番をまとめました(2026年9月時点)。

イメージ画像

オリュカのひとこと

育児休業は、子がいくつになるまで取れるのでしょう。最初の見出しで確かめられます。

日本で雇われて働く人は、子どもが1歳になるまで、会社に申し出て育児休業を取ることができます。休業中の収入を支えるのは雇用保険の「育児休業給付」で、休業を始めてから180日までは、休業前の賃金の67%が支払われます。2025年4月には、両親がそろって休業したときに13%を上乗せする給付と、時短勤務で下がった賃金を補う給付が新しく始まりました。

以下は、育児・介護休業法と雇用保険法の条文(e-Gov法令検索)、厚生労働省のパンフレット「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026年8月1日改訂版)などを、2026年9月に確かめた内容です。休業を取れるか、給付を受けられるか、いくら受けられるかは、勤め先とハローワークが一人ずつ判断するもので、この記事では判断しません。

休める期間:原則は1歳まで、延長して最長2歳まで

育児・介護休業法第5条第1項は、労働者は「その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる」と定めています。会社は、この申し出を原則として拒めません(第6条第1項)。日々雇われる人は、この法律の「育児休業」の対象から外れています(第2条第1号)。

  • 分けて取る:1歳までのあいだに、2回に分けて取れます(第5条第2項)
  • 延長:保育所に入れないなど、厚生労働省令で定める場合には1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます(第5条第3項・第4項)
  • 両親とも取る場合:厚生労働省のパンフレットによれば、いわゆる「パパ・ママ育休プラス」を使うと、子が1歳2か月になるまでのあいだに休業できます(一人が休める期間は通算1年まで)
  • 申し出の時期:休業を始める予定日が申し出の翌日から1か月より前のときは、会社が開始日を指定できます(第6条第3項)

保育所に入れないことを理由に給付の期間を延ばす手続きは、2025年4月から変わりました。厚生労働省によれば、延長できるかどうかをハローワークが判断することをはっきりさせるため、雇用保険法施行規則が改正され、延長を申請するときには、市区町村に保育所の利用を申し込んだときの申込書の写しと、「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」を添えることになりました。保育所の申し込みそのものは保育所の申し込みの記事にまとめています。

産後パパ育休(出生時育児休業)

2022年10月からは、育児休業とは別に、子が生まれてから8週間以内に、4週間まで休める「出生時育児休業」ができました。厚生労働省は「産後パパ育休」と呼んでいます。2回に分けて取ることもできます(育児・介護休業法第9条の2)。会社が開始日を指定できるのは、申し出から2週間より前の開始予定日の場合です(第9条の3第3項。労使協定で1か月以内まで延ばせる)。

労働基準法第65条第2項により、会社は出産後8週間を経過しない人を原則として働かせてはならない(産後休業)ため、出生時育児休業は主に、子を産んでいない親が使う制度です。この期間の給付は「出生時育児休業給付金」で、休業した日数(28日まで)について賃金の67%です(雇用保険法第61条の8)。

期間を定めて雇われている人

契約社員やパートタイムなど、雇用期間の決まっている人の条件は、2022年4月に変わりました。

  1. オリュカ

    契約社員やパートの人の条件は、どう変わったのかな。

  2. タブリ

    変わる前と後の条件は、この見出しの下の表で並べて見られるよ。

  3. スウネ

    労使協定で対象から外せる場合が今もあることは、表の後の段落にあるね。

昔の条件と今の条件:「1年以上」の要件がなくなった

時期期間を定めて雇われている人が育児休業を申し出られる条件
2022年3月まで次のいずれにも当たる人:①その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上、②子が1歳6か月になる日までに、労働契約(更新される場合は更新後のもの)が満了することが明らかでない
2022年4月から子が1歳6か月になる日までに、労働契約(更新される場合は更新後のもの)が満了することが明らかでない人(第5条第1項ただし書)
育児・介護休業法第5条第1項の2022年3月31日時点の条文と現行の条文(e-Gov法令検索)から作成。改正は令和3年法律第58号(2022年4月1日施行)。

ただし、会社と労働者の過半数を代表する労働組合などとの書面の協定(労使協定)で、「引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者」を育児休業の対象から外すことは、今もできます(第6条第1項第1号)。これは雇用期間の定めがあるかどうかにかかわりません。自分の職場に協定があるかは、就業規則か会社の担当者に確かめてください。

給付を受けるための条件と、67%と50%

育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が育児休業を取ったときに、ハローワークから支給されます。雇用保険法第61条の7と厚生労働省のパンフレットによれば、主な条件は次のとおりです。

  • 休業を始めた日の前の2年間に、賃金の支払いの基礎になった日が11日以上ある月(それがない場合は80時間以上ある月)が12か月以上あること。病気などで30日以上続けて賃金を受けられなかった期間があれば、その分だけ2年を延ばせる(最長4年)
  • 休業中に働いた日が、1か月ごとの期間(支給単位期間)で10日以下(10日を超えるときは80時間以下)であること
  • 期間を定めて雇われている人は、子が1歳6か月になる日までに労働契約が満了することが明らかでないこと

額は、休業を始める前の6か月の賃金から計算した「休業開始時賃金日額」をもとにします。休業を始めてから通算180日までは67%、181日目からは50%です(第61条の7第6項)。額には上限と下限があり、毎年8月1日に見直されます。

2026年8月1日から2027年7月31日までの額
休業開始時賃金日額の上限・下限上限16,540円、下限3,203円
支給日数30日の上限(67%)332,454円
支給日数30日の上限(50%)248,100円
厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026年8月1日改訂版)から作成(2026年9月確認)。

同じパンフレットは、育児休業中は申し出により健康保険と厚生年金の保険料が免除され、給付は非課税であるため、給付率80%(67%と下で説明する13%の合計)のときは「手取り10割相当」になると説明しています。ただし、上の上限額を超える賃金の人は、その分だけ割合が下がります。

オリュカのひとこと

新しく加わった給付は、どんな仕組みなのでしょう。この見出しで確かめられます。

2025年4月に始まった二つの給付

2024年の子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)で雇用保険法が改正され、2025年4月1日から次の二つが加わりました。厚生労働省によれば、財源には子ども・子育て支援金が充てられます。

給付対象額雇用保険法
出生後休業支援給付金子の出生後の決まった期間に、本人が通算14日以上の育児休業(産後パパ育休を含む)を取り、配偶者も通算14日以上取ったとき休業開始時賃金日額×休業日数(28日まで)の13%第61条の10
育児時短就業給付金2歳未満の子を育てるために、1週間の所定労働時間を短くして働くとき時短中に支払われた賃金の10%(賃金が時短前の90%を超えると率が下がる)第61条の12
雇用保険法(e-Gov法令検索)と厚生労働省のパンフレット(2026年8月1日時点の版)から作成(2026年9月確認)。

出生後休業支援給付金の「配偶者も14日」の例外

配偶者が休業していなくても、配偶者の休業を条件としない場合が決められています。厚生労働省のパンフレットは、配偶者がいない、配偶者が子と法律上の親子関係にない、配偶者から暴力を受けて別居中、配偶者が働いていない、配偶者が自営業やフリーランスなど雇われて働く人でない、配偶者が産後休業中、などを挙げています。たとえば、母親が産後休業中で、父親が対象期間に通算14日以上休業した場合、父親は支給の対象になり得ます。13%の上乗せを受けられる期間は、本人の休業の28日分までです。支給の上限は、2027年7月31日までの額で28日分60,205円です。

育児時短就業給付金の上限

時短中に支払われた賃金が一定の額(支給限度額。2027年7月31日までは484,121円)以上の月は支給されず、算定した給付の額が2,562円以下の月も支給されません(厚生労働省のパンフレット)。時短勤務の前後で賃金が減っていない月も対象外です。

2025年10月から:3歳から小学校に入るまでの働き方

2024年の育児・介護休業法の改正(令和6年法律第42号)で、2025年10月1日から、会社は、3歳から小学校に入るまでの子を育てる労働者のために、次の五つのうち二つ以上の措置を用意しなければならなくなりました(第23条の3第1項)。労働者は、用意されたものから一つを選んで使えます。

  • 始業時刻などの変更
  • 在宅勤務など
  • 育児のための所定労働時間の短縮
  • 仕事をしながら子を育てやすくするための休暇(子の看護等休暇や年次有給休暇とは別のもの)
  • そのほか厚生労働省令で定める措置

会社は、子が3歳になる前の決められた期間に、用意した措置を知らせ、どれを使いたいかを面談などで確かめなければなりません(第23条の3第5項)。どの措置が用意されているかは会社ごとに違います。

国籍・在留資格と、ほかの制度

育児・介護休業法の「労働者」と、雇用保険法の育児休業等給付の条文には、国籍を条件にする規定はありません。雇用保険への加入は国籍を問わず、加入の条件(週20時間以上、31日以上の雇用の見込みなど)は雇用保険の基本手当の記事にまとめています。ただし、在留資格によって働ける範囲が決まっている人や、在留期間の満了が近い人の扱いは、この記事では判断できません。ハローワークに確かめてください。

出産のときの費用と、勤め先の健康保険から出る出産手当金は日本での出産の記事に、子どもが生まれたあとの児童手当は児童手当の記事にあります。

  1. オリュカ

    休業の申し出から給付の申請まで、何から始めればいいのかな。

  2. タブリ

    申し出、申請、休業中の順番は、この見出しの下に番号つきで並んでいるよ。

  3. スウネ

    受けられるかどうかを誰が判断するかは、記事の終わりの「この記事で確認できていないこと」にあるね。

手続きの順番と、相談先

  • 1. 休業の申し出:休業を始める日と終わる日を決めて、会社に申し出る(育児休業は開始予定日の1か月前、産後パパ育休は2週間前が目安)
  • 2. 給付の申請:原則として会社を経由して、事業所の所在地を管轄するハローワークに申請する。パンフレットによれば、会社を経由するのが難しい場合や本人が希望する場合は、本人が提出することもできる
  • 3. 休業中:育児休業給付金の申請は、原則2か月に1回(本人が希望すれば1か月に1回)

給付の中身や手続きの問い合わせには、厚生労働省の育児休業等給付コールセンター(0570-200-406。平日8時30分〜17時15分)があります。育児休業を取らせてもらえない、休業を理由に不利に扱われたなど、休業の権利についての相談は、厚生労働省が案内している都道府県労働局の窓口で受け付けています。通訳を頼めるかどうかは、かける前に確かめてください。

出典と記事の記録出典 9件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条、第5条 育児休業の申出、第6条 事業主の義務と労使協定、第9条の2 出生時育児休業、第9条の3、第23条の3 柔軟な働き方を実現するための措置。現行版は令和6年法律第42号による改正、2025年10月1日施行
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  2. 育児・介護休業法の改正履歴と各時点の条文2022年3月31日時点と2022年4月1日時点の第5条、2022年10月1日の出生時育児休業、2025年4月1日時点と10月1日時点の第23条の3
    発行:e-Gov法令API(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  3. 雇用保険法第61条の6 育児休業等給付、第61条の7 育児休業給付金、第61条の8 出生時育児休業給付金、第61条の10 出生後休業支援給付金、第61条の12 育児時短就業給付金。現行版は令和7年法律第32号による改正、2026年5月13日施行
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  4. 雇用保険法の改正履歴出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金を加えた子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律〔令和6年法律第47号〕、2025年4月1日施行
    発行:e-Gov法令API(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  5. 育児休業等給付について四つの給付、財源、コールセンター、申請先、延長手続きの変更へのリンク
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  6. 育児休業等給付の内容と支給申請手続令和8年8月1日改訂版。支給要件、67%・50%・13%、2027年7月31日までの上限額・下限額、配偶者の休業を要件としない場合、パパ・ママ育休プラス、申請の頻度と提出者、保険料の免除と非課税
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  7. 育児時短就業給付の内容と支給申請手続令和8年8月1日時点版。支給要件、10%、支給限度額484,121円、最低限度額2,562円
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  8. 令和7年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります添付書類、見直しの経緯
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27
  9. 育児・介護休業法について令和6年改正の施行時期、都道府県労働局の相談窓口の案内
    発行:厚生労働省 確認日:2026-09-27

記載内容に誤りを見つけた場合は、訂正のご連絡からお知らせください。確認のうえ、訂正した内容と経緯を記事に記載します。