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日本とのつながり/データ・資料

2012年秋は4人。日本の勲章と外務大臣表彰を受けたウクライナの人

日本の政府は、日本との交流に功績のあった外国の人に勲章を贈り、外務省は外務大臣表彰を行っています。名簿と大使館の発表で確かめられた2006年から2018年までのウクライナに住む人・ウクライナ国籍の人など15人を、発表の文面の功績とともに並べ、二つの仕組みの違いと、2019年以降の名簿の数を示します。

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オリュカのひとこと

勲章と外務大臣表彰は、何が違うのでしょう。最初の見出しの表で見比べられます。

2012年11月3日に発令された秋の外国人叙勲の名簿には、キーウ(名簿の表記ではキエフ)とリヴィウに住む4人の名前が並びました。キーウ工科大学の学長、キーウ大学の日本文学・日本語教育と地理学の教授、そしてリヴィウ工科大学の准教授です。日本の政府は、日本との交流に功績のあった外国の人に勲章を贈り、外務省は別に外務大臣表彰を行っています。

以下は、内閣府と外務省が公表した外国人叙勲の名簿、外務大臣表彰の受賞者の一覧、在ウクライナ日本国大使館の発表から、ウクライナに住む人とウクライナ国籍の人(大使館の発表が「ウクライナ出身」と紹介した人を含む)を拾い出したものです(2026年9月時点)。

叙勲と外務大臣表彰は、どう違うのか

どちらも日本の政府が外国の人をたたえる仕組みですが、根拠と決める主体が違います。

項目外国人叙勲外務大臣表彰
根拠日本国憲法第7条(天皇の国事行為の一つとして「栄典を授与すること」)。選考は「春秋外国人叙勲候補者推薦要綱」(2003年、内閣総理大臣決定。2016年一部改正)による外務省が毎年行う表彰
決める主体外務大臣が候補者を選んで内閣総理大臣に推薦する。推薦の前に内閣府賞勲局と協議する(推薦要綱)外務大臣
時期毎年4月29日付け(春)と11月3日付け(秋)。ほかに儀礼的な叙勲などが随時毎年1回(年度ごと)
対象おおむね50歳以上の外国人(日系一世を除く。推薦要綱)個人と団体。日本に住む人、日本人も含む
e-Gov法令検索の日本国憲法、内閣府賞勲局「勲章・褒章制度の概要」「春秋外国人叙勲候補者推薦要綱」、外務省の外務大臣表彰の報道発表による(2026年9月に確認)。

内閣府の説明では、外国人叙勲は、国賓の来日や駐日の外交官の離任のときの「儀礼的色彩の濃い叙勲」と、日本との友好の増進などに功労のあった外国人への叙勲に分かれ、どちらも外務大臣の推薦にもとづきます。後者は1981年秋から、日本人の春秋叙勲と同じ時期に行われています。

外務省は外務大臣表彰の目的を、次のように説明しています。

外務大臣表彰は,多くの方々が国際関係の様々な分野で活躍し,我が国と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている中で,特に顕著な功績のあった個人および団体について,その功績を称えるとともに,その活動に対する一層の理解と支持を国民各層にお願いすることを目的としています。

外務省「令和元年度外務大臣表彰」報道発表

オリュカのひとこと

名簿には、どんな分野の人が載ってきたのでしょう。この年表で確かめられます。

年表:名簿に載ったウクライナの人たち

名簿の「国籍・現住所」の欄が「ウクライナ」の人と、在ウクライナ日本国大使館が「ウクライナ」の人として発表した受賞者を並べました。勲章の名前と功績は発表の文面のとおりで、肩書きは受章・受賞の時点のものです。

発令・発表種類名前(発表の表記)功績(発表の文面)肩書き(当時)
2006年11月3日旭日小綬章イワン・ジューブ日本文化の紹介及び対日理解の促進に寄与元 ウクライナ科学アカデミー理論物理学研究所上級研究員、元 在日ウクライナ大使館科学技術担当参事官
2012年11月3日旭日重光章ミハイロ・ザハーロヴィチ・ズグロフスキー日本・ウクライナ間の文化・経済関係の交流促進に寄与キーウ工科大学学長、元 教育科学大臣
2012年11月3日旭日中綬章イワン・ペトローヴィチ・ボンダレンコウクライナにおける日本の古典文学及び日本語教育の普及に寄与キーウ国立大学言語文化学部教授
2012年11月3日旭日中綬章ボリス・パヴロヴィチ・ヤツェンコウクライナにおける地理学を通じた日本研究と相互理解の促進に寄与キーウ国立大学地理学部教授
2012年11月3日旭日小綬章ミロン・セメーノヴィチ・フェドリーシンウクライナにおける日本語・日本文化の普及に寄与リヴィウ工科大学人文・社会科学部准教授
2014年4月29日旭日小綬章ウラジーミル・レオニードヴィチ・ピロゴフウクライナにおける日本研究の発展及び相互理解の促進に寄与キーウ国立言語大学東洋言語学部極東言語文明学科長、准教授
2015年度外務大臣表彰鄭信一(てん・しんいち)ウクライナでの日本語教育の推進キーウ国立言語大学の日本語教師(1991年から)
2016年4月29日旭日重光章ユーリー・コステンコ日本・ウクライナ間の友好親善及び相互理解の促進に寄与元 駐日ウクライナ大使
2016年度外務大臣表彰ナターシャ・グジー音楽を通じた日本とウクライナとの相互理解の促進歌手・バンドゥーラ奏者(日本で活動)
2016年11月3日旭日重光章ミコラ・クリニチ日本・ウクライナ間の友好親善及び相互理解の促進に寄与元 駐日ウクライナ大使、駐豪ウクライナ大使
2017年度外務大臣表彰ヴァシーリ・ピリプチャク音楽を通じた両国の文化交流ウクライナ国立オペラ劇場フレンチホルン奏者
2017年度外務大臣表彰ヴィクトリヤ・ミフダルスカオデーサにおける日本語教育の進展オデーサ国立大学上級日本語講師
2017年11月3日旭日重光章ミハイロ・ダシケーヴィチ日本・ウクライナ間の友好親善及び相互理解促進に寄与元 駐日ウクライナ大使
2017年11月3日旭日小綬章ヴォロディーミル・レザネンコウクライナにおける日本語教育・日本研究の発展及び日本・ウクライナ間の学術交流に寄与国立キーウ・モヒラ・アカデミー教授ほか
2018年11月3日旭日中綬章ペトロ・チュプリーナオペラやバレエを通じた日本・ウクライナ間の友好親善に寄与タラス・シェウチェンコ記念ウクライナ国立歌劇場総監督
叙勲は外務省・内閣府の外国人叙勲受章者名簿(2005年秋〜2026年春)、外務大臣表彰は在ウクライナ日本国大使館の発表(2015〜2017年度)と外務省の受賞者一覧による(2026年9月に確認)。外務大臣表彰の功績の欄は大使館の発表の説明を短くまとめたもの。名簿の地名「キエフ」「オデッサ」と、劇場名の「シェフチェンコ」は記事の表記に直した。

大使だった3人

2016年と2017年に旭日重光章を受けたコステンコ、クリニチ、ダシケーヴィチの3人は、いずれも駐日ウクライナ大使を務めた外交官です。

  1. オリュカ

    名簿に載った人たちは、どんな分野で功績があったのかな。

  2. スウネ

    発表の文面の分野ごとに分けた顔ぶれが、この見出しの下にあるよ。

  3. ヨリクネ

    翻訳や音楽の仕事の話は、この見出しの下のリンク先の記事へ寄り道できるよ。

功績の分野で見ると

大使だった3人を除く12人を、発表の文面の分野で分けると、いちばん多いのは日本語の教育と日本研究です。

  • 日本語教育・日本研究:ボンダレンコ、フェドリーシン、ピロゴフ、鄭信一、ミフダルスカ、レザネンコの6人
  • 大学の学長・教授としての交流:ズグロフスキー、ヤツェンコの2人(文面はズグロフスキーが文化・経済関係の交流、ヤツェンコが地理学を通じた日本研究)
  • 音楽・舞台:グジー、ピリプチャク、チュプリーナの3人
  • 日本文化の紹介(翻訳):ジューブの1人

2006年に旭日小綬章を受けたイヴァン・ジューブ(名簿では「イワン・ジューブ」)は、物理学者で、芥川龍之介や川端康成の作品を日本語からウクライナ語に訳した人です。2012年のイヴァン・ボンダレンコ(名簿では「イワン・ペトローヴィチ・ボンダレンコ」)は『ウクライナ語・日本語辞典』の共編者です。二人の仕事は日本の小説のウクライナ語訳の記事に書いています。グジーの表彰は、コブザールとバンドゥーラの記事でも触れています。

大使館の発表によれば、2015年度に表彰された鄭信一は、ウクライナが独立した直後の1991年にキーウ国立言語大学の日本語教師になり、1993年にウクライナ日本語教師会を立ち上げて約5年間会長を務めました。2017年度のミフダルスカは、1990年からオデーサのいくつもの教育機関で日本語を教え、自分で教材を作ってきた人です。ウクライナでいま日本語を学ぶ人の数は、国際交流基金の2024年度調査の記事にあります。

2019年以降の名簿

名簿を年ごとに数えると、2018年秋のチュプリーナのあと、ウクライナの人の名前は出てきません。理由は発表に書かれていないので、ここでは数だけを示します。

名簿確かめた範囲ウクライナの人
外国人叙勲(春秋)2019年春〜2026年春の15回0人
外国人叙勲(春秋以外、内閣府の一覧)2022〜2026年0人
外務大臣表彰(外務省の受賞者一覧)2018〜2025年度0人
外務省・内閣府の名簿による(2026年9月に確認)。2026年度の外務大臣表彰の一覧は確かめていない。
  1. オリュカ

    名簿のだれを「ウクライナの人」として数えたのかな。

  2. スウネ

    国籍と現住所のどちらを見て数えたかが、この見出しの下にあるよ。

  3. タブリ

    確かめた名簿の範囲は、ひとつ上の見出しの表に戻れば見られるよ。

数え方

外国人叙勲の名簿の「在外外国人」の欄は、「国籍」と「現住所」を並べて書いています。たとえば2016年秋のクリニチは、国籍が「ウクライナ」、現住所がオーストラリアのキャンベラ市です。数えたのは、国籍か現住所のどちらかが「ウクライナ」の人です。外務大臣表彰の一覧は現住所だけを書くため、日本に住む人は、在ウクライナ日本国大使館の発表で補いました(グジー。発表は「ウクライナ出身で日本を中心に活動している」と書いています)。

叙勲とは別の国際交流基金賞(1973年から)の受賞者一覧にも、2026年度までウクライナの個人・団体の名前は見当たりませんでした。

出典と記事の記録出典 15件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. 日本国憲法 第7条天皇の国事行為としての栄典の授与
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-27
  2. 勲章・褒章制度の概要外国人叙勲の二つの種類、外務大臣の推薦、1981年秋から春秋叙勲と同時期
    発行:内閣府賞勲局 確認日:2026-09-27
  3. 春秋外国人叙勲候補者推薦要綱平成15年5月16日内閣総理大臣決定、平成28年9月16日一部改正
    発行:内閣府賞勲局 確認日:2026-09-27
  4. 外国人叙勲受章者名簿(令和3年秋〜令和8年春)と令和4〜8年の外国人叙勲春秋以外
    発行:内閣府賞勲局 確認日:2026-09-27
  5. 外国人叙勲受章者名簿令和2年春〜令和8年春の各PDF
    発行:外務省 確認日:2026-09-27
  6. 外国人叙勲受章者名簿平成17年秋〜令和元年秋。平成18年秋 h18_au.pdf、平成24年秋 h24_au.pdf、平成26年春 000036855.pdf、平成28年春 000152720.pdf、平成28年秋 000200238.pdf、平成29年秋 000304481.pdf、平成30年秋 000415622.pdf ほか
    発行:外務省(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業の保存版) 確認日:2026-09-27
  7. コステンコ元駐日ウクライナ大使が旭日重光章を受章2016年4月29日
    発行:在ウクライナ日本国大使館 確認日:2026-09-27
  8. クリニチ前駐日ウクライナ大使が旭日重光章を受章2016年11月3日
    発行:在ウクライナ日本国大使館 確認日:2026-09-27
  9. 平成27年度外務大臣表彰(ウクライナ,モルドバ)鄭信一氏
    発行:在ウクライナ日本国大使館 確認日:2026-09-27
  10. ナターシャ・グジーさんに対する外務大臣表彰平成28年7月19日
    発行:在ウクライナ日本国大使館 確認日:2026-09-27
  11. 平成29年度外務大臣表彰ピリプチャク氏、ミフダルスカ氏
    発行:在ウクライナ日本国大使館 確認日:2026-09-27
  12. 令和元年度外務大臣表彰表彰の目的、受賞者一覧
    発行:外務省 確認日:2026-09-27
  13. 平成30年度・令和2〜7年度外務大臣表彰 受賞者一覧個人・団体。令和2年度個人は 100120925.pdf
    発行:外務省(Internet Archive の保存版) 確認日:2026-09-28
  14. これまでの国際交流基金賞受賞者一覧1973〜2025年度
    発行:国際交流基金 確認日:2026-09-28
  15. 国際交流基金賞2026年度の受賞者
    発行:国際交流基金 確認日:2026-09-28

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