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小選挙区から比例、また混合へ。最高会議の選挙 1990〜2019

ウクライナの最高会議450議席の選び方は、1990年から2019年までの9回の選挙で3回変わりました。小選挙区、名簿と小選挙区の混合、全員を名簿で選ぶ比例、そしてふたたび混合。阻止条項は4%、3%、5%と動き、投票率は70.78%から49.24%まで下がっています。選挙法の本文と中央選挙管理委員会の議定書で年表にしました。

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オリュカのひとこと

最高会議の選挙の仕組みは、これまで何度も変わってきたようです。この年表で確かめられます。

ウクライナの議会、最高会議(ヴェルホーヴナ・ラーダ)の定数は450です。この450人の選び方は、1990年から2019年までの9回の選挙のあいだに3回変わりました。すべてを小選挙区で選ぶ方式から、半分を政党の名簿で選ぶ混合の方式へ、次に全員を名簿で選ぶ比例の方式へ、そしてふたたび混合の方式へ。2019年末にはさらに新しい選挙法典ができましたが、2026年9月時点で、その方式による最高会議の選挙はまだ一度も行われていません。

各回の選挙の仕組みを、選挙法の本文と中央選挙管理委員会(ЦВК)の記録で年の順にたどります。最高会議・大統領・内閣の権限と、戒厳令のもとで選挙が行われない理由はウクライナの大統領、最高会議、内閣はそれぞれ何を決めるのかで扱っています。この記事は、政党や政治家の評価はしません。

9回の選挙の年表

投票日選挙法選び方名簿の阻止条項名簿を出した政党・ブロック/議席を得た数投票率
1990年3月4日1989年10月27日の法律(ソ連ウクライナ)450の小選挙区。投票者の過半数で当選、上位2人の決選投票あり———
1994年3月27日1993年11月18日 № 3623-XII450の小選挙区。投票者の過半数、かつ有権者の25%以上で当選———
1998年3月29日1997年9月24日 № 541/97-ВР混合:名簿225、小選挙区225(相対多数)4%30/870.78%
2002年3月31日2001年10月18日 № 2766-III混合:名簿225、小選挙区225(相対多数)4%33/669.26%
2006年3月26日2004年3月25日 № 1665-IV比例:450人すべてを全国一区の名簿で3%45/567.55%
2007年9月30日(臨時)同上比例3%20/562.02%
2012年10月28日2011年11月17日 № 4061-VI混合:名簿225、小選挙区225(相対多数)5%21/557.43%
2014年10月26日(臨時)同上混合。小選挙区の投票は198区だけ5%29/651.91%
2019年7月21日(臨時)同上混合。小選挙区の投票は199区だけ5%22/549.24%
各選挙法の本文(最高会議の法令データベース)、1990年の投票日は最高会議の決定 № 8309-XI(1989年10月28日)、1994年は Internet Encyclopedia of Ukraine(IEU)の項目「Supreme Council of Ukraine」、1998年以降の名簿の数と議席を得た数・投票率は中央選挙管理委員会の結果のページと選挙結果の議定書(プロトコル)から作成(2026年9月26日確認)。2006年・2012年・2014年・2019年の投票率は、議定書の「投票に参加した有権者の数」を「選挙人名簿に載った有権者の数」で割った本記事の計算。2007年は議定書が「62.02%」と記載。1990年・1994年の投票率と当選者の内訳は、この記事では扱っていない。

「臨時」は、中央選挙管理委員会が「позачергові」(任期の途中で行われた選挙)と分類している選挙です。2004年の憲法改正で議会の任期は4年から5年になり、2011年の改正で通常の選挙は5年目の10月の最終日曜日と定められました。この経緯はウクライナ憲法の30年で扱っています。

1990年と1994年:過半数を取るまで

1990年の選挙は、独立の前、ソ連のウクライナ共和国の議会を選ぶ選挙でした。1989年10月27日の法律「ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の人民代議員の選挙について」(№ 8304-XI)は、450の選挙区を設け、投票した人の過半数を得た候補を当選とし、有権者の半数未満しか投票しなかった選挙は成立しないと定めていました。3人以上が立って誰も過半数に届かなければ、上位2人で決選投票を行います。翌28日の最高会議の決定(№ 8309-XI)が、投票日を1990年3月4日の日曜日に指定しました。

独立後の1993年11月18日の法律(№ 3623-XII)も、450の小選挙区で「絶対多数」によって選ぶ方式を引き継ぎました。当選の条件は、投票した人の過半数で、しかも選挙人名簿に載った有権者の25%以上の票を得ること。投票率が50%に届かない選挙は成立しません(公布時の第43条)。

IEU の項目「Supreme Council of Ukraine」によれば、この条件のもとで行われた1994年3月27日の第1回投票で当選が決まったのは49人だけで、4月にさらに289人が選ばれました。5月11日に開いた議会の議員は338人で、欠けた選挙区の選挙はその後2年にわたって続き、1996年5月になっても24の選挙区に議員がいなかった、と同じ項目は書いています。

  1. オリュカ

    小選挙区と名簿の両方を使う仕組みは、いつから始まったのでしょうか。

  2. タブリ

    仕組みが変わった年と中身が、この見出しの下にまとまっているよ。

  3. スウネ

    議席を得た名簿の数は、この見出しの下の段落で選挙のたびに違うようだよ。

1998年と2002年:半分を名簿で

1997年9月24日の法律(№ 541/97-ВР)は、方式を「混合(小選挙区・比例)」に変えました。450人のうち225人を小選挙区の相対多数(最も多く票を得た候補が当選)で、225人を全国一区での政党・選挙ブロック(政党の連合)の名簿で選びます。名簿の票が投票者の4%に届かない政党・ブロックは、議席の配分に加われません。中央選挙管理委員会の記録では、1998年の選挙には30の名簿が出て、議席を得たのは8でした。

2001年10月18日の法律(№ 2766-III)も、名簿225・小選挙区225と4%の阻止条項を保ちました。2002年の選挙では33の名簿のうち6が議席を得ています。

2006年と2007年:全員を名簿で

2004年3月25日の法律(№ 1665-IV)は、450人すべてを全国一区の名簿で選ぶ比例の方式に切り替え、阻止条項を3%に下げました。小選挙区はなくなり、有権者は政党・ブロックの名簿に1票を投じるだけになります。2006年の選挙では45の名簿のうち5が、2007年の臨時選挙では20の名簿のうち5が議席を得ました。

  1. オリュカ

    名簿を出せるのが、政党だけになったのは、いつからでしょうか。

  2. タブリ

    仕組みが変わった年と中身は、この見出しの下に書いてあるよ。

  3. スウネ

    選挙ブロックの名簿がなくなったことも、この見出しの下で分かるよ。

2012年から2019年:ふたたび混合に

2011年11月17日の法律(№ 4061-VI)は、名簿225・小選挙区225の混合の方式に戻し、阻止条項を5%に上げました。名簿を出せるのは政党だけになり、それまでの法律にあった選挙ブロックの名簿はなくなっています。2012年は21の名簿のうち5、2014年は29のうち6、2019年は22のうち5が、5%の線を越えました。

2014年と2019年、投票が行われなかった選挙区

中央選挙管理委員会の記録によれば、2014年10月26日の選挙で投票が行われた小選挙区は、225のうち198でした。ロシアに占領されたクリミア自治共和国の10区とセヴァストポリ市の2区では投票が行われず、ドネツィク州では21区のうち12区、ルハンシク州では11区のうち5区でだけ投票が行われました。2019年7月21日の選挙では、投票が行われた小選挙区は199で、クリミアとセヴァストポリの12区のほか、ドネツィク州の9区、ルハンシク州の5区で投票が行われていません。

当選者の数は資料で食い違う

名簿の225議席に投票が行われた小選挙区の数を足すと、2014年は最大423、2019年は最大424になります。一方、IEU の項目は、2014年の選挙で選ばれたのは「450人のうち417人だけ」と書いています。数え方(当選が確定した時点、その後の辞退や再選挙を含むかどうか)が違う可能性がありますが、この記事では当選者の確定数を中央選挙管理委員会の資料で確かめていません。

オリュカのひとこと

投票率は、どの数字を使うかで見え方が変わるようです。この見出しで確かめられます。

投票率の数字は、どれを使うか

投票率として報じられる数字は、一つではありません。中央選挙管理委員会は投票日の夜、投票所から電話で集めた速報値を「暫定」と断ったうえで公表します。2019年の速報値は、国外の投票所を除くと49.84%でした。一方、選挙結果の議定書に載った有権者の数から計算すると、2019年は49.24%(参加1,475万9,548人÷名簿2,997万3,739人)になります。2014年も、速報値52.42%に対して、議定書からの計算は51.91%です。この記事の年表は議定書の数字を使っています。

  • 2014年:議定書の数字で、名簿に載った有権者3,092万1,218人、投票に参加した有権者1,605万2,228人
  • 2012年:同じく3,621万3,010人、2,079万7,206人
  • 2006年:同じく3,752万8,884人、2,535万2,380人

2019年の選挙法典と、戒厳令のもとで

2019年12月19日、最高会議は選挙法典(№ 396-IX)を採択しました。2020年1月1日に効力を生じた法典の第133条は、最高会議の選挙を「比例の方式」で、全国一区の統一名簿から作る地域ごとの名簿によって行うと定め、議席の配分に加わるには、地域の名簿への票の合計が全国で5%以上であることを求めています。小選挙区はふたたびなくなりました。

ただし、この方式で最高会議の選挙が行われたことはまだありません。2022年2月24日のロシアによる全面侵攻の日に出された戒厳令のもとでは、戒厳令法第19条が最高会議の選挙を禁じているからです(最高会議の権限の記事の最後の節)。地方選挙の方式も同じ法典が定めており、2020年10月25日には地方選挙が行われています(州・地区・フロマーダの記事)。1990年代の選挙の様子は戦後ウクライナの半世紀の最後の節で扱っています。

出典と記事の記録出典 21件 · AIの利用 · 運営体制

出典・参考資料

  1. Закон Української РСР «Про вибори народних депутатів Української РСР» № 8304-XI1989年10月27日。450選挙区、当選と不成立の条件、決選投票
    発行:Верховна Рада України(法令データベース) 確認日:2026-09-26
  2. Постанова Верховної Ради УРСР № 8309-XI「Про призначення виборів…」1989年10月28日。投票日1990年3月4日
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-26
  3. Закон «Про вибори народних депутатів України» № 3623-XII1993年11月18日。公布時の版の第1条・第43条
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-26
  4. Закон «Про вибори народних депутатів України» № 541/97-ВР1997年9月24日。第1条、4%の条項
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-26
  5. Закон «Про вибори народних депутатів України» № 2766-III2001年10月18日。第1条、4%の条項
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-26
  6. Закон «Про вибори народних депутатів України» № 1665-IV2004年3月25日。第1条、3%の条項
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-26
  7. Закон «Про вибори народних депутатів України» № 4061-VI2011年11月17日。第1条、5%の条項、ブロックの語の削除
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-26
  8. Виборчий кодекс України № 396-IX2019年12月19日。第133条、経過規定の効力発生日
    発行:Верховна Рада України 確認日:2026-09-26
  9. Вибори народних депутатів 1998:Підсумки голосування по партіях名簿の数、議席、投票率
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  10. Вибори народних депутатів 2002:Підсумки голосування по партіях名簿の数、議席、投票率
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  11. Протокол ЦВК про результати виборів народних депутатів України 2006名簿に載った有権者と参加した有権者の数、3%
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  12. Вибори 2006:Відомості про підрахунок голосів名簿の数と3%を越えた数
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  13. Протокол ЦВК про результати позачергових виборів 30 вересня 2007参加者数と62,02%
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  14. Вибори 2007:Відомості про підрахунок голосів名簿の数と3%を越えた数
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  15. Протокол ЦВК про результати виборів у загальнодержавному багатомандатному окрузі 2012有権者と参加者の数、5%
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  16. Вибори 2012:результати по багатомандатному округу名簿の数と5%を越えた数
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  17. Протокол ЦВК про результати позачергових виборів 26 жовтня 2014有権者と参加者の数、5%
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  18. Вибори 2014:результати та хід голосування名簿の数、投票が行われた198区、州ごとの区数、速報値52,42%
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  19. Протокол ЦВК про результати позачергових виборів 21 липня 2019有権者と参加者の数、5%
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  20. Вибори 2019:результати та хід голосування名簿の数、投票が行われた199区、州ごとの区数、速報値49,84%
    発行:Центральна виборча комісія 確認日:2026-09-26
  21. Supreme Council of Ukraine1994年の当選者数と欠員、1998年の方式、2014年の「417人」
    発行:Internet Encyclopedia of Ukraine(CIUS) 確認日:2026-09-26

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