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人と暮らし/実用ガイド

公立図書館は法律で無料、利用カードには住所の確認が要る

日本の公立図書館は、図書館法で入館や資料の利用にお金を取ってはならないと定められています。本を借りるには、住んでいる市区町村などの図書館で、名前と住所を確かめる書類を見せて利用カードを作ります。横浜市と神戸市を例に登録の条件を紹介し、ウクライナ語の本を所蔵している図書館の例も挙げます。

オリュカのひとこと

図書館カードを作るとき、在留カードは住所の確認に使えるのでしょうか。表の下の注意書きを読んでみましょう。

日本の図書館は、日本語を学ぶ人にも、子どもに本を読ませたい家族にも身近な場所です。本を借りるには利用カード(図書館カード)が要り、そのためには住所の確認があります。

以下は、図書館法の条文と、横浜市立図書館・神戸市立図書館・東京都立図書館・国立国会図書館国際子ども図書館の案内、各館の蔵書検索(OPAC)をもとに、2026年9月時点の内容をまとめたものです。登録の条件は図書館ごとに違います。自分が登録できるかどうかは、利用したい図書館で確かめてください。

公立図書館は無料

図書館法第17条は、「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と定めています。公立図書館とは、都道府県や市区町村などの地方公共団体が設置する図書館です(同法第2条)。入館も、本を読むことも、借りることも無料です。横浜市立図書館も、案内で「登録・貸出は無料です」と書いています。

一方、コピー(複写)は料金がかかるのが一般的です。東京都立図書館の利用案内Q&Aには、館内での複写料金についての項目があります。

利用カードを作れる人

市区町村の図書館では、その市区町村に住んでいる人のほか、通勤・通学している人もカードを作れるのが一般的です。近くの市や町に住む人にも発行している図書館があります。ここでは二つの市の例を挙げます。

図書館カードを作れる人確認書類の例
横浜市立図書館市内に住んでいるか通勤・通学している人。鎌倉市・川崎市・逗子市・藤沢市・大和市・横須賀市・町田市に住んでいる人本人の名前と現住所が確認できるものの原本。運転免許証、住民票の写しやマイナンバーカードなど自治体や官公庁が発行する証明書類、発行から3か月以内の公共料金の領収証、学生証、消印から3か月以内の本人宛ての郵便物など
神戸市立図書館市内に住んでいるか通勤・通学している人。隣接する芦屋市・西宮市・宝塚市・三田市・明石市・三木市・稲美町・淡路市に住んでいる人中学生以上は、市内に住んでいる・通勤・通学していることを証明できるもの(運転免許証、学生証、マイナンバーカードなど)
横浜市「登録(初めて図書を借りるとき)」、神戸市「初めて図書館を利用する方へ」をもとに作成(2026年9月24日確認)。

どちらの例示にも在留カードの名前は挙がっていません。横浜市は「自治体や官公庁が発行する証明書類」を例に挙げていますが、在留カードやマイナンバーカードの通知カードが使えるかどうかは、窓口で確かめてください(神戸市は、マイナンバーの通知カードは証明書として使えないと書いています)。住所の届け出を済ませて住民票の写しを取っておくと、確認に使える書類が増えます。住所の届け出については日本の住民登録で出てくる言葉にまとめています。

登録の決まりの例

  • 横浜市:カードはすべての市立図書館で共通、1人1枚。1枚で10冊を2週間借りられる。登録の有効期限は5年。オンラインで登録を申請することもできる
  • 神戸市:カードは10年間有効で、市立図書館の全館で共通。合計10冊を2週間借りられる。市内に住んでいない、通勤・通学もしていない、隣接する市町にも住んでいない人でも、神戸市に住む成人(18歳以上で学生でない人)が保証人になる保証書を出せばカードを作れる
  • 子どもの登録:横浜市では、小学生以下の子どもが1人で登録するとき、本人宛ての郵便物で名前と住所を確認できる。保護者と一緒に来る場合は、子ども本人の確認書類を持っていく

都道府県立図書館と国立の図書館は、借りられないことがある

都道府県が設置する図書館や国の図書館には、個人に本を貸し出していないところがあります。

東京都立図書館は、利用案内Q&Aで「個人貸出を行っていません」と答えています。そのかわり、都内の区市町村立図書館に本を貸し出す「協力貸出」をしています。住んでいる区や市の図書館を通じて頼めば、その図書館で読める場合があります。

国立国会図書館の国際子ども図書館(東京・上野)も、個人への貸出はしていません。所蔵する本は館内で読むほか、近くの公共図書館などを通じた「図書館間貸出」で、その図書館の館内で読めます。

オリュカのひとこと

ウクライナ語の本は、日本のどの図書館で読めるのでしょう。蔵書検索で確かめた例を見てみましょう。

ウクライナ語の本がある図書館の例

蔵書検索で、ウクライナ語の本や、ウクライナ語で書かれた資料が見つかった例を挙げます。いずれも2026年9月24日に各館の蔵書検索で確認したもので、貸出の状況は変わります。

横浜市立中央図書館

横浜市立図書館の蔵書検索で「@ウクライナ語の本」と入れて検索すると6件が見つかり、そのうち5冊がウクライナ語の絵本です。アナスタシヤ・ゴリダク(Анастасія Ґольдак)の文、カテリーナ・アザルキナ(Катерина Азаркіна)の絵による「トゥッティ」のシリーズです(出版年の分かるものは2021〜2022年)。たとえば『Тутті і ванілінки』(日本語書名:トゥッティとバニラベリー)は、中央図書館の児童書として所蔵され、状態は「利用可」でした。

神戸市立図書館

神戸市立図書館の蔵書検索では、兵庫県国際交流協会がつくった『子どもと親の防災ガイドブック』のウクライナ語版(2022年度改訂版、日本語とウクライナ語の併記)が、中央図書館など6か所に所蔵されています。中央図書館の2冊は館内で読む扱いです。日本の地震や台風への備えについては地震と台風の備え、ウクライナ語で読めるものも参照してください。

国立国会図書館国際子ども図書館

国立国会図書館サーチで検索すると、ウクライナの出版社の絵本が国際子ども図書館に所蔵されています。たとえば、ウクライナの昔話『Рукавичка』(日本の絵本『てぶくろ』のもとになった昔話。出版者はНавчальна книга ‑ Богдан、2011年)は、国際子ども図書館の書庫にあり、来館して読むことができます。資料を読む児童書研究資料室は、原則として18歳以上の人向けです(18歳未満の人は相談を受け付けています)。『てぶくろ』とウクライナの昔話については絵本『てぶくろ』の原題「ルカヴィチカ」で紹介しています。

ウクライナ語の本を探すには

市区町村の図書館の蔵書検索には、検索する言語を選ぶ欄があっても、「ウクライナ語」の選択肢がないことがあります。横浜市立図書館の詳細検索の言語の選択肢は、日本語、中国語、韓国・朝鮮語、英語などの13言語と「その他」でした。横浜市立図書館では、「Україна」などキリル文字の語で検索しても結果が出ず、ウクライナ語の絵本は書名に添えられた「ウクライナ語の本」という日本語で見つかりました。日本語の「ウクライナ語」で検索してみるのも一つの方法です。見つからないときは、図書館のカウンターで相談できます。

日本図書館協会の多文化サービス委員会は、多言語の図書館用語集や会話集、生活情報へのリンクをまとめたページを公開しており、生活情報の欄に日本に在留するウクライナの人向けの情報も挙げています。日本語を学べる場所については地域の日本語教室と、ウクライナ語で学べる無料の日本語教材、ウクライナ文学の日本語訳についてはウクライナ文学は何から読むかを参照してください。

出典・参考資料

  1. 図書館法(第2条 定義、第17条 入館料等)
    発行:e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日:2026-09-24
  2. 登録(初めて図書を借りるとき)(登録できる人、確認書類、無料、10冊2週間、有効期限5年、小学生以下の登録)
    発行:横浜市 確認日:2026-09-24
  3. 横浜市立図書館 蔵書検索(「@ウクライナ語の本」の検索結果、『Тутті і ванілінки』の所蔵と状態、詳細検索の言語の選択肢)
    発行:横浜市立図書館 確認日:2026-09-24
  4. 初めて図書館を利用する方へ(図書館カードの作成、証明書、10年有効、10冊2週間、隣接市町、保証書)
    発行:神戸市 確認日:2026-09-24
  5. 神戸市立図書館 蔵書検索(『子どもと親の防災ガイドブック ウクライナ語版』の所蔵館と帯出区分)
    発行:神戸市立図書館 確認日:2026-09-24
  6. 利用案内Q&A(個人貸出を行っていないこと、協力貸出、複写料金の項目)
    発行:東京都立図書館 確認日:2026-09-24
  7. 児童書研究資料室(原則18歳以上、個人への貸出は行っていないこと、図書館間貸出)
    発行:国立国会図書館国際子ども図書館 確認日:2026-09-24
  8. 図書館間貸出し(個人への貸出しは行っていないこと)
    発行:国立国会図書館国際子ども図書館 確認日:2026-09-24
  9. Рукавичка : українська народна казка(Навчальна книга ‑ Богдан、[2011]、国際子ども図書館 児童書研究資料室 書庫)
    発行:国立国会図書館サーチ 確認日:2026-09-24
  10. 多文化サービスリンク集(多言語図書館用語集・会話集、多言語生活情報)
    発行:日本図書館協会 多文化サービス委員会 確認日:2026-09-24

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